おうちで楽しめる撮影といえばテーブルフォトが代表的。一般的には、お花、ごはん、スイーツが定番のような気がしますが、被写体はそれだけに限定する必要はありません。
テーブルトップフォトなので卓上で撮影されるものを指します。商品撮影もその一つ。
部屋の中で場所を選べばどなたにでも楽しめる撮影です。本格的な機材を準備する手間もなく(編集長Yuzu氏は本格的ですが)、すぐ始められるのでこの機会に挑戦してみませんか。私も家にあるもので撮影をしてみました。
撮影に適した場所・条件
撮影場所は、窓がありそのそばにテーブルが置けるところ。レースのカーテン越しに入る柔らかい光で撮影を行います。その際、部屋の照明は消しておきます。
撮影に適しているのは光の変化が少ない薄曇りの日。光の強い晴天の日は、テーブルの位置を窓際から距離を引き離すだけで光の当り方が変わります。ただし、晴れた日は光が安定している午前中が勝負です!
露出とISO感度
露出補正は±0の位置で撮影するのではなく、自分の見た目に近いように決めます。洋食は明るめ、和食は暗めと言われますが、器の色などによって変化しますので都度露出を確認しましょう。三脚を室内で使えるのであれば固定感度もOK。手持ちの場合はISO感度を1600~3200にしておけば大抵の場合手ブレせずに撮影可能。さらに肘をテーブルに固定すればほとんどのものが撮影できます。
被写体は身近にある
野菜はとてもフォトジェニック。姿形のおもしろさ、植物の独特な色、切った時に見える思いがけない形、並べてみるだけでちょっとしたアート感覚。お子さん・お孫さんたちと「何に見える?」なんて言いながら一緒にレイアウトを考えてみるとコミュニケーションも楽しめます。
同じ被写体でも背景の工夫をしてみると違ったイメージに変身。
色紙やテーブルクロスなどで十分に雰囲気が変わるので試してみてください。
- 食材らしいイメージ
- 清潔感のあるイメージ
- ナチュラル志向のイメージ
さらに、野菜をカットして、断面のみ撮影してみました。俯瞰撮影はLVモニターが便利。画面を手前に引いて真上からカメラをかざして撮影します。
パターンデザインの様に並べました。お子さんが作ってくれたクッキーなどのお菓子でも同じように楽しめますね。ポストカードにして送ると喜ばれそう。おうちに飾るとインテリアにも。
カスタムイメージとデジタルフィルターで際立てる
カトラリーも立派な被写体。普段見慣れ過ぎてそんな風に考えられないかもしれませんが、金属が光を受けてカッコよさが引き立つ被写体の一つ。文具や時計などでも試せます。
金属質を引き立てるために、銀残しやモノクロでの撮影がおススメ。
さらに、撮影後にデジタルフィルターを使えばソリッドなイメージに。テーブルの木目も際立ってエッジの効いた写真に仕上がります。
前ボケとホワイトバランスで演出
最後に、小さな鉢植えとミニチュアのシマウマを被写体にしてみました。中望遠レンズを使い、部屋の中央からベランダの窓の明かりに向かって撮影。テーブルは窓から1mくらい離しています。レンズの目前にティッシュペーパーをかざして前ボケを作り、現実的過ぎる鉢を隠す効果を狙います。
ほんわりと柔らかく、鉢が見えなくなることで現実感がなくなりました。
ボケの効果で霧をまとうような演出に。
さらにはホワイトバランスを「電球」にして朝もやの中にいるようなイメージに。
撮影していてふと思いましたが、この演出はNゲージなどの鉄道模型、プラモデルにも活かせそう。
いかがですか?身近にあるものでも撮影が楽しめますね。
アレコレと設定やレイアウトを考えながら夢中になって撮影しているとあっという間に時間が経ってしまうテーブルフォト。写真撮影の基本が凝縮されていますので、カメラの機能をはじめ、普段できなかったことを試し、楽しみながら挑戦してみてくださいね。