総合評価
5でいいと思います。贅沢な作りのファインダーと何十年にも渡って研究されて来たPENTAX独自の色。それらがあるだけで写真の質が一気に上がります。昔、上手い人は皆んなPENTAXを使っていた。憧れのメーカーだった。いつまでもこの伝統を繋いで行って欲しい。
製品コンセプト
「被写体と対話するように撮る」まさにその通りの写真体験を得られる不思議なカメラだと感じた。ファインダーで撮りたくなる。ファインダーを覗いているのを忘れてしまう。次から次へと被写体を探してファインダー内に入れたくなる。とにかくこんな感じはLX以来かな。
光学ファインダー
ファインダーに全ての意識を集中させるために考え抜かれたギミックの数々。それらが瞳の中で調和して自然な視野をもたらしてくれる。全然辛くない、ずっと覗いていても。デジタル一眼レフカメラの中で忘れていた感覚。ファインダーに像を映し出す喜びの再発見。ミラーレスにはない人間の行為として価値あるもの。それがこのファインダーにはある。
画質
驚きはファインダーだけではない。このカメラが醸し出す印象深い色、細密感、立体感、透明感が備わった上質な映像。どこか懐かしく、それでいて先鋭的なものも見せてくれる。夜の光を深い透明感を持って再現してくれることには驚かされた。記憶色、印象色、心証色。人間の心を動かす色が備わった最高のカメラ。
動体性能
PENTAXのカメラとしては格段に進化したが、それほどの驚きはない。ようやくと他社に追いつきそうなレベルまで来たなという感想。
操作性
基本、絞り優先なので露出補正とISO感度がそれだけあれば事足りる。でもたまにハイパーマニュアルやスマートファンクションも使ってみるが、すぐに行き詰まる。
デザイン
小型堅牢なイメージのデザイン。もっととんがっても良かったのかも。まあそこは何年か後のJ limited に期待しよう。
その他ご意見や、ご購入を検討されている方へのアドバイス
PENTAXは元々、孤高のカメラメーカーでした。安もんじゃない、金持ちの大人が使うカメラだった。それが価格競争の波に押れ、本来あるべきポジションを失ってしまったところから苦難が始まった。今一度、質の高さで孤高のカメラメーカーに戻るのを期待している。