「カメラやレンズのメンテナンスは難しそう…」「どうやってするの…」

普段からカメラを使って撮影しているユーザーの皆さんの中には、このような気持ちがあるのではないでしょうか。
そんな疑問にお答えすべく、ご自身でも行えるメンテナンスについてサービス部門でご案内している内容を記事にまとめてみます。

メンテナンスとは

せっかく機材を手にしたのに、日頃のお手入れの必要性を知らず、いつの間にかカメラやレンズにカビが生えたり、いざ撮影に出かけた際に肝心の写真にイメージセンサーのゴミが写り込んでしまったりなんていうことも。

カメラやレンズに限らず、常日頃から正しいお手入れ方法を身に着けるのは大事なことです。

大事に使ってあげれば機材もきっと喜んで、より良い写真が撮れるかも…?(根拠はありません)

 

具体的に「セルフメンテナンス」って何をするの?

  • カメラやレンズ、外付けフラッシュなどがちゃんと動いているかを確認する
  • 汚れやホコリ等の付着を確認して、撮影前、撮影後、あるいは定期的に清掃を行う
  • 異常に気づいたらメーカーの窓口に問い合わせる、点検に持ち込む

つまり、セルフメンテナンスとは日頃から機材のお手入れを行うことで、トラブルなどを未然に防ぐためのものです。

必要な道具の例

  1. ブロアー
  2. 刷毛(ハケ)
  3. マイクロファイバークロス(メガネ拭きなどでも)
  4. レンズクリーナー(液体)
  5. ペーパークロス
  6. イメージセンサークリーニングキット O-ICK1

カメラもレンズも精密機器ですので、道具はなんでも良いというわけではありません。
安全性が高く、毛羽立ちなどでさらにゴミを生み出さないような素材のもの、レンズ面などに傷をつけない素材である必要があります。

作業環境を整える

  • 機材と道具を置ける広さが必要です
  • ゴミやホコリの少ない空間
  • エアコンの風があたらない場所、外気の流入が少ない場所

 

カメラの動作確認

基本動作の確認

  • 電源スイッチ、電池の確認
  • モードダイヤル、前後電子ダイヤル、スマートファンクションダイヤル(対応機種)の動作確認
  • モニターの表示確認 ⇒ よくつかうモードで確認しましょう
  • 各ボタンの動作確認

 

まずはよくお使いのモードで動作を確認するのが一番です。

例えば、Avモードで、絞り設定、ISO感度の設定、露出補正などを行う際に、各ダイヤル・ボタンの操作で思い通り設定が行えているかどうかを確認します。
撮影前にカメラの動作を確認するのも大事なメンテナンスの一部ということになり、クリーニングだけでなくこの動作確認も「トラブルを未然に回避する」ことにつながるのです。

修理サービスのプロは、動作点検の際にとりあえず「付いているすべてのボタン・ダイヤルの動作点検」を行っています。

皆さんもまずはいつもよく使っているところを重点的に動作確認を行ってください。

また、忘れがちな部分として「カメラとレンズのマウントの電気接点」があります。

意外と同じレンズをカメラにつけっぱなしの方がいらっしゃり、一年間レンズを外してもいないのに最近なぜか動きが変?とか…。もしかしたらその間に接点にゴミや汚れが溜まって電気の流れが不安定なのかもしれません。

カメラ・レンズの外観清掃

汚れやすいのはこんなところ

レンズ前玉の表面

レンズフードの取り付け溝や、ズームなどの繰り出し部分

ホットシューまわり

可動式液晶まわり

ファインダー接眼部

カメラとレンズのマウント接合部

さらに気にしておきたい部分

レンズマウントにたまった汚れ、電子接点の汚れ

カメラマウントにたまった汚れ、電子接点の汚れ

前述の通り、マウントには想像以上に汚れがたまりがちなので、毛羽立たないものでこすって除去しましょう。「防塵・防滴の組み合わせだから」などと油断してはならないところです。
特に電子接点については、堆積したゴミや油分によって「酸化被膜」という状態を招き通信を阻害する可能性があるため、定期的に綺麗にしていただくのが好ましいです。
そんなに手間はかからず、身近なものではハンカチのようなもので2、3度こすれば充分です。

 

フラッシュの発光面

フラッシュの発光面にホコリや繊維などが付着していると、発光の熱で発煙する可能性あるため気をつけましょう。
発煙するということは焼け焦げているわけですから、その状態での使用が続くと表面のフレネルレンズ(ギザギザした透明の部分)が熱で溶けることもあり得ます。
安全のため、機材を長く使い続けるためにも注意していただきたいところです。

などなど…

 

機材の外観を綺麗にしておくのは、単に綺麗なほうが見た目が良いからというだけの理由ではありません。

外観に付着したホコリは、内部に混入するリスクを抱えておりますので、何かの拍子に内部に入り込み正常な動作を妨げる原因となり得ます。
日頃から機材を綺麗に保っておくことで安心して撮影ができるとともに、これもまた不慮のトラブルを未然に防ぐことにつながるのです。

イメージセンサーのゴミ

レンズの着脱や、内部機構の稼働によって、カメラの内部にもホコリなどが付着するリスクがあります。

ホコリの付着したセンサー

 

イメージセンサー上にホコリなどが付着した状態で撮影をすると、上の写真のようにゴミの影が写り込む可能性があります。
絞り込んで撮影したときや、装着したレンズの特性によって撮影画像に顕著に目立ってきますので、撮影を終えた後や、大事な撮影に出かける前に確認してみると良いでしょう。

一般的な方法としては、白い壁などを絞り込んで撮影してみるとわかりやすいです。

 

イメージセンサークリーニング

ただ、イメージセンサーは非常にデリケートな部分であるため清掃には気を使っていただきたところです。(無理はせずお気軽にお近くの特約指定店にご依頼ください)

簡単に飛ばせるような大きな毛羽だったりホコリであったり、長い繊維などであればブロアーでの清掃も可能ですが、センサーに付着している小さなゴミは、ブロアーの風でさらに奥やミラーボックスの隅に追いやってしまう可能性もあります。また、ゴミの性質上どうやってもブロアーでは吹き飛ばせないものもあります。

とはいえ、ご自分で清掃を済ませてしまいたい場合には、イメージセンサークリーニングキットO-ICK1のご使用をおすすめします。

 

この機会に「イメージセンサークリーニングキットO-ICK1」のご使用方法と、実際のセルフクリーニングの模様を動画にまとめてみました。

ご自身でチャレンジされる前に、ぜひ一度ご覧ください。

頻繁に行うことは中々ないと思いますので、手順を意識して落ち着いて作業を行うことが大事です。

レンズ表面清掃

レンズの表面の清掃は、まず付着したゴミを取り除いてください。

ブロアーで付着したホコリ等を大まかに飛ばす

刷毛で残ったホコリ等をやさしく払う

※いきなり拭き取ろうとすると砂、ホコリなどで傷をつける可能性がありますので、必ず先に除去しましょう。

汚れを拭き取る際は無水エタノールや、レンズクリーニング用の液体を、ペーパークロスやシルボン紙といった、微細な繊維で毛羽立ちにくい素材のものに塗布して拭いていきます。

液溜まりや拭きムラを防ぐため、レンズ本体ではなくペーパークロス等に液体をつけるようにしましょう。

マイクロファイバークロス(ペーパー)等で拭き上げる

最後に、再度全体を確認しておきましょう。基本的には撮影前後に上記を行うだけで、レンズを良い状態で保てます。

意外と見落としがちなキャップ関係

レンズやカメラは綺麗にしてても、取り外したキャップはポケットやカメラバッグの中に放り込んだままということはありませんか?

レンズキャップに付着したホコリがレンズ面にそのまま移動したり、カメラのボディキャップに付いたホコリがカメラ内に侵入したりすることもあります。ぜひキャップも一緒に綺麗にしてあげましょう。

 

水滴などが付いた場合

防滴仕様の製品も多いですが、水滴が付着した状態で放置というのは好ましくありません。

機材は風邪は引きませんが、できればティッシュ・ハンカチ・タオルなどで水滴を拭いてあげましょう。できるだけ毛羽立ちづらい素材のもので拭いていただくのがおすすめです。

機材の保管方法について

おすすめの保管方法

カメラやレンズの保管に適した環境は「通気性がよく、涼しい場所」さらに「ホコリっぽくない場所」です。

理想を言いますと、保管は市販の“防湿庫”といった湿度を30~50%程度、庫内の温度を25℃前後に維持できるものに入れておくのが最適です。

また、プラスチック製のドライボックスなどに、乾燥剤や防カビ剤を入れて保管するのもおすすめです。
ただし、こうした乾燥剤などは定期的に交換を行わないと吸湿したまま放置した状態になりますので、逆効果です。ご注意ください。

 

避けたい保管方法

専用のカメラケースに入れたまま、カメラバッグに入れたまま、押し入れやタンスといった通気性の悪い場所への長期保管は避けましょう。

 

機材の保管状況が悪いと…

機材に“カビ”が発生する可能性があります。これは100%の予防は難しいため日頃の管理が大切です。

カビ…

 

以下は、健康な状態のレンズと、カビが生えたレンズで撮影したイメージです。

健康なレンズ

カビの生えたレンズ

カビが光を拡散させてコントラストが下がり、もやがかかったような写りになります。空や水面などは大きな影響を感じづらいですが、建物の輪郭や、木の枝といった部分でもカビが光を拡散させることで輪郭がにじんでしまうリスクがあります。

カビは分解清掃を行うことも可能ですが、目に言えない部分までは完全除去が難しいものです。日頃の管理に少し気をつかうことによる予防がとても大事です。

 

お困りの際は

ご自分でメンテナンスを行うのはちょっと心配、チャレンジしてみたけどどうにもうまくいかない、そんなときはお気軽にお近くの特約指定店や、リコーイメージングスクエアの修理受付窓口にご相談ください。

>>リコーイメージング製品 修理の受付窓口

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