総合評価
スクエアでデモ機を見てから1年半、かなり待った印象です。しかし出来上がってきたこのモデルはそんなことを忘れる位素晴らしいものでした。デジタル製品は後から発売された製品の方がいいというのは定説で、最も新しい製品なのですから当たり前かもしれませんが、連写性能、AF、高感度での画質とどれをとっても最高の一眼レフ機です。これ以上のスペックは要らない位、最高の写真が撮れるカメラに仕上がっていると思います。
製品コンセプト
出来上がった写真の優劣はその腕だけでなく、撮影する人の心の動きにも大きく左右されると思っています。そう考えると撮影する行為さえも資産とする、撮影することが楽しくなるようなカメラというコンセプトは撮影する道具として考えてもとても重要だと思います。こうしたコンセプトのもとに生まれた製品は単に撮影することが楽しいだけでなく、良い作品作りをマインドの面からもサポートしてくれるものだと思います。
光学ファインダー
本当に全ての面でミラーレスが勝っているのでしょうか。光学ファインダーの方が撮影し易い条件もありますし、使い勝手がスッキリ来るということもあると思います。ミラーレス一辺倒の業界の中であえて明るい、大きい、ピントが掴みやすいという3拍子が揃った最高の光学ファインダー機を作って貰えたことは、光学ファインダー機贔屓のユーザーとしても有り難いことです。フルサイズ並みの大きさで像を見ることが出来ますのでよりファインダーの中で構図作りに専念できます。明るくてピントの掴みやすいファインダーはマット面でのピント合わせでも便利です。
画質
そもそもK-70の2400万画素で十分ということもありますので、解像度については全く問題ありません。また暗所、超高感度を使用した場合でのノイズも美しく処理されていますので改めて吐き出される絵を見て最新機の画像というのは別格だなと感じさせてくれます。最新のHDコートされたレンズと併せると気持ち良い位抜けの良い画像を得ることが出来ます。
動体性能
今回は動体性能のブラッシュアップが購入動機の一つになりました。線路際で100km/h前後で通過する電車や空港、空港付近で航空機を撮影してみましたが十二分の性能です。連写性能や高速で移動する被写体へのAF追従性もさらにブラッシュアップされており、撮りたいものを確実に仕留めることが出来るカメラという印象です。またバッファメモリも数字だけ見ていると「少し足りないかな?」という不安もありましたが、色々撮影してみても実際に使ってみると使い切ることはありませんでした。
操作性
メニュー画面が従来のPENTAX機よりGRっぽくなったなどと言われていましたが、実際に使ってみるとすぐに操作しなければならない十字キーなどは殆ど変化なく、数時間使えば慣れるという印象でした。 グリップも握りやすく、各種の操作については使い慣れれば使い慣れるほど使いやすいカメラに進化していくように思われます。
デザイン
クラシカルなPENTAXらしいデザインは個人的にも好きなので是非この流れは踏襲して欲しいところです。またマグネシウムボディに結晶塗装といった質感も上品な感じで好きです。またオールドレンズを装着できる楽しみがこのモデルには備わっていますが、オールドレンズを装着した時にクラシカルなデザインにマッチする雰囲気も気に入っています。
その他ご意見や、ご購入を検討されている方へのアドバイス
「タッチアンドトライ」を経験して思ったっ事ですが、カタログを見てスペックの数字を追っていると高性能であることは分かってもそれ以上は伝わってきません。しかし実際触ってみると数値以上の使いやすさ、シャッター音の気持ち良さ、扱いやすさなど「いっぱい写真を撮ってやるぞ!」という気持ちにさせてくれる数値では表せないこのカメラの魅力が伝わってきます。お近くのスクエアやデモ機を取り扱っている量販店で触ることが出来る方はぜひ購入前に実際にシャッターを切ってみて欲しいと思います。多分欲しくなると思います。