いきなり真面目なタイトルですね。
唐突ですが、写真ってあまり難しく考えずに「楽しい」って気持ちだけでも充分価値のある趣味ですよね。ファミリークラブのイベントやフォトスクールで各地のユーザーの皆さんと接する中でつくづく思います。それは間違いではありません。
でもちょっと例え話をします。例えばGRユーザー方々の中には写真家の森山大道さんの写真や表現に憧れて、そのスタイルを追っかけている方って結構いらっしゃるのではないでしょうか。ここでもう一歩踏み込んで、では日本の写真表現の歴史を俯瞰して、どんな表現の変遷やムーブメントがあって、その先にこのスタイルがあるのだということを知ったら、もっと楽しくなるかもしれません。
もしお手元にPENTAXのレンズ・アクセサリーカタログがあったら最初の見開きの写真ページを開いてみてください。こんなセリフがあります。
“フランスのニエプスが世界初の写真を撮影してから200年近く。”
これは世界の写真史を勉強すると出てくる写真の起源の話です。フランスのニセフォール・ニエプスが世界で初めてアスファルトの感光性を利用して写真の撮影に成功したのが1825年。写真は誕生してからまもなく200年を迎えます。この「たった200年」の間にカメラや感光材料といった技術的側面と、そして表現の両面において、写真は目まぐるしい進化と変化を経験しました。
この歴史をマクロの視点とミクロの視点でつぶさに見ていくと、その延長線上に「なぜこの時代にあの写真家がああいう表現手段を選んでいるのか」とか、「あぁ、あの人はそういう意味でああいう表現を目指しているのか」っていう風に、少し俯瞰で物事が見えてくるんですよね。そして「いま自分はこういう表現の変遷の先に立っているのか」って、自分の写真についても一歩深く写真について考えられるようになります。「じゃあ自分には何ができるんだろう?」と。
「楽しい」だけでも良いけれど、この一歩深い部分に踏み込んだら写真は「もっと楽しく」なるはずです。そんなひとつのきっかけになってほしいなという気持ちで企画しているのが4月からスタートするリコーフォトアカデミーの『教養講座』。『教養講座』では年間を通じて定番の「世界写真史」や「日本写真史」だけでなく、写真集を楽しむための講座や、「良い写真とは何か」を考える講座など、直接の写真の撮り方ではなく写真の周辺を取り巻く様々な知識を増やす各種講座を予定しています。
知識を増やすことが目的ではなく、それを踏まえて「じゃぁ自分ならどんなことが出来るのだろう?」を考えるきっかけになる。そんなリコーフォトアカデミーの『教養講座』、試しに受講してみませんか? 講座によっては平日夜の開講も。お仕事帰りにもぜひ。