皆さんは何がきっかけで写真を始められたのでしょうか?
以前の記事では、過去のどのような経験が写真表現に結びついているか、といったお話をしました。
今回は私自身が写真を始めたきっかけについてのお話です。
私が写真を始めたきっかけは、「パリフラワーアレンジメントツアー」でした。
今はだれでも気軽に写真を簡単に楽しめる時代になりましたが、13年前に私が写真を始めたころは、「○○を撮影するからカメラを買う」というように明確な目的意識を持った方が多かったように感じていたので、購入するのは決意のいることでした。
入院生活、そして子育てが一段落して、「さてこれから残りの人生を楽しむことを始めよう!」と思い立ち、フラワーアレンジメント講師になるための学校で勉強を始めました。また同時期に、独学で宅地建物取引士の勉強も行いました。全く違うジャンルの勉強は右脳と左脳を使えて楽しかったように思います。
そのフラワーアレンジメントの学校で、年末にパリフラワーアレンジメントツアーを開催することになり、一生に何度もないチャンスだと思って参加することにしました。久しぶりの海外、それもパリに行くのだから美しく撮れるカメラを持っていこう!と、カメラ量販店へ。しかしたくさんのカメラが並びどれを手にしたらいいのか全く分からない…どうせ投資するなら日本に戻ってきてからも使えるカメラを、と二つの条件を店員さんに提示しました。
一つ目は「フラワーアレンジを接写撮影できること」、二つ目は「持ち歩きに負担のない重さであること」。その条件を聞いて店員さんが選んでくれたのは、RICOH R10でした。当時5万円~6万円ほどだったと記憶しています。
さて、これでいい写真が撮れるはずだと意気揚々とカメラを持ってパリに行ったわけですが、ここでは大失敗。結局カメラ任せのオートモードでパシャパシャとシャッターを押すだけ、イメージからは程遠い写真ばかり。しかも知らない間に動画ボタンを押していて、自分の足と話声が記録されているだけの動画にがっかりしたことを覚えています。
道具だけではなくて、使いこなしが重要なのだということに気づいたきっかけです。それと同時に、自分の撮りたい写真のイメージがすでに頭の中には存在していることにも気づくことができました。
日本に帰ってからもっとカメラを使いこなせるようになるために、インターネットで写真を投稿されているサイトを見たりして勉強しました。また、当時は少なかった写真ワークショップにも参加するうちに、フラワーアレンジメント講師資格と宅地建物取引士の資格も取れ、次は本格的に写真の勉強をしたい、と思うようになったのです。
現在愛用しているカメラとレンズは、「奥行き、空間、被写体の表情」がイメージ通りに切り取れるPENTAX K-1 Mark IIとsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedです。私の要望にきちんと応えてくれる親友、そして相棒として手放せないものになっています。
もしフラワーアレンジメントに興味を持っていなければ、そしてパリに行っていなければ、きっと写真の世界に踏み込んではいなかったことでしょう。人生なにがきっかけになるかわからない、興味がある物にはなんでもチャレンジしてみたいと今でも思っています。