近頃はおうちで写真整理をされる方も増えたのではないでしょうか。
データを遡ってみると、普段目にすることのない写真でも「アレ、これちょっといいかも。」なんて思う写真が出てきませんか?そうした写真たちをプリントし、身近な素材と道具を使って飾ってみましょう。
写真を飾るとなると、ある程度の大きさにプリントして額に入れて…と、いきなりハードルを上げて大げさに想像してしまいがちです。プリントして〝作品〟を飾るのではなく、プリントして〝写真を楽しむ〟ことを考えて気軽にはじめるのがコツです。
身近に写真を置くことで自分の写真を客観的に見ることができ愛着も湧いてきます。
プリントの方法はいくつかありますが、コンテスト写真や展示写真は別として、気軽に楽しむのであればネットプリントサービスか、自宅のインクジェットプリンターでも充分です。
今回はプリント方法と、いくつかの飾り方をご紹介いたします。
<プリントについて>
デジカメネットプリントサービス
従来の銀塩プリントです。インク代を気にせず一度にたくさんのプリントができ、さらに数あるサイズの中から飾り方に合わせてサイズを選ぶことができます。自宅に居ながらにして(スマホアプリなどでも)必要な分だけ注文でき、コンビニなどでも受け取りが可能。Lサイズ1枚2円しない店舗もあり、時々プリントする方にはコスパも良くおススメです。
ネットプリント操作ができない場合は写真店を利用しましょう。
おうちプリント(インクジェットプリンター)
写真のテーマやテイストに合わせてアート系の紙や和紙など、紙を選ぶ楽しさを重視してみるといいでしょう。選ぶ用紙によって白色が異なりますので用紙の風合いや、イメージに合わせて選びます。
顔料系・染料系とあるので用紙を選ぶときにはプリンターと合わせて確認をします。
複合機の場合は、PCや画像編集ソフトを介さずともレイアウトテンプレートが搭載されているので、そうした機能を使えばよりバリエーションが広がります。
また、白フチの有無でも写真の印象が変わります。カッターで切り離せば小さいサイズでも楽しむことができます。
どちらのプリント方法でも、用紙サイズで写真をトリミングされたくない場合には「トリミングなし」と指定することを忘れずに。プリンターの機能にもありますので確認しておきましょう。
プリントサイズは?
写真を飾ったことのない方は、はがきサイズ(KGサイズ)か2Lサイズから始めてみましょう。サイズは小さくても飾り方を工夫すれば立派な作品になります。
実際に飾るサイズに悩んだら、いくつかのサイズをプリントしてからレイアウトに合わせて並び替えながら選びます。PC画面上でレイアウトしても、実際に飾るとイメージが違うことが多いからです。
今回ご紹介する飾り方は、
①釘や鋲の打てない日本の住宅事情や賃貸物件などを考慮して額に入れずに飾る
②さらには100均、DIYショップなど身近に安価で入手できるもの
③誰にでもできる簡単な方法
というポイントを抑えて考えてみましたので、皆さんも身近に写真を飾ることを取り入れてみてください。
<飾り方>
メッシュパネル(ワイヤーネット)に飾る 難易度★
プリントサイズの目安:Lサイズ/KGサイズ/2Lサイズ
材料:メッシュパネル1枚(見本は30×30㎝程度)大きさはスペースに合わせて好みのサイズでOKです。
強力マグネット・ダブルクリップ それぞれ数個
黒いメッシュパネルでモノクロ写真をまとめてみました。
一部の写真はグレーの用紙にプリントをして雰囲気を楽しんでいます。
飾り方はいたって簡単です!パネルのマス目をつかって好きな写真をマグネットやダブルクリップで取り付けるだけ。取り外しもすぐにできるので、写真の差し替え、レイアウト変えも楽ちんです。PC机などの周りにも置きやすいので、メモなども一緒に貼っておけます。
デザインボード(有孔ボード)に飾る 難易度★★
プリントサイズの目安:スクエアサイズ(89×89㎜)
材料:有孔ボード1枚(見本は20×30㎝程度) 大きさはスペースに合わせて好みのサイズでOKです。
カーテンクリップ 数個
DIYショップなどで見かける穴の開いた板が有孔ボードです。写真を飾るためにカーテンクリップを使用します。
①の状態→②カーテンクリップは引っかかる部分を一度ペンチで広げます。
③穴に入れたらまた戻すように曲げることである程度固定ができます。
④小物を下げる専用フックとクリップの位置の確認を。
インテリアの要素があるので、収納する小物のイメージに合わせて写真を選ぶのがおススメ。これも写真の差し替えが簡単なので季節に合わせて変えるなどして楽しめます。
木製カットボードに飾る 難易度★★
プリントサイズの目安:スクエアサイズ(89×89㎜)/2Lサイズ
材料:有孔ボード1枚(見本は20×30㎝程度) 大きさはスペースに合わせて好みのサイズでOKです。
フォトコーナーシール 数個
カットボードとは、まな板です。MDFやカット木材より軽く、壁面に取り付けることもできます。立てかけて置いておくことや、ボード自体にネジを取り付けることもできるので扱いやすい素材です。
2Lサイズなら2枚並べて飾れます。タテ写真×2枚、ヨコ写真×2枚と写真の向きが同じになるように。もちろん、6Pサイズを1枚でもOK。
スクエア写真は6枚レイアウトできました。ボードの上に均等になるように写真を置き、マスキングテープでガイドを引いて間隔を決めます。釘などで写真の四角に目打ちしておきます。
目打ちしたらマスキングテープは外します。(そのままアクセントにしてもOKです。)
フォトコーナーシールは写真の角をしっかりと奥まで入れておくこと。
目打ちした箇所を目安にそっと置き、そのあとシールをしっかりとつけ、反対の対角にもフォトコーナーシールを付けます。ボードとの粘着が弱い場合は両面テープなどで補強を。
カットボードは軽いので、ひっつき虫と呼ばれる練り消し状の弱粘性接着剤で壁面に取り付けも可能。ひっつき虫は少し揉み、柔らかくなったものを丸めてからギュッと壁に押し付けるように付けるのがポイント。
このボード自体を数枚作って壁に並べるのもいいですね。
ブックスタンドやタブレットスタンドに立てかければ身の回りに置くこともできます。
直貼りで壁に飾る 難易度★★★
プリントサイズの目安:スクエアサイズ(89×89㎜)/KGサイズ/2Lサイズ/6Pサイズ
材料:ポスターテープ(貼ってはがせる弱粘シール)あるいはひっつき虫/マスキングテープ
まず、床に複数枚プリントを並べレイアウトを考えます。これは写真展でも同じように行っていることです。
青空をテーマとし、メインに見せたい写真を大き目の6Pサイズにしました。いずれも、余分についたフチは均等になるようにカットしています。
配置するコツは、被写体の方向(目線の動く方向)と、縦か横、中心のどこかに基準のラインを決めておくこと。ここではメインの写真の上下の高さで揃えることにしました。
壁に直接貼り付ける場合、ポスターテープがおススメです。写真の裏にテープを仕込みます。
用紙ギリギリに貼るのではなく、1㎜程度内側に入れておくと貼った時にキレイに見えます。
レイアウトを壁に再現します。
①メインの写真を中央に配置
②なげし(あるいは天井)からプリントまで上部の距離を決めて真っ直ぐになるようにマスキングテープを一本引きます。
③下部も床からの位置を確認し、同じように一本真っ直ぐにテープを。
④上下の高さの位置を確認し、その他の写真同士の間隔が均等になるように貼っていきます。
完成です
こうして、小さいサイズの写真でも複数枚飾るという手法を通して「写真を選ぶ、並べる、まとめる」訓練になります。はじめは額やパネルにしたりせず、レイアウトを考えることに慣れるのが大切です。
写真のテイストに合わせて用紙やサイズ、紙の風合い、飾り方を考えるということは、写真展で額やプリントなどの見せ方を考えるのと同じこと。
普段からプリントに慣れ親しむことで感覚を養っていくことができるので、テーマで写真を選ぶことに悩んでいる方や写真展をやってみたいと思っている方はまず身近にできる方法で自分の写真を飾り、客観的に捉える機会をどんどん積極的に作ってくださいね。