4月のお題は…『懐かしさ』

こばやし かをる 師範

懐かしいという感情や過去を思い返す能力は、ほかの動物にはない人間特有のものだと言われています。誰しもが感じる「懐かしさ」は、自分の過去を肯定し生きている時間を感じること。変わらない空気、あの頃のままの姿、小さい頃の自分、印象深い思い出などを表現してみてください。それぞれのバックボーンを感じさせてもらえる作品を期待しています。
なぜ懐かしく感じるのか。コメントを添えていただければと思います。

 



こばやし かをる 師範からの4月のお題は『懐かしさ』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

4月の挑戦者その1:yuu-changさん

令和の世の中に、未だ国鉄時代のカラーリングを頑なに守る電車。
新旧の電車が交錯した時、ノスタルジーが溢れ出します。
カスタムイメージ「ほのか」、色温度7000ケルビンでノスタルジックな仕上げにしました。

yuu-chang
岡山県在住、男性。ペンタックスK-S1で一眼レフに入門して以来のペンタックスファン。今では二台目となる愛機ペンタックスKPで、週末スナップをするのが趣味です。PENTAX KPとPENTAX-DA 21mmF3.2AL Limitedで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

こばやし かをる 師範からの添削コメント

 

国鉄時代のカラーリング懐かしいですね。車体の形も愛らしい。カスタムイメージ「ほのか」でコントラスト弱く浅い色合いがピッタリです。しかし、撮っていただきたいのは鉄道写真ではなく日常×物語。
この強い夕陽であれば右手のホームにいる人たちをシルエットで狙えたはずです。通勤、通学それぞれの人の物語があるはずです。
また、ご自身がこの場所で感じている懐かしさを車両以外で表現してもらいたかった。
感じたことや気持ちを伝えること。それこそが物語です。

4月の挑戦者その2:tokutoku1002さん

夜の浅草、有名な神谷バーと歩行者たちを切り取ってみました。

tokutoku1002
東京都在住、男性。風景写真を中心に、旅写真やスナップ写真を楽しんでいます。PENTAX K-7とsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8 ED ALで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

こばやし かをる 師範からの添削コメント

 

神谷バー有名な場所ですね。tokutoku1002さんは、ここに通われていたのでしょうか。あるいは浅草周辺の方でしょうか。ここでの出来事をご自身で懐かしく感じていますか?そこが気になってしまうのは、写真からは「この場所で何があったのか。」という体験を感じられないからです。
懐かしさとは説明写真や記録写真ではなく、自分自身の感じたことや記憶を見た人の感情に働きかけ、よみがえらせることができるか。ということです。印象深い思い出をぜひ見せてください。
また、焦点距離やフレーミングの甘さが目立ちます。広角で撮影したため、歪みが目立つこと、空の黒さが重たく感じること、神谷バーの上からのぞく看板にいたってはムードある建物の雰囲気を壊してしまっています。アーケードの蛍光灯もかなり白くて眩しいですね。デジタルフィルター機能などを使用してムード作りにも挑戦してみてください。

よって門前払いです。

 

4月の挑戦者その3:ヤマサンさん

城下町の路地で銀残しを使って撮りました。
少し薄暗くなり始めた時間帯で妙な懐かしさを感じながら撮影した一枚です。

ヤマサン
福島県在住、男性。人生もピントもゆるくいきたいと思う人。PENTAX K-50とTAMRON 28-300mmf3.5-6.3で撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

こばやし かをる 師範からの添削コメント

 

場所や時間帯を選んだことは評価できます。銀残しの雰囲気も雨上がりの路地と左手の建物の雰囲気に相応しいと思います。
残念なのは、モデルさんを起用してしまったことです。例えば、ここを黒猫が振り返る、小学生が友達と駆け抜ける、制服の学生が友だちと会話を楽しむ。そんな日常的にみられるシーンであれば懐かしさを感じられたでしょう。
この空間を活かすのであれば、メインの被写体をもう少し手前に置き、絞り込みすぎず背景をぼかすことでぼんやりとした懐かしい雰囲気も生まれます。

 

記念品のお届けについて

yuu-changさん、tokutoku1002さん、ヤマサンさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

記念品は5月中旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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