~広い広い世界を、自分の思い通りに切り取れるなんて最高じゃないか。

切り取りの美学 第5回「オールドレンズで切り取る」

今日の相棒は、PENTAX KP。マットブラックのボディとは対照的に丸くシルバーに輝くマウント部分。それに呼応するかの様なシルバーのマウントアダプターK。2つの赤い丸印合わせて装着することで、M42マウントのレンズを迎え入れることが出来る。今日の相棒の相棒は、スーパータクマー50mmF1,8。

 

 

 

このレンズは、1960年代にベストセラーとなったペンタックスSP用としても広く愛された。中古価格が安く、オールドレンズらしい描写を味わいやすく、よく写るのでオールドレンズ初心者にオススメだ。

デジタルカメラでオールドレンズを使う場合には、「レンズなしレリーズ」や「絞りリングの使用」等、メーカー・機種によっては設定に気をつけなくてはいけない。その点、KPはユーザー設定に最初からオールドレンズの設定がある。モードダイヤルのロックボタンを押し込み、ダイヤルを「U4」に合わせる。それだけで撮影を開始できる。さすが一眼レフにこだわるペンタックスだ。もちろん、ミラーレスでも楽しめるオールドレンズだが、光学ファインダーならではの撮る楽しみがある。

 

 

 

どうしてオールドレンズを使うのか?と問われれば、優しい気持ちにさせてくれるからだと答える。フィルム、マニュアルカメラ世代の私には、どんどん高性能になっていくデジタルカメラは、四角四面、杓子定規でつまらなく感じてしまう時がある。けれど、昔使ったレンズを使うことで、楽しさを取り戻すことが出来る。そうすると穏やかな優しい気持ちになるのだ。オールドレンズが、最新のデジタルカメラと歳を重ねた私を繋いでくれるのかもしれない。

 

 

 

デジタル世代には、どうだろう?
オールドレンズは、きっと新しいアイテムだろう。最新のレンズでは出ないゴーストやフレアを楽しんで欲しい。それに飽きる頃、「当時の高性能」を発見するだろう。デジタル写真において、「まろやかな高解像度」とでも言える味わい。その味わいが、自分に合えば、きっと新しい作品・作風に繋がるはずだ。

 

 

 

 

長く写真を続けていると、機材や撮影することにマンネリのようなものを感じことがあるだろう。そうなったら、「温故知新」。オールドレンズで、新しい何かを見つけ出せればしめたものだ。まだ未経験なら、ぜひ経験して欲しい。