※この記事は、ペンタックス(PENTAX by RICOH IMAGING)Facebookページからの転載です。

こんにちは、ラリーです。元号が「令和」に変わりましたので、PENTAXが世界で初めて世に出したシリーズの第3回として、今回は世界初の称号を昭和(平成だと最近過ぎて・・・)で最後に冠した製品をご紹介します。

その製品とは、昭和62年(1987年、1989年1月8日から平成)3月に発売した「PENTAX SFX」です。

当時、待ちに待たれた位相差AFシステム搭載の一眼レフとして誕生し、交換レンズ群もそれまでのAレンズからAF対応のFレンズに一新されました。

既に先行する他メーカーが発売していた製品が市場を席巻し始めていて、各社とも一日も早くAF一眼レフを発売しようと躍起になっていたのですが、SFXの開発陣は、AFシステムに加えてもう一つ、TTLリトラクタブルタイプのフラッシュを世界で初めてカメラ本体に内蔵して世に送り出したのです(それまでは外付けタイプやフラッシュ内蔵グリップの装着が必要でした)。

現在の初中級機種では当たり前のように内蔵されているフラッシュですが、画期的な反面、それまでのPENTAX一眼レフとは全く異なる巨大なペンタ部には賛美両論あったと聞いています。

当然、AF駆動やフラッシュ発光で電池消費が増えるので、それまでのボタン電池や単三ではなく、ちょうど普及し始めたリチウム電池(現代のリチウムイオン充電池ではなく使いきりの一次電池!)を採用することになったのですが、そこでちょっとした問題が発生します。

SFXを発売した時期は、CR-P2とちょっと細長い2CR5タイプという2種類があったのですが、地域ごとに普及率が異なっていたり、中にはどちらもまだ入手しづらい国があったそうです。
そこでSFXでは、どちらでも装着できるハイブリッド形状の電池室とし、さらに電池を入れるグリップ部を取り外し式にして、(撮影可能本数は少なくなりますが)単三電池用のグリップにも交換可能としていました。

その後、2CR5が世界的に普及したので、こんなトリッキーな構造は考えなくてすむようになりました。

でも、今のデジタル一眼レフ用バッテリーグリップを見てみると、単三だけではなく予備のリチウムイオン充電池や、KPに至っては本体に入らないK-1や645Z用のD-LI90Pがセットできる仕様になっています。誰かが受け継いでますね、きっと(笑)。