12月のお題は…『重ねちゃって多重』
多重って邪道でしょ。そんなことを言っていると石器時代の人間になりますよ。もっと柔軟に新たな表現を楽しみましょう。そんな多重撮影のチャレンジで勝負です。お題作品は同じ場所でピントを外したものとピントを合わせたものを重ねています。それを手持ちでやっちゃうのが啓太なんです。
佐々木 啓太 師範からの12月のお題は『重ねちゃって多重』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。
12月の挑戦者その4:Masamuraさん
しまなみ海道と古い街並みの尾道を多重撮影でファンタジックに。
広島県在住、男性。普段は尾道の風景と尾道の猫を撮影しています。PENTAX K-3IIとsmc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF]SDMで撮影。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
綺麗な色のつながりにメルヘンを感じます。
実像とピントを外したライトの丸ボケという。多重の王道のような撮り方で真っ向勝負されているのはとても好感が持てました。
ちょっとライトの丸ボケの印象が強すぎるのが気になります。もう少し実像の印象が強い方が面白いですね。ライトの丸ボケはピントの外し具合で、その大きさをある程度コントロールできます。そこまで極めて欲しかったので、免許中伝。
12月の挑戦者その5:kakaronさん
近所の国道ですが、SFっぽく表現したくて歩道橋の端から端を何回も往復し、撮影しました。
もちろん手持ち撮影です。
東京都在住、男性。4年前からデジタル一眼を始めました。普段は街スナップが多いですが、多重露光も大好きです。PENTAX K-1とsmc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limitedで撮影。
師範の判定結果は・・・
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残念ながら・・・
この赤みが印象的でSFっぽさがさらに強くなっています。手持ちでここまで位置を合わせられたテクニックもお見事。車のタイミングを上下で大きく変えてあって光条の入り方もよいです。もう完璧かも…。
そうそうこれだけを応募してくれていればね。保険のような同じ写真をモノクロにしたものもあったので、門前払い。
決めてください。
12月の挑戦者その6:影さん
神域より溢れ出る神パワー!
東京都在住、男性。スナップとポートレートを中心に、まったりのんびり写真を楽しんでます。PENTAX K-70とsmc PENTAX-DA 15mmF4 ED AL Limitedで撮影。
師範の判定結果は・・・
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もう一歩!
構図のバランス、重ね具合も絶妙でバッチリ決まっています。もちろん露出もいい感じで雰囲気があります。レンズの選択もこの場所にあっています。
あとはドラマかなぁ〜。そんなドラマを感じるような人影が欲しくなります。人間は贅沢なんです。決まっていれば、決まっているだけこのプラスアルファがないと納得できないものです。
ということで免許中伝。
師範より12月の総評
多重の持つ面白さのひとつは不思議さです。それを作るバランスが絶妙なのが難しいところです。バランスを狙いすぎ、決めすぎたことで別のイメージを呼び起こしてしまうことがあったり、決まっているからこそさらに極めて欲しいとすら感じることがあります。
実はその不思議さの多くは偶然が生み出すものかもしれないと思っています。そんな矛盾も多重の面白さです。そして、その偶然を引き寄せ必然にするためには、最終的な仕上げのイメージを持つことが大切です。
そう考えると結構奥が深いですよね。これからもたまには多重を楽しんでください。
記念品のお届けについて
Masamuraさん、影さんには「免許中伝ミニ木札」を、kakaronさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!
記念品は1月中にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。
以降のお題へのご投稿もお待ちしています!