1月のお題は…『The 真四角

佐々木 啓太 師範

真四角はいわゆるスクエア(11)のフォーマットです。K-1系はクロップで11を選ぶと撮影時に真四角で撮影できます。その他のカメラの場合は撮影後にトリミングしてご参加ください。一見かっこいい真四角も実は日の丸構図を量産する魔のフォーマットです。攻略のカギは狙ったポイントを中心から外すようにすることです。

 

佐々木 啓太 師範からの1月のお題はThe 真四角でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

1月の挑戦者その1:池田のおっちゃんさん

10月前半お題で門前払い!笑
懲りもせずモノクロで再挑戦します。
コロナ禍の5月に自宅ベランダの紫陽花に陽があたっていたのを撮りました。
K-S2のため、撮った写真を切り出しました。
1:1はやってみると、改めて難しいなぁ、と感じた次第です。

池田のおっちゃん
愛知県在住、男性。PENTAX100 years of history Nagoyaで佐々木先生のワークショップに参加。モノクロの世界観にハマってしまいましたw。PENTAX K-S2とHD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WRで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

佐々木 啓太 師範からの添削コメント

 

そうそう真四角は難しいんです。それはバランスを作るのが大変だからです。真四角の緊張感をうまく味方につけるのは骨が折れます。

と、言いながら今回の構図のバランスはなかなか良いです。光の見極めもできているので、免許皆伝といってしまいそうでしたが、免許中伝です。

なんでやぁ〜。モノクロでは黒の中の黒という言葉で暗部のトーンの深さを表現することがあります。そして、この深さは写真の深さになり奥行きにつながります。

写真は平面的になりやすい表現です。そこに奥行きをもたらす暗部のトーンを意識して欲しかったです。光の捉え方はよく、花の立体感は感じられます。そして、その存在感をあげるためにあえて背景を黒く落とされたのだと思います。しかし、これは潰しすぎです。

一見潰れているように見えて実はそこに無限とも感じるようなトーンが存在する。それがモノクロ写真です。

ということであともう少しでした。

1月の挑戦者その2:あきゃさん

雪の日にお城の門の前の橋を通りかかったら点々と続く足跡を見つけました。
足跡の続くその先に目をやると、足跡の主らしき人の後ろ姿を見つけ、思わずシャッターを切った一枚。
縦位置で撮ったものをPCでトリミングしました。

あきゃ
宮城県在住、男性。主に自然の風景や花などを中心に撮っています。PENTAX K-1 Mark IIとHD PENTAX -D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WRで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

佐々木 啓太 師範からの添削コメント

 

いいですね。雪の雰囲気が最高です。かなり降っていたのではないでしょうか?さらに人物のタイミングもよくお見事です。

後ろ姿を撮ると撮影する姿勢まで後ろ向きだと言われることがあります。さらに人物が小さくなると弱いだろうと続きます。私は全く逆に考えます。

後ろ姿は見る側の想像力に訴えかけてくる力があります。人物が小さくまとめられるのは画面構成力の高さの証です。自分の狙いに近づいてまとめるのは比較的簡単です。少し引いて周りを入れながらまとめるのは、余分なものが増える確率が上がって、バランスが難しくなるので比較にならないほどレベルが高くなります。

ここまでベタ誉めで免許中伝です。

それは手前の黒です。ちょっと多かったですね。この半分以下でよかった。トリミングをされているのでトリミングを変えれば良いと思えそうですが、それでは背景のバランスが悪くなります。

撮影時にあと半歩前にでていれば、この部分を小さくして背景の広がりを活かしながら緊張感も保てるバランスが見つけられたはずです。

免許皆伝まであと半歩でした。

1月の挑戦者その3:にきーのさん

“〇がいいのよ” 母さん, オレ聞いてたよ。

にきーの
東京都在住、男性。FA やFA Limitedレンズで街を散策しながら都市風景をスナップ撮影するのが楽しみです。PENTAX K-1 Mark IIとsmc PENTAX-FA MACRO 50mm F2.8で撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

佐々木 啓太 師範からの添削コメント

 

コメントにも詩人の心が溢れています。それとも愛と言った方が良いでしょか?そして、その心が素直に写真に現れていると思います。曲線と直線のバランスを真四角の緊張感の中でまとめて、優しさに変換されているのでそんなことを感じました。

そして、この写真は序章です。

ここから始まる物語を見たい。そんな気持ちになりました。そして、その物語が完成した時に初めてこの写真への評価も決まります。

ということで門前払いと書きそうになりましたが、この雰囲気に負けて免許中伝です。

 

師範より1月前半の総評

この前半はレベルが高かったです。今月から急遽前半を早めにアップしてさらにみなさんを煽るようになりました。

それにしてはレベルが高く物怖じしそうです。これでも……なの?

その気持ちがすでに負けています。道場は切磋琢磨する場所。せめて気持ちは負けないように、みなさまのチャレンジをお待ちしております。

 

記念品のお届けについて

池田のおっちゃんさん、あきゃさん、にきーのさんには「免許中伝ミニ木札」をお贈りします!
記念品は2月上旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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