地下鉄に乗ってブラリとペンタビに出かけました。近ごろは私鉄との相互乗り入れが進んで、乗り換えなしで驚くほど遠くに行けるようになりました。終電に乗って酔っ払って寝過ごしたらと思うと背筋が寒くなりますね。冗談はさておき、日ごろよく使う路線で思いがけない場所に行けるのは楽しいですね。さらに乗り継げばグンと行動範囲が広がるのですから。今回は副都心線に乗って森林公園駅まで行き、そこから東武東上線に乗り換えて小川町を訪れました。

小さな駅舎を出てブラブラと歩き始めました。古びたスナックや商店を撮りながら進みます。ここ小川町は「和紙の街」として知られていますが、楮(こうぞ)だけを使用した「細川紙」のことを聞いたことがある人は多いでしょう。今回使ったカメラは「K-3 Mark III」。レンズは「smc PENTAX-A 50mmF1.2」です。

街道沿いには大きな蔵や家屋が建ち並んでいます。きっと昔はかなり栄えたのではないでしょうか。その佇まいからいにしえの栄華を想像してしまいます。

小川町を訪れたのはまだまだ残暑が厳しい日でした。通りかかったお店も営業しているのかどうか分かりません。こんな蒸し蒸しとした日中に歩いているのはカメラを肩から提げたアヤシいおじさんしかいませんね(笑)

いい紙を作る場所はたいてい水が美味しいと聞きます。また水が美味しいところにはいい酒が存在するものです。そんなわけで地元の酒蔵を見学させてもらって、自慢の酒を味わうことにしました。すっきりとした口当たり、そして豊かな風味が口の中に広がります。トップの写真はその時にいただいた栗ごはん。こちらも大変美味しかったですよ。

地元の味を堪能したあとは近くを流れる槻川を訪ねました。川沿いはわずかに風があって、少しの時間ですが暑さを忘れることができました。親水公園周辺を歩きましたが、ルアーで魚を狙うアングラーが数人いただけで静かな川辺でしたね。


石垣積みの栃本堰にはおどろおどろしい文字で「キケン」と書かれた看板が。「smc PENTAX-A 50mmF1.2」の絞り開放は味があっていい雰囲気です。

川沿いには2本の裏通りがあります。「北裏通り」と「南裏通り」です。肩から「K-3 Mark III」を提げその道をブラブラと歩きます。途中、片眼をなくしたクロネコと出会いました。暑さでボーッとまどろんでいたようでした。

道ばたには可憐な花が咲いていました。まだまだ気温は高いですが、秋の気配は確実にここ小川町にやってきています。独特のボケ味がオールドレンズらしくていい味出してますね。


「小川町和紙体験学習センター」を見学させてもらいました。ここは手漉き和紙の体験や紙に関わる資料が展示されている施設です。1936年にできた建物はとてもフォトジェニックでしたよ。


小川町でとれた楮(こうぞ)だけを使用した和紙漉き体験は人気とのこと。入門コース、本格体験コースなど有料でさまざまなカリキュラムがあるので興味のある方は是非!

ひきつづき裏通りを徘徊します。伝統のある鰻屋さんや、近隣にある有名ワイナリーのお店など界隈にはとても興味深い被写体がたくさんありました。9月になりめっきりと日が暮れるのが早くなってきたので「急いで撮らなければ」と思いましたが「また地下鉄から乗り継いで来ればいいか」と考え直しました。

のんびりとじっくりと光学ファインダーを通してまたこの街を見に来たいと思っています。