総合評価
なんといっても、ファインダーを覗いて、プリントされる写真をイメージしながら、ダイヤル等を操作しながら撮影をするという、撮影プロセスを愉しめるカメラだと思います。お値段は少し高いし、画質だけならK1のほうがいいかもしれませんが、Pentaxのレンズ資産を持つわが身としては、この機種一択となりました。これから永らくこの機器でフォトライフ愉しみたいと思います。
製品コンセプト
改めて公開された、Pentax Statemant。撮影プロセスを愉しむ、対話するように撮れる、などこだわりのコンセプトを実現した製品となっており、世の中のDSLR Cameraの最上位機種と言えると思います。ミラーレス全盛の今、あえて光学ファインダーシステムを究極まで研ぎ澄ませた製品コンセプトに強く賛同します。なので、買い求めたのですが…。
光学ファインダー
アイレリーフ長はKPと同じですが、ファインダー見口枠がモニター画面から手前に出ており(KPは約4.5㎜でしたが、K3mk3は約9㎜)眼鏡着用の私の場合、覗き込みやすくなっています。また、ファインダー見口が手前に出ているおかげで、液晶画面に当たる鼻の頭面積が少なくなりました。視度調節も-4まで拡大されていますが、近視の度の強い私には、ちょっと足りない…。フォーカシングスクリーンは、KPと同じのようですが、交換しなくてもグリッド表示が変更できるので良いですね。KPの時に自分で交換して痛い目見ましたし…。なんといっても、広いViewが、写真はファインダーを覗き込んで撮影プロセスを愉しんで撮るものであることを、改めて強く感じました。撮影対象物によっては、測距点スポット表示を見失うことがありますが(特にSpot)慣れの問題かもしれません
画質
これまでKPを使っています。高感度性能はKPから1段向上、記録サイズ画素数も各辺約3%増えています。KPとHDR、リアルレゾリューションの画像なども比較しましたがどちらも素晴らしものでした。画像処理エンジンの改良で、処理速度がかなり早くなっているように感じます。高感度はISO6400くらいまで、普段にも使えそうな感じです。暗部AFもEV-4まで改良されていますので、f値の小さいレンズ揃えたくなってしまいますね。
動体性能
飛びものや走るものは撮らないので、動体性能といえば連写性能ですね。KPでは秒7コマが、12コマまで改善しており、さらに軽快なシャッター音と相まって、花の上の小さな生き物をマクロレンズでAF.Cモードでで撮るのがとても心地よかったです。今まで、シングルショットで息を止めてシャッターおろしていましたが、これからは高速連写で歩留まり改善できそうです。
操作性
グリップのHold性がとてもいいです。私は手が小さいほうなのですが、小さなレンズであればワンハンドでも撮影できます。KPでもグリップはLを装着していました。 シャッターのフィーリングはシャッター音とともにとても爽快です。 ボタンや操作の慣れが必要かもですが、いくつか気になるところを記します。 測距点レバーを押し下げる、押し上げる操作が、左右操作より力が要るような気がします。上下操作でミスる比率が高いです。 スマートファンクションボタンで機能セレクト(左右)する際に、十字キーではなく何度も測距点レバー操作してしまいました。 再生ボタンが後ろダイアルとファインダーの隙間にあって、押しにくいです。セルフタイマーランプの位置がいいのですが、そもそもセルフタイマーランプ、なぜ背面にあるんでしょうね…。 SDメモリーカードスロットの蓋を開けると、ストラップ取り付け部分と干渉します。私はPeak DesignのAnchor Linksを三角環にぶら下げていますが、これが邪魔になります。ケーブルスイッチ端子の位置と交換したほうが良かったかも。
デザイン
レンズ資産がシルバーだったKPに合わせたシルバー系が多いので、K-3 Mark3、ブラックも欲しかったのですがシルバーにしました。まだ慣れないので、どっちがどっちか間違いそうになります。KPよりも軍艦部がすっきりした感じでとてもいいですね。KPより120gくらい重くなったのですが、剛性感upとファインダーの楽しさが重さ忘れさせてくれます。モニターのチルトレスも、ファインダー、外観サイズ重視と思いましたので、特に気になりません。
その他ご意見や、ご購入を検討されている方へのアドバイス
撮影プロセスや、撮影設定は省きたいと感じ、撮像素子上のイメージを重視される方には適さない機種だと思います。ファインダーを覗いて出来上がる作品を夢見る気分で撮影を愉しめるカメラだと思います。写真の楽しさを感じるすべての方へおすすめの一機種だと思います。撮影プロセスを省くミラーレスに負けないコンセプトを貫くPentaxさん、これからも応援します。