高価な買い物でしたが、使ってみて、総合的な満足度は満点です。買った後悔はありません。本機のお陰で、K-1以来眠っていたDAレンズを、第一線で活用できるようになりました。画質は十分、特に高感度性能は期待以上。他社のミラーレスカメラも所有していますが、最早、光学ファインダーを通して画を見るためには、本機が唯一無二のツールとなりました。加えて、本機の光学ファインダーは進化しています。

私はとにかく色が大切と思ってきました。ペンタックスで好きなのは、目で見た時と同じような、鮮やかな色を写してくれるところ。今回の作例はカスタムイメージ『鮮やか』での撮って出し。露出はマイナス寄りで、ISO感度も6400にもかかわらず、見事に色彩を再現してくれました。

ファインダー像が本当に大きく、明るく、見やすいです（時々、仕上がった絵の方を小さく感じたりして）。ピントもつかみやすい。フルサイズカメラのK-1も併用していますが、K-3ⅢはAPS-Cのカメラであることを意識する必要がありません。ファインダーで、目で見た画を、写真に収めることができます。

K-r、K-5、K-3、K-1Ⅱとペンタックスのカメラを使い続けてきましたが、歴代機種と比べて、本機の画質は秀逸です。順当な進化を実感できます。作例は、５月初旬の夕方５時過ぎの夕暮れ時に撮影しました。結果的にISO6400での撮影となりました、そのようなことを忘れるほどの仕上がりをみせてくれました。K-5を使っていた当時はISO800を、K-3だった時はISO1600を実用的な感度の上限と考えていましたが、本機はそれらを軽く上回っています。高感度性能は本物です。純粋な画質評価はレンズに左右されるところもあるので、単純に評価しがたいところがありますが、再活用をし始めたDAレンズ群についても、「お～、やっぱこんなにいい写りをしてくれているんだ」と再確認させてくれるカメラです。高感度性能に、高レベルな手振れ補正も合わさって、気軽に撮影しやすくなりました。なお、K-1はフルサイズなので別格扱い。

風にあおられながら花を撮るとき、飛翔する鳥を追うとき、このような時にもスムーズにピントが移行し、撮りたい対象の姿を見せ続けてくれます。従来機からの各段の進化が実感できます。

従来機から刷新されたユーザーインターフェースについて慣れは必要ですが、他メーカーと比べてわかりやすいことと、従来機と比べてできることは確実に増えており、とても前向きに評価しています。

ザ・ペンタックス。ペンタックスのカメラだと素直に思えるデザイン。まっすぐなところが、私は好きです。