4月のお題は…『階段』

ハービー・山口 師範

「階段を登るとどこへ繋がっているのだろう?」「この階段が急勾配でいつもしんどい!」「階段が作る風景はドラマティックだ!」など、とらえ方は自由です。あなたにとっての“階段”を撮影してください。

 

 

ハービー・山口 師範からの4月のお題は『階段』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

 

4月の挑戦者その1:akeさん

この場所の雰囲気が好きだなぁと写真を撮っていたら、
子供が上階から駆け下りてきたので思わずシャッターを押しました。

ake
大阪府在住、女性。シャッターを押すのがとても好きです。PENTAX K-3 IIで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

 

もう一歩!

ハービー・山口 師範からの添削コメント

 

階段というのはそれだけでも構図として興味深いものがあるのですが、時に人物を画面に呼び込むことで、興味がさらに深くなる可能性があります。

この写真が正に好例で、2者の関係性が想像出来ますし、また絵的にも面白さが倍加します。上に写っている方が、微妙にブレているのですが、そこに新たなストーリーが生まれる要素が加わりますね。

この写真の場合は、まず的確な構図を見つけ、そこに人物を呼び込むことでコンクリートの無機質な質感に人間の温かみが加わり、作者の狙った作品に仕上がってくるのです。

4月の挑戦者その2:きよどんさん

近所の神社です。子供のころからここが遊び場であり信仰の対象です。
そんなに多い階段ではありませんが人生と対比してみました。
何も無い暗い足元の幼年期
明るい青年期~壮年期
薄暗い老年期
まさに降りることが出来ない階段みたいなものだと思います。
あと、頭の上には風に揺らぐ満開の桜とブルーモーメントも取り入れてみました。

きよどん
岡山県在住、男性。ME-SuperからのPENTAX使いで今年還暦です。PENTAX K-1とTAMRON SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

 

もう一歩!

ハービー・山口 師範からの添削コメント

 

この場合は階段に人物が写っていないのですが、十分にドラマがあります。それは広い画角を使うことにより、満開の桜を大胆に前景に置き、手前から遠方に続く階段によって、私たちの視線は頂上の鳥居に導かれます。

鳥居が赤くライトによって浮かび上がっているのも幻想的で効果として抜群です。こうした様々な要素が点在しているにも関わらず絵作りの旨さが際立ち、まとまった画面になっています。

近くの枝と花びらがブレているのも迫力に繋がっています。また桜の幹を照らす強い光源の存在、鳥居の赤が画面を引き締めています。

4月の挑戦者その3:たけさん

夕方の歩道橋で撮影。手前の階段の色あせや錆びに哀愁を、
奥の空には、不確かながらも明るい未来の存在を暗示してるかのように感じました。

たけ
広島県在住、男性。K-1 Mark IIに単焦点を中心に色々なレンズをつけて撮影を楽しんでいます。PENTAX K-1 Mark IIとsmc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDMで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

 

もう一歩!

ハービー・山口 師範からの添削コメント

 

歩道橋というと騒がしく人々が行き交うイメージがありますが、この写真は無人の寂しい歩道橋なので、見る者に意外性を訴えてきます。この意外性は写真のテーマとして大変重要です。

階段に手前に錆びた部分が見えますが、こうしたさり気ない要素が、時代の経過、寂しさ、侘しさに繋がり、より私たちに迫ってきます。また被写界深度を浅くすることで、遠くにいくにつれてボケを誘っています。さらにシンメトリーにした構図が余計にこのボケを強調させることに繋がり、我々の想像力を掻き立ててくれます。

ともすれば見逃しがちな日常の風景ですが、こうしたテクニックで撮ることで一枚の完成した絵になります。もしどこかに一つアクセントがあったとしたら、どう画面が引き締まるか試して下さい。

akeさん、きよどんさん、たけさんには「免許中伝 ミニ木札」をお贈りします!

記念品は4月の結果が出そろい次第発送いたしますので、最長で一か月程度を目安にお送りします。しばしお待ちくださいませ。

その他の投稿作品をご紹介

最後に、4月のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。

〔クリックで写真が大きくなります〕

 

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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