写真家 藤里一郎さんと、モデルのふなこしはじめさんによる連載企画。

記事とあわせて、こちらの「Youtubeラジオ(音声のみ)」もぜひお聴きください。
(※良い声なのでイヤホン、ヘッドフォン推奨です)

 

第3回「好き力のおはなし。」文:藤里一郎

 

誰もが女性ポートレイトを撮るときに単純に上手に撮ってみたいと思うだろう。

そしてモデルさんの事をより可愛く綺麗に撮りたいはずだ。これは女性ポートレイトを撮ることにおいてとても大切な気持ちなのだが、実はうわべだけに気をとられ、肝心な事を忘れていないかしら、と。昨今のSNSで大量に流れてくる写真らしき「画像」を見ていて「うわべばかりじゃないか?」と思う事も少なくない。

 

 

ではうわべとは?この場合テクニック至上主義の部分を指すわけだ。

念入りなロケハンに基づく場所選び、自然とはかけ離れたライティングやシチュエイション。ソレ着て何処行くの?な、衣装。どれをとってもスゴイとかキレイしか感想が出てこない類いの写真なのだが、果たしてそれって…。もちろん素晴らしい作品であるのは間違い無い(まず、撮ろうと準備する所からリスペクトだ)のだが、果たしてそのモデルさんでなくてはならない理由がある?って感じてしまうモノが多いということ。まず、作品から「あー、このモデルさんじゃなくても良かったのかな」とバレてしまってくるのだから。

 

 

僕はモデルさんの事を好きになる力、すなわち「好き力」をもってして撮影に挑むべきだと常に思っている。

 

気になる今回のレンズは、smc PENTAX-A 50mmF1.7だ。

 

 

コンパクトな鏡筒に未だに古くさくならないデザイン、廻しやすいヘリコイドと好み爆発という感じ。描写の方も思っていた通りの仕上がり。柔らかくどこかアンバーな世界に誘ってくれるこのレンズ、とても良い時代の香りをそのまま蘇らせてくれる。まだまだ現役で活躍できる1本だろう。このレンズ越しの彼女、とても生き生きと感じさせてくれる。こんな頼みの1本に出会いたいものだ。

 

軽快に撮影が進むなか、ふなこしはじめに聞いてみた。「好きってなんだろうね」と。

 

 

ひとくちに好きと言っても、容姿が好き、性格が好き、声や匂いが好き・・・多様な好みが出てくると思うのだ。もちろんどれか1つでも全部でも、好きには変わりないがシンプルな方が伝わりやすい気もする。

またなにか1つ褒めたくなる部分を声にしてみてはどうだろう。今日の衣装もとてもカワイイね、や、その笑顔が可愛くて好き。とかとか。でもあまり細かな所に気づいてしまうことで、警戒心が出てしまったという経験もあるので、ふわっと的確に褒めてみる方が効果的な気がする。そして好きの本質とは?を考えると、そのモデルにお願いしたくて、そのモデルらしく撮るや、はたまたギャップを狙うという楽しみもある。

 

 

 

だが、根底になければならないのは「そのモデルである理由」だと思う。ふなこしはじめ でなければこの連載は出来なかった。

 

 

 

なぜなら彼女の奔放な所を全部受け止めることでニコニコしながらシャッターを切り続けられるという楽しみが常にあるからだ。これは大きな信頼感と安心感がある。

 

 

顔や表情が可愛く美しいのはもちろんだが、それ以上に僕が彼女のことを受け止める、彼女は僕に預ける、という関係性が写真に現れてくるのだから。

 

 

 

昔からよく使っている言葉がある。

「想いは技術を一瞬で超える。」

 



まずはそれぞれの好きを目指してここからスタートだ。

 

〔こちらの記事でご紹介した製品の情報はこちら〕

>>PENTAX K-3 Mark III製品ページ