はじめまして。デザイナーのNishimuraです。

カメラやレンズは写真を撮るためにありますが、たたずまいを愛でる、という楽しみ方も多分にあります。今回はそんな企てをご紹介します。

個人的に好きなレンズはFA 77mmF1.8 Limitedです。コンパクトな鏡筒に目一杯詰まっているレンズ、2つのローレットパターン、七宝のフィンガーポイント…見どころいっぱいです。

しかしあるとき私は気づいてしまいました。カメラにつけた時、七宝が見えない角度があるのです。

 

グリップの反対側からみると、みえませんねー。(あたりまえ)

 

…見えないなら見えるところにお越しいただこう!!

つきそうな場所がありました。カメラのシンクロターミナルキャップです。試作品を作るための七宝は設計さんから数個お預かりしてきました。

ですが七宝の部品は単純な半球ではなく、円柱の土台がわずかにあり、その上に半球がのっている形状です。

埋め込むためには接点キャップに、円柱の土台が入るくぼみを設けないといけません。削りましょう。

というわけで家の旋盤で掘ることにします。…あれ?つかめないぞ?

シンクロターミナルキャップには旋盤が掴める円形部分がありませんでした。

ですが幸運なことに穴はあったので、アルミ材を削って凸型治具を作成し、キャップを圧入することでようやくキャップと旋盤の芯を合わせることができました。

削りは穴あけドリルだと穴がすり鉢形状になってしまうので使えません。

[加工中の写真]

ご家庭に1台はあるであろう旋盤

 

くぼみ形状に合う工具(φ4mmエンドミル)を調達し、狙い通りのくぼみを設けることが出来ました。

思ったより手間がかかりました。ふぅ…。

 

くぼみに七宝を埋め込み、完成!

 

[できあがった“七宝”シンクロターミナルキャップ]

 

そして、カメラに装着!!

 

[カメラ装着写真]

カメラを右側からみても七宝。ニヤリ

もともと突出している部品に装着したのと、Kシリーズはグリーンの印刷や色入れ、グリーンボタンの緑色が挿し色になっていることもあって想像以上に調和している気がします。

 

というわけで色々な角度から七宝を眺めることができるようになりました。さらにはFA Limitedレンズをつけていないときでも七宝を身近に感じることができます。

より一層、たたずまいを愛でる時間が増えてしまいました。喜ばしい。

皆様に見ていただければこれ幸いと、四谷のPENTAXクラブハウスにて2023年3月4日(土)から展示予定です。

またごく少数ではありますが、おなじく3月4日(土)に開催される>>「PENTAX体験会スペシャル in 大阪」のJ limited コーナーにて販売を行います。先着順での販売となりますので、気になる方はお早めに会場にお越しください。