~広い広い世界を、自分の思い通りに切り取れるなんて最高じゃないか。

第19回「最後を切り取る」

何気なくいいなと思った景色にシャッターを切る。気のおけない友人との楽しい時間にシャッターを切る。

その時と全く同じ写真は二度と撮ることは出来ない。同じ時間に同じ場所行っても景色は変わっているし、友達だって前に会った友人ではない。

 

 

 

目の前の風景は、一瞬一瞬いつも最後なのだ。そう考えれば、今、目の前に現れる景色や人に出会うことは、奇跡と言えるだろう。そのことを忘れず居たい。

その素晴らしさを忘れそうになったら、ファインダーを覗くといい。目の前の景色を再確認するのだ。

誰かに几帳面に並べられた椅子たち。街のわずかな隙間で風に揺れる花。路上で行き先を確認するサイクリスト。

もう二度と出会えない景色。それを残せるのが写真だ。

そして、いつか振り返った時、それが宝物だったと気付く。

 

 

 

 

実は、今回、私が書かせてもらう最後のコラムとなる。

少々感傷的になるが、写真を撮る人に伝えたいことを書いてみる。最後なので、テーマとは外れるかもしれないが許してほしい。

 

 

 

 

 

 

高校の写真部で「写真」を始めてから40年近い年月を「写真」と過ごしてきた。

私は、写真の力を信じている。でも、写真が特別なものではないとも思っている。

あくまでカメラは道具、写真は手段だ。道具は大切だし、手段がなければ想いを伝えられない。でも、写真が特別なのではない。

特別なものがあるとしたら、それはあなた自身だ。

 

 

 

写真があるのは、あなたがいるからだ。あなたが凄いのだ。それを誰も否定することは出来ない。どんなに有名な写真家も、偉い先生でもだ。

芸術品であれ、商品であれ、それは誰かが作ったものだ。関わり方はいろいろだが、人から生まれる。

あなたが生み出すものは、あなたにしか作れないのだ。そのことに、自信を持って欲しい。

 

 

 

最後に。このサイト「PENTAX official」がスタートする時に、壮々たるコラム執筆者の中に私を推薦してくれたリコーイメージング(株)の安藤さん、毎回文章をチェックしてくれ最後まで伴走してくれた三宅さんにお礼を言いたい。そして何より、ここで出会ったペンタキシアンにお礼を言いたい。

本当にありがとうございました。
また会う日まで。さようなら。