カラー画像をモノクロ画像に変換するにはいろいろな方法がありますが、私は「Nik Silver Efex」というモノクロ画像編集ソフトを長年愛用しています。モノクロームでの作品制作のメインはフィルム写真なのでそれほど出番は多くありませんが、カラー画像編集ソフトの「Nik Color Efex」と合わせて今でも欠かせないアイテムです。K-3 Mark III Monochromeはモノクローム専用のイメージセンサーを採用しているのでモノクロ化は必要ありませんが、カスタムイメージを使い分けたり、パラメーターをカスタマイズするだけではイメージ通りの調子が得られないこともあります。現在もまだ使いこなしを模索中ですが、K-3 Mark III Monochromeでもフィルム写真の暗室ワークのように部分的に焼き込んだり、覆い焼きなどをする必要性が出てくるでしょう。それらの作業はRAW現像ソフトやフォトレタッチソフトでもできますが、従来通りNik Silver Efexと連携させて効率性を高めたいと考えています。
このソフトを開発したNik Software社は、2012年にGoogle社に買収されました。同社が開発していたソフトはNik Silver EfexやNik Color Efexのほかにもいろいろありますが、それらはGoogle傘下になってから「Nik Collection」としてセット販売され、2016年には無料で配布されるようになりました。誰でも気軽に利用できるようになったわけですが、2017年に更新終了をアナウンス。今後はアップデートなどは行わないとのことで、でも現状で満足しているので問題ないと思っていたのですが、OSを最新バージョンにするとエラーが発生します。それを回避するためにOSをアップグレードせずに使い続けていましたが、いずれ使えなくなるのではと不安を抱くようになり、代替のソフトを探し始めました。
2017年秋、画像編集ソフト「DxO Film Pack」などを開発するDxO社が引き継ぎ、Nik Collectionの開発継続がアナウンスされました。2018年春に最新OSに対応したバージョンをリリース。再び有料となりましたが、モノクロ画像編集でもはやこのソフトが欠かせない私は大歓迎です。開発を続けてくれるのはありがたいと、そのたびにお金がかかりますがアップグレードを続けています。
Nik Silver Efexは機能がとても充実していて、いろいろなモノクロ画像編集ができます。でもモノトーンを判断する目がないのにそれらを操作すると、ソフトに振り回されてしまいます。RAW現像ソフトやフォトレタッチソフトなどほかの画像編集ソフトと同様、あれこれ際限なく調整ができてしまうので不自然な仕上がりになりがちです。複数の機能を組み合わせるのはモノクロ写真の審美眼が養われてからで、それまでは使う機能を制限したほうが効果的であるように考えます。うっかりすると撮影の精度の低下につながるので注意が必要です。
Nik Silver Efexで私がメインで使っているのが「フィルムタイプ」機能です。過去に実在した、あるいは現行のフィルムを再現した設定がたくさん用意されていて、それらを使い分け、必要に応じて微調整するだけで印象的なモノトーンに仕上げることができます。フィルム写真の暗室経験がなくても、この機能を通じてモノトーンを見る目を養うことができるでしょう。そのような目を持つことで、RAW現像ソフトやフォトレタッチソフトなどほかの画像編集ソフトでも階調豊かで魅力的なモノトーンに仕上げられるようになるはずです。もちろん万能ではありませんが、Nik Silver Efexはモノクロ画像編集のトレーニングにも有効であると考えていて、フォトスクールの受講生などにも勧めています。ちなみに、Nik Collectionを引き継いだDxO社からは、同じく銀塩フィルムライクな仕上がりが楽しめる「DxO FilmPack」という画像編集ソフトも発売されています。
今回は地元の千葉・外房エリアを愛車で南下し、JR和田浦駅近くに駐車して周辺を散策しました。レンズは前回と同じくHD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR、カスタムイメージは「スタンダード」で、いつものように撮影時に必要な情報をしっかり写し込むようにします。今回はカメラ内RAW現像でパラメーターを微調整するのではなく、そのままNik Silver Efexで開いて画像編集を行いました。前述の「フィルムタイプ」機能ではなく、あらかじめ用意されているプリセットを選び、各種設定を微調整して仕上げる方法も有効です。でもこのソフトでどのようなことができるのかを知ってもらうために、今回はそれぞれの画像に合いそうなプリセットを適用するだけにしました。もちろんスマートフォン用のアプリなどとは違い、K-3 Mark III Monochromeの繊細な表現力と解像力、階調生に優れたモノクローム性能を生かしつつ、プリント作品にもしっかり対応できるクオリティーです。
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