今回は SATOBI のケイタ的カスタマイズのお話です。なぜ SATOBI と書くのかは>>前回の記事を参考にしてください。カスタムに敢えてサブネームの forest をつけているのはカスタマイズの方向性を決めるためです。

 SATOBI forest の特徴

 街角に続くシリーズとしてネイチャースナップの森角(モリカド)というのを続けています。そのときに SATOBI を使えないかと考えてこのカスタマイズを作りました。ポイントにしたのは赤みとコントラストを少し強くすることです。

 カスタマイズのポイント

 赤みを少し強くするために、彩度1、色相-2、コントラスト3、コントラスト(暗部)-1、というのが今回の変更点です。微妙な変化ですが暗部の深みが増して森の深みを表現しやすくなります。

  

露出補正 -2.3EV  かなりアンダーにしても暗部の再現力に余裕があるのが SATOBI らしく、赤みを少し上げると深みが増す

カメラとレンズ

 カメラは PENTAX K-1 Mark II、レンズは smc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limited で、撮影モードは絞り優先で F5.6 を使います。森角で使うレンズはそのときどきで変わりますが、フルサイズの包容力と FA31mm Limited の切れ味はかなり気に入っています。ネイチャーでは細かいものが多いので F5.6 がボケとのバランスも良くこのレンズのベストだと考えています。

 御岳山は歩いて登る

 森角でよく行くのは今回の御岳山(929m)のような1000m以下の低山です。これは木々の植生の豊かさを感じるのがだいたい1000m以下だからです。御岳山でも有名なロックガーデンまで上がると岩が多くなります。

 

露出補正 -2.7EV  ロックガーデンでの1枚。強いアンダーにしているのは深みをしっかりと再現するためで、プリントや作品ではRAWから仕上げる。

 

RAWから仕上げた写真

 

御岳山といえば御嶽駅からバスとケーブルカーで上がるというイメージがあると思います。私はできるだけ下から歩いて登るようにしています。私は撮影しながら2時間ちょっとで登ります。撮影するペースは早いので少しゆっくり登るのと同じぐらいだと思います。最初の霜柱を見つけたのも歩いて登ったおかげでした。

 いくつか登山道はあるのですが、数年前の台風の影響で不通になっている道もあって、最近使うのは古里駅からの登山道です。

 

露出補正 -1.7EV  古里駅からの登山道は植林の杉林から始まる。下から登ると森の変化を感じて山に対する意識が変わる

 

露出補正 -2.3EV  のんびり登りながら発見を捉えるのが森角スタイル。三脚は使わないので、微妙な光の反射は自分の動きでコントロールしやすい

山登りに焦りは禁物

 登り切った後は必ず休憩します。それも外で休憩せずにお土産物屋さんに入って軽く食事をします。それぐらいのんびりと焦らないペースが山登りには大切です。さらにおみやげ物屋さんの方と仲良くなると近況を教えてもらえることがあります。おすすめのお店はいつもやっているところなのですぐにわかるはずです。おかみさんがとても親切でお漬物のサービスがあってそこで話し込みすぎたり、登るのが遅くなったらその日はそこまで、そんな諦めも大切です。御岳山のくだりは必ずケーブルカーを使うので山頂のケーブルカー乗り場に16時ぐらいまでにいけると安心できます。

 

露出補正 -2.7EV  休憩後に七代の滝を経由してロックガーデンを目指した。実は久しぶりでコースを間違えてしまったのだが、そのおかげでこの深みに出会えた。緑の再現も SATOBI forest の魅力

 

露出補正 -2.7EV  七代の滝につながるコースは一度下る感じになるので見上げた空を木々と共に撮影した。この辺りは植林の杉だけでなく落葉樹もある

 

露出補正 -2.7EV ロックガーデンで撮影した小さな流れ。風景の広がりや大きな滝よりこんな小さなところに目を向けてしまうのは性分。ライブビューを使って水面すれすれから撮影した

 

露出補正 -2.3EV  さらに小さな発見に思わず寄ってしまった。こんなときは焦らず足元を注意しながら近づきたい

山は天気にも注意

露出補正 -2.0EV ロックガーデンの撮影を終えて帰り際の尾根からかなりアンダー露出にして空のグラデーションを狙った

 

 撮影に出かけたのは年末。上の写真を撮ったのは、Exif14時半となっていました。街中より山は暗くなるのが早いというのを気をつけたいところです。さら早朝でなくても山に上がれば霜柱や氷を楽しむことができます。以前、3月に雪という経験をしたこともあります。ちなみにその日の街の天気は雨でした。街と違って気をつけなければいけない点は増えますが、こんな時期だからこそ自然の中で自分のペースで撮影したいと思うことがあります。無理をしない、異変を感じたら戻る、そんな基本的なことを守って森の撮影を楽しんでください。

 まとめ

 今回のカスタマイズのように何か変化を加えるときは基本的に最終的な方向性を決めてから始めるようにしています。これはペンタックスのカスタムイメージはカスタマイズできる範囲が広いので闇雲に始めて迷子になるのを防ぐためです。さらに微調整はいろいろなイメージを撮った後に行います。ちょっと遠回りをしているようですが、撮影中にその都度考えていると被写体に対する集中力が弱くなるので、それを防ぐためでもあります。こんな感じで皆さんもオリジナルのカスタマイズを楽しんでください。

 改めて設定のポイント

 絞り優先オート(F5.6WBは太陽光、ISO感度はオート。カスタムイメージで変更したのは彩度1 、色相-2、コントラスト3 、コントラスト(暗部)-1、あとはデフォルトです。

>>We are PENTAXIAN「私のお気に入り画像仕上げセッティング」でも紹介しています。

 

 次回は、FA43mm Limited natural 推し です。

 

〔こちらの記事でご紹介した製品の情報はこちら〕

>>PENTAX K-1 Mark II製品ページ

・smc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limited(生産終了品)
>>現行製品はこちら:HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited製品ページ

 

 

■K-1シリーズ向けに新カスタムイメージ「里び(SATOBI)」テストファームウェアを公開中

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