みなさんこんにちは!やっと9月になりましたね。今年の猛暑にも夏痩せしないという、まるでペンタックス一眼レフのような高耐久性を発揮した自分自身に驚きを隠せないラリーです。
今回で最終回となるKマウント50周年を記念したトリビアな物語、最後にKマウントデジタル一眼レフとPENTAX 17の共通部品について中の人に聞きまわったお話をお伝えしたいと思います。
前回はPENTAX 17のフィルム巻き上げ機構が、1985年発売のP30という機種の設計図面を元にしていたとお話しさせていただきましたが、他にもいくつか部品を共通化することで、コストを抑えたり開発期間を短縮する工夫がされています。
まず一つ目はシャッターボタンです。プロジェクトメンバーには、巻き上げレバーと同様に一眼レフのような押しやすいシャッターボタンを実現したいという思いがありましたが、一から設計するとなると新規で金型を用意することになり、かなりのコストアップになってしまいます。そこで、電源レバーを含めて17に利用できるシャッターボタン関連パーツを探ってみたところ、ぴったり利用できるものが!


こちらの写真を見ていただければ、シャッターボタンが同じなのがお分かりいただけるかと思います。
そして元となった一眼レフですが、ボディ前面の電子ダイヤルと交換可能なグリップ部を備えたKマウントデジタル一眼レフカメラといえば・・・
そう、PENTAX KPです!
そして実はもう一つ、PENTAX 17にはPENTAX KPから引き継いだ主要パーツがあります。
今の時代ならではのフィルムカメラを検討するために国内外で数多いヒアリングを実施したプロジェクトメンバーですが、そこで耳にしたのは、フラッシュを使って撮影した写真への関心の高さでした。フラッシュ光がダイレクトに当たった写真が、それまでスマートフォンで写真を楽しんでいた若い世代の方にとって新鮮に受け取られているというのは、フィルムカメラ時代から写真に携わってきたメンバーにとって、ある意味驚きでした。
また、現代のデジタルカメラと違ってフィルムだとISO感度が100~400のものが一般的ですので、暗い場所での撮影を考慮すると、フラッシュは必須となります。そこでPENTAX 17には、PENTAX KPで採用していた内蔵フラッシュのパーツを一部採用しています。
17(左下)とKP(右上)のフラッシュ発光部…兄弟です!
令和の時代にフィルムカメラを蘇らせるにあたり、実は多くの専用部品が既に入手困難なことがわかりました。それらを全て自社で準備するとなると、想定していたコストをはるかに上回ってしまい、フィルムカメラを今から始めてみたいという方がお求めいただける価格でのご提供も難しくなってしまいます。そんな状況の中、入手しやすく実績もある部品をうまく利用することで、なんとかPENTAX 17を誕生させることができました。これまで多くの方々に支持されてきたKマウント一眼レフカメラで蓄積されてきたたくさんの技術や汎用性に優れた部品の存在が、PENTAX 17の製品化を大きく後押ししてくれたんだと、17誕生の経緯をあらためて探っていく中で気づかされた次第です。
ここまで読んでいただいて、一部のPENTAXファンの方の中には、あれ?KPのフラッシュということは、アレと一緒じゃないの?と思われた方がいらっしゃるのではないでしょうか。さすがです(拍手)!
では、今回はこの写真で締めくくらせていただきたいと思います。3回に渡ってKマウント50周年記念企画の記事をお読みいただきありがとうございました。
また何か、新たに発掘された貴重な情報や新製品関連でお話しできる機会があれば、明日誰かに話したくなるPENTAX情報としてお届けできればと思います。
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ではまた、次回も元気にお会いできることを楽しみにしています。
KPとフラッシュ兄弟ということは…そうです、Qシリーズユーザーの皆様、17をぜひ末弟に加えてあげてください!
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