~広い広い世界を、自分の思い通りに切り取れるなんて最高じゃないか。

第15回「自分の内面を切り取る」

「自分自身のことは、自分が一番よくわかっている。」

さて、あなたはこの言葉をどう思うだろう?「それはそうだろう。」と思うのか、「自分のことはよくわからない。」と思うのか。

 

 

自分の内面を知るために公園に行ってみた。考えてみれば、公園は子供から大人まで利用する。母に連れられて来た近所の公園、みんなと一緒にお花見した郊外の大きな公園、一人で時間を潰した街の公園。そこには、その時々の自分がいたはずだ。何を思い、時を過ごしたのだろう。それを考えることに、自分自身を知るヒントがありそうだ。



今日のお供は、KP+ smc -M 35mm F2.8 。

自分自身の内面に焦点を当てるには、AFレンズではなく、やはりきちんと自分でピントリングを回してピントを合わせたいと思ったからだ。焦点距離も目線に近い方がいい。広角でもなく望遠でもなく標準。とても抽象的なことだけど、自分の内面なんて明確な答えがないことだから、それがいいと思った。

 

 

 

 

 

誰もが利用出来る公園という場所は、日常の続きにあるのに、どこか非日常な感じがする。それは、楽しい場所でもあるが、陰湿な犯罪が起こる場所でもあるからだろうか。それとも、やってくる人々が、自分でも気がつかない内面にある喜怒哀楽を持ってくるからだろうか。いずれにしても、私にとってその非日常感は、自分の内面を考えるのには、最適な場所である。



私の場合、公園で自然と目がいくのが影だ。内面の影を映し出しているのだろうか。影というと暗いイメージだが、それだけではない。影自体も美しいし、影を知らなければ、光の美しさはわからない。清濁併せ吞むではないが、光影併せ吞む人でいたい。



もし、今、あなたが人間関係や仕事に疲れていて、自分のことがわからなくなっていたら、カメラを持って公園へ行ってみて欲しい。難しく考えることはない。気になったものにレンズを向ければいい。ファインダーの中の風景はあなた自身だ。きっと何か答えが見つかるだろう。



自分を見つめなおす時間はとても大切だ。忙しくて、そんな時間なんて取れないと嘆かなくていい。カメラはいつまでも、あなたのそばで待ってくれている。