最近ではワンマイルフォトとも言われている“ご近所フォト”。
自分自身の居る場所を起点としてワンマイル=1.6㎞圏内(片道約2~30分)で目の前にあるモノ、出会うことを対象として撮影した写真をおおよそ指す言葉。
主に散歩に出かけるようにゆっくりと歩きながら撮影するので、お散歩フォトやお写んぽフォトとも言われることが多い。
私はしばらく前よりそれを“ご近所フォト”と名付けた。
それは言葉から受ける気軽で簡単そうなイメージよりも実際に撮ってみるとハードルが高いということに気づく人も少なくない。
なぜなら、自分自身の身の回りには何もないと思い込んでいると何も見つけられないから。
では、どんなふうに何を撮影したらいいのか?と問われれば、まずは季節や時間を探ることから。
桜が咲いたら自分の町ではどこで見るのが一番いいのかと考えたり、
夕日が一番美しく見える場所はどこなのかを考えたり、
あの鉢植えには何が咲くのかな?とか、身近なものに目を向けふと気づくことが大切。
その場所は隣家の花壇や階段の踊り場、交差点の上に広がる空かもしれないし、駅のホームかもしれない。
日々の中で自分しか見ることのできない “とっておき絶景スポット”を持つことだと思っている。
それから、帰路はいつもの道、同じ道を通らない。
気になったら必ずその場所に寄ってみる。
雨の日にわざわざ出かける。
定点観測的に撮り続けてみる。
などのマイルールを1つでも持ってみるのがいい。
そんなことがきっかけで見過ごしていたお店に出会うこともあるし、今日はどんな格好で出かけようかと考えてみたり、外へ出かけるきっかけにもなる。
撮影の目的が替わっても写真を撮る楽しみが続けられるならそれでいい。
写真に表情を加えるなら、たまにはカメラやレンズを変えてみるとか、今日はデジタルフィルターだけで撮るとか、絞りを変えないとか、そんな楽しみ方もあっていい。
今までやってなかったことをやってみる。
それは、どこかに出かけなくてもできることだ。
自由さを手に入れ、感覚が身につくと何処にいても自然体で撮影ができるようになるし、日々の積み重ねは必ず力になっていく。
直ぐに結果を求める時代だと言われている昨今だが、いつも言葉にするのは「デジタルカメラだからと言ってその日その場で全てをマスターし、完璧な写真が撮れるわけではない。」ということ。
そして、楽しいと感じられることを見つけ、丁寧に物事と向き合うことが常に求められる。
“ご近所フォト”が楽しめるようになったら、いずれ旅先でも一層写真を撮ることが楽しくなる。
一つずつ手に入れる。
だから毎日が写真日和なのだ。