カメラを持って出掛けると、なんでもない日常が、光の輪郭をもって浮かび上がる。

さぁ、今日もカメラを持って出掛けよう。

 

第14回「良い写真とは?」

14回目となる今回はとても大きなテーマをもってきました。良い写真とは何でしょう?とても難しい問題です。でも何かきっかけをつかんでもらえればと思って今回は書いてみます。

「先生、良い写真とは何ですか?」写真教室で講師をしていると度々生徒さんからご質問をいただきます。

私の答えは、「あなた次第」です。

随分と乱暴な答えですが、問題解決の糸口はこの言葉から始まると思っています。あなたにとっての良い写真が誰かに批判されてあなたが傷つくことがないように、まずはこの言葉を大事にしてください。

例えばあなたの写真を、有名な写真家、ギャラリストや写真教室の先生に見てもらって評価される時、良い時も悪い時も、それは本当か?自分にとって有用かどうかを常に考える癖をつけてください。

評価する人は自分の経験と知識の中で判断します。当然ですが、その経験と知識は人によって違うのです。有名な写真家が「つまらない写真だ」と言っても、ギャラリストが見れば「すごくいいね!」となることだってあるのです。

時々、自分ではたいしたことないなぁと思っている写真が、他の人から「とても良い写真だね」と言ってもらうことがあります。その時はわからなくても、それを気持ちよく受け入れてください。(褒められたら、素直に喜ぶ!)でも、ここで注意して欲しいのは、人から言われる良い写真に引っ張られないようにして欲しいということです。良いと言われる事は素直に受け入れて、でも自分の良いと思う写真を真っ直ぐに貫いてください。

 

良い写真に答えはありません。答えをみつけたと思ってもまた悩んで考えて、それの繰り返しなんだと思います。

あなたが本当に心から良いと思えるものが良い写真です。それがわからなければ、もっともっと写真を撮って考えるしかありません。自分の頭で考え自ら行動して積み重ねた経験と知識が、きっとあなたの「良い写真」に自信をつけてくれるでしょう。大丈夫、私が応援しています。

 

と、ここまで読んで、「それで、何から始めればいいの?」と言う人は、まず今まで自分が撮った写真を見返して、言葉にするところから始めてください。街のスナップが多かったら街の何が好きなんだろう?と考えてみて言葉にしてみる。それが「自分の好き」をみつけ「良い写真」を理解するヒントになります。

 

 

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