ついに登場したモノクローム専用機、PENTAX「K-3 Mark III Monochrome」。今回はさわやかに晴れた千葉県・浦安界隈をペンタビしようと思います。テーマパークで有名なエリアですが、ブラブラと歩くと昔ながらの風景があちこちに残っていて、モノクロームで撮影すると何だかホッとすることができました。

浦安駅で電車を降り、昼食を済ませてから歩き出しました。まずは旧江戸川を目指します。堤防の上に出たとたん、ちょっとだけ海の匂いが漂ってきました。この浦安橋あたりには小学生の頃、渋谷からよくハゼ釣りに来たことを思い出しました。

堤防を川下に向かって歩きます。すぐに東西線の橋脚をくぐりますが、この界隈には船宿がいくつか建ち並んでいます。いわゆる乗り合い釣り船に乗せてくれ、季節によって釣れる魚のポイントまで連れて行ってくれるのです。今はシロギスなどでしょうかね?


旧江戸川に繫がっている境川に入ります。この川は約4.8キロメートルほどの一級河川で浦安沖まで繫がっています。川沿いはかつての漁師町で、埋め立てによる漁業権放棄まで近隣は大いに賑わっていたそうです。

境川に沿ってペンタビを続けます。神社や古い建物がきちんと残されていて撮影し甲斐のあるところだという印象を受けました。歩いているときにふと空を見上げると、鵜が集団で飛んでいるところでした。「K-3 Mark III Monochrome」のトーンがいい感じです。


前回と同様に今回選んだレンズは「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」です。Limitedレンズ唯一のズームレンズはブラブラと路地を撮り歩くには抜群に便利ですね。こんな町の光景もサッとキャプチャーできます。元漁師町という雰囲気を写しとれました。

橋の上から歩いてきた方向を振り返りました。「K-3 Mark III Monochrome」の豊かなトーンはとてもいい感じです。一眼レフなので光学ファインダーをのぞくと肉眼と同じカラーの像が見えますが、撮れる写真は完全にモノクローム。白黒フィルムを詰めた一眼レフで撮影している感覚が蘇ってきますね。フィルムですが自分はコダックのトライエックスを愛用していました。100フィート缶のものを買って(たしか3150円くらい?)、空のパトローネに詰め替えて写真を撮っていました(36枚撮りで17本くらいできた記憶が)。懐かしいなあ。


郷土博物館にやってきました。ここでは昔の浦安界隈での暮らしぶりを味わうことができます。まるで映画のセットのような展示はとても見応えがありますよ。往年の居間を撮りましたが、モノクロームに何とマッチすることか。


昔ながらの浦安が再現されている屋外エリアには小舟も浮かんでいます。漁にはこんな小舟で出かけていたのでしょうね。このあと館内で埋め立てや漁業、界隈の変遷についてしっかりと勉強することができました。素晴らしい展示なので、近隣を訪れた際には立ち寄ることをオススメします。


さて引き続き境川に沿って歩くことにしましょう。しかしこの「K-3 Mark III Monochrome」の描写は本当に魅力的です。豊かで連続感のあるトーンは一度味わうとクセになるに違いありません。屋根瓦の表情も実に繊細に捉えてくれました。


国道357号線が見えてきました。ここから境川は真っ直ぐ浦安沖を目指します。堤防には係留されているボートが増えてきました。干潟にはカニがたくさん歩いています。そんな様子を見ながら、より海の匂いが強くなった風を感じながらブラブラと歩いて行くことにしましょう。