5月のお題は…『距離感』

藤里 一郎師範(女性ポートレイト道場)

距離感について考えた事はあるだろうか。藤里の作品でまず語られるのが「距離感」だ。はたしてそれがなんなのか?というのは解明されていないが(笑)心の模様を表すのに最適な所があるはず。「その表現においてどの間合いにいるのか」が距離感だと感じている。まずは声が聞こえてモデルさんを呼び止められる距離から始めてみよう。そして触れられるような距離感まで寄ってみる。突如として撮り手のドキドキ感がアップする。さらにはハグが出来そうな距離感となると、もうお手上げかもしれない。そしてそこまで寄らせてもらうには配慮も必要。身だしなみしかり、関係性しかり。もっとも重要なのは「どういうテーマやコンセプトでどの画が欲しいのか」をしっかり伝えること。そうした事がすべて出来れば距離感から感じる「その奥のメッセージ」が読める作品になるはず。作品の中で関係性を語れるようがんばって欲しい。押忍。

「近い、遠いだけが距離感ではない」
お互いが心地良かったり、少し寂しくなるような間合いを感じて欲しい。

〔呼び止める距離感〕

〔触れられる距離感〕

〔ハグできる距離感〕

藤里一郎 師範からの5月のお題は『距離感』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

 

5月の挑戦者その1:にたばるさん

「ごご」
近寄っていい?
そんなことがちゃんと聞けそうな距離。

にたばる
滋賀県在住。室内で過去の写真を見直したりしています。PENTAX K-1 とsmc PENTAX-FA 31mm F1.8AL Limitedで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

 

残念ながら

藤里 一郎師範からの添削コメント

 

いいですねー、とってもカワイイです。白い世界で作られた世界、大好きです。

向かって右側は自然光が入っていますかね。そして左側からは電球色の光が来ているように見受けられます。もしこれがそうだったなら、僕はまず電球の照明を消します。光を混ぜないことも大切ですが右側のハイライトが自然にシャドーへと落ちていくように物語を増幅させてくれると思っています。

「近づきたい午後」のようですが、なにか女の子の気持ちに隙がなく感じます。俯せのポーズは近づくことを拒否されているイメージがするのです。なのでもう少し身体を横に向けてもらうか、少しベッドと胸の辺りに隙間があったりするとそこに気持ちの余裕みたいなのが表現されてくる気もします。

これ、近寄りたいって言ったら「え、ダメ」って声が聞こえ、チャンチャン!みたいに終了ですね(笑)距離感とは相手と自分の関係性が出るということをしっかり捉えてください。門前払い。

5月の挑戦者その2:キナコマニアさん

現状、テーマにそった写真を撮りに行けません。
テーマに合った写真を探すのも勉強だと思い、写真を選んでみました。

キナコマニア
広島県在住、男性。狭い画角で撮ってます。PENTAX K-S1とsmc PENTAX-DA 35mmF2.4ALで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

 

残念ながら

藤里 一郎師範からの添削コメント

 

大胆な構成の写真ですね!SNS映えしそうな色味です。ただし…、こんなにピンクなサクラはどうでしょう…。僕の中のサクラは、あわーいさくら色なのです。もちろんここまで色づくサクラも種類によってはあると思いますが、ほんのりな感じの色味の方が日本の風土、またペンタックスとしての色表現が得意な色味の様に感じます。画面だけ見ていると色彩崩壊を起こしてしまいます。

またSNS映えを考え、スマホで見れば多分見れてしまうと思います。ただし、写真作品として考え大きく伸ばしたりすると目に刺さる色彩かと思っています。好みの問題もございますが、ちょっと指摘させてもらいました。

あと、距離感ですが、撮り手がここには居ない感じがします。モデルさんとサクラ。どう思って、どう感じて、何が匂ってシャッターを切りましたか?

写真って何よりも撮り手が写るはずなのです。しっかり対峙してどう表現したいか考えながら、写真を作ってください。とはいえ今回はストックからお選びいただいたようでしたね、ありがとうございました。門前払い。

5月の挑戦者その3:setomomoさん

私を待っているような、置いていかれてしまうような距離感を意識して撮影しました。

setomomo
栃木県在住、女性。これはどうやって撮るのだろう?実験撮影が大好きです。PENTAX K-1 Mark IIに、オールドレンズ(Takumar F1.8/55mm)を付けて撮影しています。

 

師範の判定結果は・・・

 

残念ながら

藤里 一郎師範からの添削コメント

 

雨、傘、いい女、これは三つ巴のシチュエイションですね!大好物です。あわーい世界で、なにやら映画の中から飛び出てきた?みたいな世界があると思います。

そしてフラッシュ撮影をされているんですか?あまりフラッシュ感がなくて僕は好きです。フラッシュはパッキリ描写するためと、ほんのり色を出すためと使い方が異なります。露出の取り方も変わってきますし表現が変わりますので、フラッシュ一辺倒な画にしないように心がけてください。そしてこれ、何より僕は「横位置」で見たかった。白い壁で奥行きを作る構図で、吸い込まれる感、もしくは登場感、どちらにも感じられるのではないでしょうか?後ろのビルや看板も、日常感があって良いのですが、思い切ってそこをカットし、非日常感と彼女の目、存在感。近づきたいけど近づけない距離感というのが、ドキドキしたんじゃないかなーと思っています。僕だったら間違いなく傘をそのまま地面に置いて、ずぶ濡れの画にすると思いますよ、ご参考までに。門前払い。

 

コロナウィルス感染拡大防止のための自粛期間ということで、ポートレイトの作品づくりには厳しい時期にあります。そんな中、過去作など振り返りご投稿いただいた皆さま誠にありがとうございます。

にたばるさん、キナコマニアさん、setomomoさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

 

記念品は7月上旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

その他の投稿作品をご紹介

最後に、5月のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。

〔クリックで写真が大きくなります〕

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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