こんにちは、ジョニーです。

PENTAX K-3 Mark IIIの進化点は撮影機能だけではありません。今回は再生機能の変更点をお伝えしていきます。

再生順序設定

従来機種では画像を表示する際に「ファイル番号順」で表示していました。

「ファイル番号」の場合の表示順、番号順に表示

撮影してパソコンに取り込む使い方は相性がいいのですが、カメラ内の再生機能を頻繁に使うには相性が悪い部分がありました。

野鳥の撮影などを行っていると、たくさんの画像の中から良く撮れている画像を選び、大抵は画角一杯で撮れていないのでトリミングを行い、SNSにアップ用に転送するためにリサイズをします。

1000枚以上ある画像の先頭から探して100枚目くらいに良い画像があったとします。トリミングを行うと最後に画像が保存されるので、保存した画像をリサイズしてスマートフォンに転送します。そして良い画像を探す作業を101枚目の画像から再開したいのですが、101枚目に戻るまでに右ボタンを101回押すか、複数画像表示にしてから101枚目の画像を探す必要がありました。私自身、テンションの上がっている撮影時は良いのですが、家に帰って疲れている時に画像を選んでSNSにアップするまでにさらに疲れていまい、明日でもいいか、となってしまうことがありました。

このような場合、K-3 Mark IIIでは再生メニュー1「再生順序設定」で、従来機種の「ファイル番号」ではなく「撮影日時」を選択することをお勧めします。

「撮影日時」を選択した場合、編集して保存した画像も撮影日時(保存日時ではなくあくまで撮影日時です)の順に表示します。編集して保存した画像は保存日時が更新されますが撮影日時は元画像の情報を引き継ぎます。そのため100枚目の画像に対してトリミングとリサイズをしても、すぐ隣に101枚目があるので続きの画像を見たい場合に右ボタンを押すだけで続きの画像が表示できます。編集前後の画像を比較するのにも最適な並びになります。

「撮影日時」の場合の表示順、編集画像は元画像の隣に表示

注意点としては、パソコンに取り込む際に違うフォルダーに編集後の画像がある場合があります。保存のし忘れがないようにしてください。

再生スロットの切替え

従来機種では測距点移動/カードスロット切替ボタンでスロットを切替えていましたが、測距点レバーを採用したことで測距点移動/カードスロット切替ボタンはお役御免になりました。
PENTAX K-3 Mark IIIでは測距点移動/カードスロット切替ボタンの代わりに再生時のグリーンボタンか、再生メニュー1「再生カードスロット選択」で再生スロットの切替えが可能です。

ボタン操作の場合

メニューで切替える場合

測距点を中心に拡大

以前の記事でもご紹介しましたが、ご要望の多かった測距点を中心とした拡大に対応しました。カスタマイズメニュー4「拡大表示」-「測距位置拡大」で設定できます。

PENTAX道場の小林義明師範もピントの確認は重要だと何度も言われています。撮影後のピントチェックが効率的になる機能ですのでぜひ活用してください。

拡大前の写真

測距位置拡大中(セレクトSで撮影)

拡大倍率の変更

電子ダイヤルではステップに従った拡大、タッチ操作では無段階の細かい拡大が可能になっています。より細かく拡大したい場合に活用してください。

タッチ操作でx1.9になっている状態

再生画像をダブルタップするとタップした位置を中心としてクイック拡大の倍率に従った拡大ができます。

再生編集機能の呼び出しのボタンが変更

以前、K-3 Mark IIIから新しくなったメニュー構成と細かい変更点でも簡単にお伝えしましたが、再生モードでの機能選択のボタンが2つの目的のために従来機種の下ボタンから、K-3 Mark IIIではAEロックボタンに変更になっています。

1つ目はクイックビュー同等の操作として、ワンハンドオペレーションを目指しています。

以前、Fxボタンのカスタマイズの記事でもお伝えしたように、PENTAXの操作系に対する考え方の1つにワンハンドオペレーションがあります。これまでは画像を消去するためにはファインダーの左側にある消去ボタンを押す必要がありましたが、AEロックボタンからも選択できるようにすることで右手だけで消去が可能になります。

ワンハンドオペレーションは主に撮影時に重要としている設計思想ですが、クイックビューで消去できず、再生モードで消去をする場合は結局左手での操作が必要になります。ファインダー左にある消去ボタンはLimitedレンズなど取り回しのいいレンズとは相性がいいですが、重量級の望遠レンズを使用している際には押しづらい場面もあるため、左手を使わなくても目的が達成できるようにしています。

 

2つ目は再生機能のアクセスしやすさの向上です。

こちらも以前の記事で簡単にお伝えしましたが、再生機能を開始できるシーンを増やしました。

従来機種では1画像表示の標準情報表示と情報表示なしの2画面からしか再生機能を選択できませんでした。下ボタンが再生機能の起動トリガーになっているため、詳細情報表示や複数画像表示、フォルダ表示などは下ボタンにカーソル移動やページ切替えといった機能が割り当てられているため、再生機能を使用することが出来ません。

K-3 Mark IIIでは、再生機能の起動トリガーをAEロックボタンにしたことで1画像表示中(詳細情報表示も含む)、複数画像表示中、フォルダー表示/撮影日表示中のどの画面からでも再生機能を呼び出せます。

1画像表示中は表示中の画像に対する再生機能、複数画像表示中は複数画像に対する再生機能、フォルダー表示/撮影日表示中はフォルダーや同一撮影日の画像への一括処理が可能な機能が表示されます。複数画像表示中、1画像に対してのみ実施できる機能の場合は1画像に対する再生機能が実行されます。

再生編集機能は再生メニューからでも呼び出しが可能です。

複数選択時のカーソル移動の変更

複数画像表示から消去を行うと画像を選択して消去することが出来ます。その状態で露出補正ボタンを押すと範囲選択が可能になります。SDカードをフォーマットするのを忘れて撮影を始めてしまったときなど、前の画像だけを消去したい場合がありますが、消去したい画像を選択して露出補正ボタンを押してから終点を選択してOKボタンか露出補正ボタンで決定するまでの範囲の画像を消去対象とすることができます。と、ここまでは従来機種でも同じことが可能ですが、K-3 Mark IIIでは始点として選択した画像から、古い方向と新しい方向、片方向のみの移動として、先頭から末尾へのループ、末尾から先頭へのループを禁止しました。

範囲選択中は末尾からはスクロールしません

始点を選択した後、一番先頭の画像まで選ぼうと上ボタンを押し続けていたところ、末尾にループしてしまってやり直しになることがなくなります。

機能の実行をINFOに統一

複数画像表示から再生機能を行った際、画像を複数選択して一括で処理を実行できます。
従来機種では画像を選択した後の確定操作が消去機能だけ消去ボタンで実行していましたが、INFOボタンに統一しました。また、一度に選択可能な枚数の上限も廃止しています。

K-3 Mark IIIで複数選択時の実行はINFOに統一

参考:従来機種は消去の確定がファインダー左の消去ボタン

 

保存前に詳細な画像確認が可能

再生機能はレスポンス性を考慮して実際の画像よりも小さい画像で仕上がりイメージを表示しているので保存した画像がイメージ通りにならない場合がありました。K-3 Mark IIIでは保存する前に拡大して詳細に確認が出来るようにISOボタンで詳細プレビューを行えるようにしました。設定変更時の微妙な違いも確認したうえで設定の調整を行うことができます。

RAW現像での詳細プレビュー中、拡大して細部まで確認が可能

再生モードの新機能と改善点

撮影後のJPEGを補正する新機能として「レベル補正」と「ホワイトバランス補正」を搭載しています。

明るさを補正する手段としては「デジタルフィルター」の「ベースメイク」も使用できますが、シャドー、中間値、ハイライトを調整して補正が可能です。霧や水しぶきなどで白くもやがかかったような画像の調整もできますので活用してください。グリーンボタンを押すことでカメラまかせの自動補正も可能です。

ホワイトバランス補正は撮影後にG-M(グリーン-マゼンタ)間とB-A(ブルー-アンバー)間の調整を行えます。

改善点としてはトリミングの角度調整ステップを1度単位から0.1度単位に変更しました。これまで撮影後に微調整しようとすると狙っていた位置を通り越して水平が取れない場合がありましたが、細かく調整が出来るようになりましたので水平を取りやすくなりました。


 

 

今回は再生機能の変更点についてお伝えしてきました。撮影機能だけではなく撮影後の使い勝手も改善を行っています。撮って終わりではなく、撮ってからもカメラの機能を隅々まで使いこなしてください。

 

〔こちらの記事でご紹介した製品の情報はこちら〕

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