最近はいつまでも夏が終わらないのだけど、気がついたらもう師走である。カメラを持って街角を歩いていると、カレンダーよりもまず光が冬の訪れを教えてくれる。
僕は両国国技館のそばに住んでいて、近所には(僕が越してからだいぶ減ってしまったけれど)相撲部屋が多い。力士衆と道ですれ違うのは日常だし、コンビニなどで遭遇することも珍しくない。近所にゴッドハンドな整骨院があり、僕もたいへんお世話になっているのだが、よく考えたらここも多くの相撲部屋御用達だ。
そんなわけで自然と相撲が気になるのだが、先日の九州場所はウクライナ出身の安青錦が初優勝。で、もう大関。ウクライナが平穏になるのが先か、安青錦が横綱になるのが先か。どっちも早く見たいのだが。そんなことを考えながら歩いていたら、足元に青黄のウクライナカラーが。
目線の高さでは撮れないので少しかがんでみる。いや、これは被写体と同じレベルまでカメラを下げなければ。もちろんライブビューを頼るのだが、K-1/K-1 Mark IIの特徴である液晶モニターの「フレキシブルチルト」を、たぶん初めて使った。いや初めてじゃないかもしれないけど記憶にないな。このカメラを買ってたしか4年くらい経つが、液晶モニターがこんなにぐにゃぐにゃ動くことすらすっかり忘れていた。
初めてK-1、そして「フレキシブルチルト」式液晶モニターを見たときのことを思い出す。あれは某カメラ雑誌の企画を撮影していたハウススタジオだった。編集部員が発表されたばかりのK-1を持参してきたのだが、ただただ驚き、そして不思議に思った記憶がある。しかしなぜこんなユニークな構造なのだろう。ちゃんと聞いたことがなかった。
しかもそれがK-3 Mark IIIになると一転、液晶モニターはコンサバティブな「固定」式になるのである。機動力があるK-3 Mark IIIこそ「フレキシブルチルト」じゃないの?とツッコミたくなるけど、そういうところがPENTAXらしいというかなんというか。と公式サイトの連載で書いても怒られないどころか、おもろいやんと(たぶん)褒めてくれるところもPENTAXらしいというかなんというか。
今回の写真を撮ったのは、掲載順に目黒、蔵前、六角橋、柴又、真鶴。外出続きの週があり、移動のついでにひと駅先まで歩いたり、目的地の周辺をちょっと歩いたりした。子供が生まれてからふらっと旅に出ることはなくなったが、近場でも知らない道や、久しぶりの町を歩くと楽しくなる。そんなときカメラに43mmのレンズが着いていると、視界をそのまま切り取る感覚があって気持ちがいい。
これがAPS-Cフォーマットのカメラだと話は変わってくるのだけど、28mmレンズを着ければほぼ43mm相当の画角になる。K-3 Mark IIIユーザーのあなたはぜひ28mmを…と思ったのだけど、現行のPENTAXレンズにはなんと28mm単焦点がなかった。愛好者も多いはずの焦点距離なのに、なんでないの? そういうところもPENTAXらしいというかなんというか。
リコーイメージングさん、ここはぜひとも安くて薄くてよく写るPENTAXらしい28mmレンズを! まあ安くなくてもいいから薄さと写りは追求してほしいかな。そんなレンズ、フルサイズユーザーにもAPS-Cユーザーにも朗報だと思うんですが。















