7月のお題は…『浜辺の風景』
浜辺には様々なドラマがあります。賑わった夏の浜辺、美しい夜明け、どこか切ない夕暮れの浜辺…。あなたの浜辺を撮影してください。
ハービー・山口 師範からの7月のお題は『浜辺の風景』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。
7月の挑戦者その1:tokutoku1002さん
野付半島にあるトドワラは浜辺が入り組んで独特な風景が広がっています。
東京都在住、男性。風景写真を中心に、旅写真やスナップ写真を楽しんでいます。PENTAX KPとHD PENTAX-DA 16-85㎜F3.5-5.6ED DC WRで撮影。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
浜辺に行くと誰でもが最初に感じるのが、海や空は広いなということだと思います。
その感情がこの写真を見た第一印象として伝わってきます。
海と空が画面の大半を占めている構図が的確だったということです。
自分の感情や感覚に素直であることが表現の根本ですね。
しかし海と空だけでは単調になってしまいますから画面の右に緑の植物と人物を入れることで構図のバランスを保ち、この場所の説明をしているわけですが、その甲斐あって画面右端にも水面が写り込み、素晴らしい立地を見せています。そして男性が一人ポツンと写っていますが、やはり人間の存在というのは大きいですね。
美しい海と空が大半を占める画面の中で、この男性が一番目立っています。人物の存在があればこその画面が引き締まる効果は見逃せませんが、この男性が誰なのかが気になります。目立つが故になぜこの男性なのか?という疑問に見る者は誘導されるのです。ご自分のセルフポートレイトでも良かったですね。
7月の挑戦者その2:キナコマニアさん
住んでる近くに砂浜があんまりなくて。
広島県在住、男性。狭い画角で撮ってます。PENTAX K-S1とTAMRON AF 18-200mm F3.5-6.3 XR Di II LD Aspherical [IF] MACROで撮影。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
青い色調の中心に白い衣装をまとった女性が存在しています。浜辺に落ちていた、流れ着いた枯れ木を拾って砂に文字や絵を描いているのかと想像します。
周辺光量が少し落ちたトンネル効果で、女性の存在が浮き彫りになっています。女性のサイズは小さいですが、画面の中で確かな存在感を主張しています。
砂の陸地の部分と空との割合や、遠くに霞む山の部分も気持ち良く描かれています。
ただ中景の海の中に網の囲いの様なものが写り込んでいますが、この部分を整理した方が画面がよりスッキリと、夢の世界になるのではないでしょうか。シンプルな画面をみて、写真を見た人達がいくつもの物語を想像できるドラマの入り口を作ってあげることを意識してみて下さい。
7月の挑戦者その3:akeさん
夕方の海辺に行くと、何もかもが輝いて見えました。
兄弟が遊んでいたので一番キラキラ見える場所から撮りました。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
オレンジに染まった画面が一目見て印象的です。
男の子が二人、浜辺の砂で穴を掘ったり海水を溜めたりして遊んでいます。かなり陽が傾いて来たので、もうすぐこの遊びは止めて帰宅の時間になるでしょうか。ちょっと切なくなる夏休みの終わりの感情を思い出しました。夕日を受けて男の子の輪郭が描かれていますが、なんともドラマティックな光線の当たり方です。
光に敏感という感覚は写真を撮る上でとても大切なことです。こうした美しい夕方の光を見逃す人はいないでしょうが、どうせならこの光をもっと強調することも出来たのではないかと思います。
水たまりに太陽の反射が写り込んでいますが、立ち位置をわずかに右に移動すると、この強力な太陽光の反射がレンズに当たり、ハレーションが出てくるのではないでしょうか。その暴れる光を画面に取り入れたら幻想的な写真になったと思います。
tokutoku1002さん、キナコマニアさん、akeさんには「免許中伝ミニ木札」をお贈りします!
記念品は9月上旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。
その他の投稿作品をご紹介
最後に、7月のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。
〔クリックで写真が大きくなります〕
以降のお題へのご投稿もお待ちしています!