総合評価
他のカメラを併用して使った時このカメラの良い点が見えてくる・・そんなカメラです。発売前に公開されていた写真家さんのインプレッションで語られている内容が官能面に偏っている印象を持っていたのですが、正に語られている通りの真面目なカメラでした。ただK-1 Mark IIを購入した時に感じたPENTAXらしい飛び道具的な機能や提案があればなお良かったとも思っています。
製品コンセプト
「使っていて心地よいカメラ」がコンセプトだと思っていますが後述する操作性以外は満足しています。
光学ファインダー
従来から光学ファインダーに力を入れてきたPENTAXが更に磨きをかけてきたのがこのカメラだと思います。フルサイズと同等の見え方をする光学ファインダーを搭載しているAPS-C機は本機しかありません。ファインダーを覗いて「綺麗だな」と感じる事が一番写欲を掻き立てる事につながると思っていますので、ファインダーに関しては満点です。
画質
センサーフォーマットの差はあるとは思いますが、K-1 MarkⅡと併用しても何ら見劣りしない画質です。ホワイトバランスやカスタムイメージの設定は従来機より詳細に設定できるようになっているため、より自分の好みの色に調整できるところが気に入ってます。
動体性能
K-1 Mark IIを補完する性能で一番期待していた項目です。従来機から大幅に性能が向上しています。スペックを見ると他社機にようやく追いついた様な感じでしょうが従来機からのユーザからすると、PENTAX機でここまで出来る様になった事が一番嬉しい点だと思います。
操作性
フラッグシップ機らしく、多くのハードスイッチやダイヤルがありカスタマイズも柔軟にできる点はすばらしいと思います。 ただ、タッチパネルを採用した弊害で従来機よりアクションが増えた設定箇所もあり、操作性をスポイルしている印象を受けます。 液晶画面も一度に表示する情報量が多すぎる事とフォントが細くなった事が、老眼が進行してきた私の目には少し辛いです。
デザイン
目新しさはありませんが、一目でPENTAX機である事がわかる製品コンセプトを体現しているコンパクトな良いデザインだと思います。欲を言えばK10Dの頃の様な曲線を用いたPENTAX機も見てみたい気はします。
その他ご意見や、ご購入を検討されている方へのアドバイス
フラッグシップ機であるため仕方がないところも理解していますが価格が高く初心者が手を出しづらいのが難点だと感じています。少しでも光学ファインダーを使った事がある人ならこのカメラの優秀さはわかると思いますが、現代ではEVFしか使った事がない人もいると思います。その人たちに一眼レフの良さを分かってもらえるようにK-3 Mark IIIの技術を使ったエントリーモデルの発売を期待します。