総合評価
『This is the Digital SLR.』です。基本となる機能をさらに高めており、光学ファインダーやシャッターフィーリングからも上質なカメラであると感じ取れます。一方でボタンやダイヤルの操作を覚え、露出の勘を養うと、忠実に動作するK-3 Mark IIIに親しみが湧いてきます。
製品コンセプト
フィルム一眼レフのMX、ME、ME superを使用してきた人々は、コンパクトと堅牢を彷彿とさせます。久しぶりに使っていてワクワクしたカメラです。
光学ファインダー
メガネを着用した上で、ファインダーを覗いても四隅まではっきり見ることができます。また同梱品のアイカップFuは、アイカップの縁が柔らかいため、メガネのレンズに密着できることも好印象です。EVF(電子ビューファインダー)は、ファインダーの中で「小さなスマホ」画面を見続けることと同じなので、目に負担をかけていると感じていました。K-3 Mark IIIはOVF(光学ファインダー)なので、目には優しいかなと思います。
画質
作例はsmc PENTAX-FA 1:3.2-4.5 28-105mm -IF&AL-を使用し、露出補正を+2としています。彩度やコントラストは極端に強調されることはありませんでした。(カスタムイメージはオートセレクト使用時)また2573万画素(有効画素数)は、1枚あたりのファイル容量も大きくならず、「Digital Camera Utility 5」での取り扱いも容易でした。なお画質の印象は使用するレンズに左右されます。
動体性能
揺れ動く花にピントは、粘り強く合わせ続けていました。
操作性
親指、人差し指を無理なく操作できます。 スマートファンクションダイヤルは適度の「重さ」があり、不用意に回転する心配はありません。また測距点レバーは、指の動きに素直に追いついてきます。静止画/LV/動画切替ダイヤルは、表示パネル左上にあり、スイッチOFFの状態でも撮影モードが確認できます。
デザイン
往年のペンタックスカメラの造形が感じられます。ボディーカラーはブラックを選びました。ボディーは凛とした佇まいを漂わせており、また凝縮感があります。カメラ本体の正面、右斜め上から俯瞰するとダイヤル、ボタン、レバーが、ペンタプリズムカバーがとてもきれいに配置していることがわかります。カメラ本体は、マグネシウム合金が纏っています。持った瞬間はヒンヤリしますが、使っているうちに体温と同じになってきます。気温約20℃での使用時の感覚です。
その他ご意見や、ご購入を検討されている方へのアドバイス
帰宅後に撮影した写真を見返すと、K-3 Mark IIIを駆使した場面や操作を思い出すことができます。人とカメラが一体となって操作する感覚は、ライカカメラ社のMデジタルに似ています。 シャッタースピードを1/60秒に設定し、静かな部屋で1コマ撮影をしてみてください。まろやかに響くシャッターの音は、K-3 Mark IIIを所有する喜びが感じられるでしょう。