リニューアルした佐々木啓太の新連載「ケイタのあんこ(略称)」。4回目は、smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic(以下 smc FA50mm Classic)」です。実は9月のモノ⭐︎クロ3に引き続き、10月も四ツ谷にあるペンタックスクラブハウスでこのレンズの撮りおろし作品展を開催しています。そんなこともあって、改めてsmc FA50mm Classicの魅力を検証したいと思います。

今回も展示作品の販売を行います。そして、この記事ではあえて展示作品を外しています。どんな作品を展示したかは会場で確認してください。

カメラとレンズ

カメラ:PENTAX K-1 Mark II
レンズ:smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic

実は難しい虹色フレア

このレンズの特徴とも言える虹色フレアを使うのは結構大変です(佐々木啓太個人の感想)。それは光源に対してかなりシビアな角度が求めらるからで、ライビューを使うと比較的楽にはなりますが、光学ファインダーを覗きながら使いたいというのが個人的な思いです。光学ファインダーを使った撮影では必ず付属のND16フィルターをつけてあまり長い時間太陽を見ないようにしてください。私のようにサングラスをかけておくのも目の保護には良いと思います。絞りは開放絞りのF1.4はマストで、ファインダーに黄金分割の罫線をだして、罫線の外側に太陽を持っていくと光学ファインダーでも虹色フレアを出せる確率が上がります。



データ共通 絞り優先 F1.4 / 露出補正 +0.7EV / ISO感度 AUTO / WB AWB / カスタムイメージ Gold / ND16使用 左は虹色フレアがでていて、少し角度が違う右は虹色フレアがでていない。これぐらいシビアで、光学ファインダーをのぞいているときはファインダー上ではどちらもフレアがでている感じになっていた

 

絞り優先 F1.4 / 露出補正 +0.3EV / ISO感度 100 / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン(ケイタのカスタム仕様) / ND16使用 これはやりすぎ注意な感じの虹色フレア。ファインダーの端ギリギリに太陽を入れるとこんなド派手になる

絞り優先 F1.4 / 露出補正 – 0.3EV / ISO感度 100 / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン(ケイタのカスタム仕様) / ND16使用 ポップチューンで使うと虹色フレアがはっきりしやすい。ポップチューンは全てケイタのカスタム仕様で派手さを少し抑えている

絞り優先 F1.4 / 露出補正 + 0.3EV / ISO感度 100 / WB AWB / カスタムイメージ モノトーン(セピア) / ND16使用 モノトーン(セピア)ではフレアのアクセントが程よい感じ

ND16+絞り開放+Goldで街角写真

街角写真は街の中でなにげないところを撮影する佐々木啓太のライフワークシリーズです。なにげないところを少しかっこよく見せるために普段はほとんどモノクロで撮りますが、このレンズの絞り開放とGoldの組み合わせはちょっと好みです。絞り開放にすると画面全体が優しい雰囲気になるので、Goldとの相性が抜群で、フィルムのような味わいを感じます。

絞り優先 F1.4 / 露出補正 0EV / ISO感度 200 / WB AWB / カスタムイメージ Gold / ND16使用 絞り開放にしていると全体に優しい雰囲気でピントを合わせた手前の人物が風景から浮き上がっているように見える。この全体に優しい感じとGoldの色みの組み合わせがフィルムライクのポイント

絞り優先 F1.4 / 露出補正 +0.7EV / ISO感度 320 / WB AWB / カスタムイメージ Gold / ND16使用 商業施設の入り口の天井に鏡のように風景が映り込んでいた。絞り開放にしていると周辺減光が画面を引き締めてくれる場面がある

絞り優先 F1.4 / 露出補正 – 0.7EV / ISO感度 AUTO / WB AWB / カスタムイメージ Gold コントラストが強くなりすぎず、渋みがあって夜景に哀愁を加えてくれるのがこの組み合わせ良いところ。夜景ではND16を外してISO感度もAUTOにした

くっきりはっきりのポップチューン

やさしさを感じる描写を楽しむのがこのレンズの最大の魅力とわかっていても、ついつい強さを出したいと思うときがあります。そんなときはポップチューン(ケイタのカスタム仕様)を使うと絞り開放を使ってもくっきりはっきりしたイメージが狙えます。

絞り優先 F1.4 / 露出補正 -1.0EV / ISO感度 100 / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン / ND16使用 くっきりはっきりに合わせて露出もアンダーにして、ビルの間から湧きあがる雲の質感を狙った。ここでも周辺減光が画面を引き締める手伝いをしてくれている

絞り優先 F1.4 / 露出補正 -0.7EV / ISO感度 100 / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン / ND16使用 街のくっきりはっきりはこのレンズでなくても良い気がしたので 森角(モリカド)という自然風景でなにげないところを狙うシリーズに切り替えた

絞り優先 F1.4 / 露出補正 -1.3EV / ISO感度 AUTO / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン 木漏れ日の中のシダの葉っぱの背景は玉ボケが可愛く、虹色フレアも画面下の方に少しだけでている。実は虹色フレアこんな感じの少しが好みで、これはなかなか狙えない(笑)

絞り優先 F1.4 / 露出補正 -1.3EV / ISO感度 AUTO / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン 少し離れたところに差し込む光をポイントに森の雰囲気を狙った。絞り開放とは思えない細かい部分の分離の良さからこのレンズの基本性能の高さを感じる

絞り優先 F1.4 / 露出補正 -1.7EV / ISO感度 AUTO / WB AWB / カスタムイメージ ポップチューン 光のあたっていない森でも色の濁りは少なく優しさを再現してくれる。レンズが持っているやさしさとカスタム仕様のポップチューンのバランスが森の湿度を捉えてくれた気がした

ポップチューンを使ったくっきりはっきりで森の中を選んだのは程よく細かい部分を見せながら、このレンズの優しい描写が森全体の雰囲気を包み込んでくれからです。森の撮影はいつものように手持ちで三脚は持っていません。小型・軽量の smc FA50mm Classic はカメラとレンズを手に持ちながら歩いているときの負担が少なくアングル探しの動きも軽快でした。

ケイタカスタムのポップチューンの設定(デフォルトから変更したものだけを表記)

彩度:-2 / キー:-1/ コントラスト:+1 / シャープネス:0

まとめ

このレンズの担当者さんが見たら虹色フレアをもっと使ってくれ。そんな嘆きが聞こえてきそうですが、そこはペンタックスの担当者さんなのでニヤッとしてくれるはずです。そんな特徴的なところだけでなく今回紹介した絞り開放からの細かい描写の良さや優しさなどレンズの全体性能も高いのがこの smc FA50mm Classic の最大の魅力です。

PENTAXクラブハウス「フォトウォール」展示情報

smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic 撮りおろし
佐々木啓太作品展「Goldとセピアとときどきポップチューン」

二部構成で会期中に写真を入れ替えます。
一部:10月 1日(火)~15日(火)
二部:10月17日(木)~31日(木)

10月26日(土)ギュアラリートークイベントも開催します。

PENTAXクラブハウス イベントスケジュール

展示されていないプリントを見たいときはスタッフにお声がけください。今回は展示だけでなく撮り下ろしをまとめたBook(モノクロ・セピア)も作りました。

Memories 原宿 (税込 1,100円)は今回の作品展に合わせて作った Keita’s Book。実は見開き写真を半分にして表紙にしています。開くとどうなるでしょか?その写真は展示しますのでそちらで確認してください。

今回のあんこ

だんごの三好の「手作りぼたもち」
今回は地元の駅近くにある「だんごの三好」さん。店内でお母さんたちが手作りをしているあんこが絶妙なんです。どのあんこにするか店頭で悩んで「手作りぼたもち」をチョイス。決めては2つ入っているのといかにもてんこ盛りのあんこです。我慢できずに家に帰る途中の公園で頬張って、うっまぁ〜っと、雄叫びをあげそうになったのでした。こんなご近所のだんご屋さんも侮れません。大事なのは店内での手作りかな。