6月のお題は…『室内でのポートレイト』
室内でポートレイトを撮る時は、屋外と違って、光やアングルや背景の選択が限られてきます。そうした状況でドラマのあるポートレイトに挑んでください。
ハービー・山口 師範からの6月のお題は『室内でのポートレイト』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。
6月の挑戦者その1:YTさん
光と影の中で、ゆらぐもの。
福岡県在住、男性。どう写すかではなく、何を撮るのか。ドラマはあるか。PENTAX MX-1で撮影。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
室内のポートレイトというと屋外での撮影と違ってプライベート感が表現できて、このように刺激的な写真になるのが魅力です。ポートレイトに於いて、プライベート感は十分テーマになり得る要素です。
この作品もモノクロということも手伝って、ふと偶然見かけたドキドキ感が漂っています。顔が髪の毛の状態によって見えないのですが、それがかえって想像力をかき立てる呼び水となっています。
窓からの光のみがモデルを照らしていて、光がスタジオのように回り過ぎないところ、左下がりに傾いたフレーミングと共に荒っぽさを強調しています。このタッチでもっと数を見たいですね。
6月の挑戦者その2:Switch.さん
緊急事態宣言解除でやっとマスク着用で卓球練習が再開したのですが、
暑くて大変でも、やっぱりボールが打てるだけでも幸せ。
お題が室内ポートレートなので、仲間にお願いして撮影、
所有するレンズで一番明るいMFレンズをひっぱりだして老眼にむち打って、ピント合わせに苦労して撮影。
師範の判定結果は・・・
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残念ながら…
卓球をしているお二人ですが、スナップの要素もあり、同時にポートレイトとしての要素もあります。一番の感想は、写っているお二人の人柄が表れているということです。
モデル撮影ですと、多くの場合セクシーさとか、顔かたちの魅力の表現がほとんどですから、人柄まで写すことはあまりないように思います。そう考えると人柄を写すというのは、とても意味のあることで、モデル撮影とは全く意味合いが違ってきますね。
この作品に関しては、卓球を楽しんでいる最中の撮影ですから、被写体の方々はカメラの存在を忘れてくれます。その結果このようなカメラを意識しない素の表情が撮れます。
知り合いの人柄を写すのは、ぎこちない記念写真より、こうしたスナップ的なポートレイト撮影が最適だと思います。しかし、かなり工夫をしないと画面が平凡に、また緊張感のないものになってしまいます。
この場合、背景の縦横のラインが強くて画面を散漫にさせています。解決策としてカメラの位置を卓球台と同じ位置に構え、球を画面に入れたりすると画面が引き締まると思います。
6月の挑戦者その3:にたばるさん
「ならわし」
手間だなあ、そういいながら、父は毎年、まめに書いている。
師範の判定結果は・・・
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残念ながら…
これもカメラの存在をほぼ忘れてくれているシチュエーションです。書きものに集中しているところですが、やはりお父様の素の雰囲気をよく捉えているカットです。
背景を黒くまとめ、画面の左から差し込んでくる日差しによって白いノートのメモが浮き上がっているかのような光の様は、とてもドラマティックです。
お父様の顔にもう少し光が当たって、表情がさらに読み取れると強い写真になったと思います。メモを押さえている右手は脇役ですが、主役になるはずの顔より、露出的に目立ってしまいました。
レタッチでかなり調整出来ますから、ぜひ完成度を高めて下さい。
YTさんには「免許中伝ミニ木札」をお贈りします!
Switchさん、にたばるさんには「門前払い ミニ木札」をお贈りします!
記念品は8月上旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。
以降のお題へのご投稿もお待ちしています!