より多くのシチュエーションで快適に撮影ができるよう、PENTAXのデジタル一眼レフカメラには豊富な「露出モード」が搭載されています。

以下は、それぞれの露出モードの特長をまとめたものです。

露出モード SS 絞り ISO感度 露出補正 説明
P
(プログラム自動露出)
自動 自動 手動/自動 標準露出が得られる「シャッタースピード」「絞り値」をカメラが自動的に選択します。
露出を維持したまま、それぞれの組み合わせを変更する「プログラムシフト」が可能です。
Sv
(感度優先自動露出)
自動 自動 手動 「ISO感度」を設定すると、標準露出が得られる「シャッタースピード」「絞り値」をカメラが自動的に選択します。
Tv
(シャッター優先自動露出)
手動 自動 手動/自動 「シャッタースピード」を設定すると、標準露出が得られる「絞り値」をカメラが自動的に選択します。ISO感度は任意/自動から選択できます。
Av
(絞り優先自動露出)
自動 手動 手動/自動 「絞り値」を設定すると、標準露出が得られる「シャッタースピード」をカメラが自動的に選択します。ISO感度は任意/自動から選択できます。
TAv
(シャッター&絞り優先自動露出)
手動 手動 自動 「シャッタースピード」「絞り値」を設定すると、標準露出が得られる「ISO感度」をカメラが自動的に選択します。
M
(マニュアル露出)
手動 手動 手動 「シャッタースピード」「絞り値」「ISO感度」すべてを設定します。
B
(バルブ露出)
任意(※) 手動 手動 「絞り値」「ISO感度」を設定します。
※シャッターを開けている時間をシャッターボタン(もしくはリモコン)操作で任意に調整します。
X
(フラッシュ同調速度)
手動 手動 「絞り値」「ISO感度」を設定します。
シャッタースピードはフラッシュ同調限界(1/200秒)に固定されます。

写真の露出を決めるために重要な3大要素「シャッタースピード」「絞り値」「ISO感度」のうち、どの要素を撮影者がコントロールするか、言い換えればどの要素をカメラに任せる(自動化する)かを決めるのが、露出モード選択の基本的な考えです。

PENTAXでは、これらの露出モードのうち、Pモード(プログラム)、Mモード(マニュアル)に「グリーンボタン」の操作などを加えることで、露出設定時の操作をより快適に行える仕組みが用意されています。Pモードを操作する『ハイパープログラム』とMモードを操作する『ハイパーマニュアル』の二つを合わせて、独自の“ハイパー操作系”と呼んでいます。

本ページでは、このハイパー操作系について解説します。

1.ハイパープログラムの操作について

『ハイパープログラム』とは、Pモード(プログラム)の状態でも前ダイヤルを回せばTvモード(シャッター優先)、後ダイヤルを回せばAvモード(絞り優先)へと、瞬時に切り換わる仕組みのことです。グリーンボタンを押せばいつでもプログラムラインの露出値に復帰。ひとつのモードで幅広いシーンに対応できるのが特長です。

〔ハイパープログラム概念図〕

デジタル一眼レフカメラは、低速シャッターで動感を表現したり、高速シャッターで動く被写体を写し止めるためにはTvモード、被写界深度のコントロールを重視する場合にはAvモードなどのように、目的に応じて露出モードを切り替えて撮影するのが一般的です。

・Tvモードでシャッタースピードをコントロールした撮影例

低速シャッターで滝の流れを表現

高速シャッターで飛んでいる鳥を写し止める表現

・Avモードで被写界深度をコントロールした撮影例

絞りを開いて背景をぼかした表現

絞り込んで手前から奥までピントを合わせた表現

PENTAXの『ハイパープログラム』であれば、露出モードダイヤルではPモードを選択したままTvモード、Avモードと同様の露出制御へ、スピーディーに切り替えが可能です。

〔ハイパープログラム 操作説明動画〕

グリーンボタンを押せば瞬時にPモードに戻るため、三脚撮影から手持ち撮影に移行する場合など、咄嗟に大きく露出設定を変更したい場合にも役立ちます。

■Tips. プログラムラインとは
標準露出を得るためにカメラに何通りも登録されている、シャッタースピードと絞り値の組み合わせのことです。

PENTAXのPモードには、シチュエーションに応じて使い分けができるよう、複数のプログラムラインが用意されていることも特長です。
〔プログラムラインの種類〕



この設定はハイパープログラムでAv、Tvモードへ移行した状態から、グリーンボタンでプログラムラインの露出値へ復帰したときのシャッタースピード、絞り値の制御にも反映します。お好みの設定を探してみてください。

※注:プログラムラインの切り替えが可能なデジタル一眼レフカメラは、645Z、645D、K-1 Mark II、K-1、KP、K-3II、K-3、K-5II/IIs、K-5、K-7、K20D、K10D、*ist Dとなっております。

2.ハイパーマニュアルの操作について

まず、Mモード(マニュアル露出)の利点の一つはシャッタースピード、絞り値、ISO感度をそれぞれ任意に決められること。もう一つは、撮影ごとに露出値が自動的に変わることがないため、同じ環境光下においては必ず同じ仕上がりが得られることです。

ただ、選択したシャッタースピードと絞り値、ISO感度で適正露出が得られない場合には、露出オーバー、アンダーとなってしまうため、露出バーを見ながら標準露出まで追い込む必要があります。そのため、経験や知識が必要なモードとされがちです。 PENTAX独自の『ハイパーマニュアル』は、このような問題を解決してくれます。

 

どんなシャッタースピード、絞り値を組み合わせていても、「グリーンボタン」を押し込むことで、Mモードでありながらも一時的にPモード同様のプログラムラインの露出値に設定してくれます。もちろん、その後は露出値を固定したまま撮影を続けることができます。

室内から屋外へ移動したときのように露出値を大幅に変える必要がある場合や、露出を掴みづらいシーンなどで、とても恩恵の大きい機能です。

〔ハイパーマニュアル 操作説明動画〕

■Tips. Mモード時のグリーンボタン機能の設定
ボタンカスタマイズの設定で、グリーンボタンを押したときの機能を以下のように変更できます。


・P LINE・・・グリーンボタンを押すと、プログラムラインによって選択される「シャッタースピード」「絞り値」で露出を合わせます。
・Tv SHIFT・・・グリーンボタンを押すと、設定している「絞り値」に合わせて「シャッタースピード」がシフトし、露出を合わせます。
・Av SHIFT・・・グリーンボタンを押すと、設定している「シャッタースピード」に合わせて「絞り値」シフトし、露出を合わせます。

3.ハイパーマニュアルでAEロックボタンを活用する

さらに、『ハイパーマニュアル』ではAEロックボタンを活用することで、露出値をロックしたまま、絞り値(あるいはシャッタースピード)を変更したときに、もう一方の値を連動させることが可能です。

例えば一般的なMモード(マニュアル露出)の操作では、絞りを2段分(6クリック)絞り込んだ場合には、同じ露出を維持するためにはシャッタースピードを同じく2段分(6クリック)遅くする必要があります。
『ハイパーマニュアル』では、AEロックボタンを押した後に絞りを2段分絞り込めば、シャッタースピードはそれに連動して2段分遅くなります。

〔マニュアル露出での露出値のロック 操作説明動画〕

これらの“ハイパー操作系”を活用することで、露出設定に伴う操作をスピーディーに行うことができ、よりシャッターチャンスに集中することができます。
PENTAXならではのこれらの機能を、ぜひ活用してみてください。