6月のお題は…『いのちの表情』

小林義明 師範

定番となった「いのち」シリーズのお題だ。身の回りで見られるいきものや植物など、よく見てみるといろいろな表情を見せてくれる。動物や鳥などは表情も分かりやすいけれど、虫だってよく見ていると表情があるよ。かわいいな、きれいだなと感じることがあったら、もう少しじっくりと観察して、そのいのちがどんな気持ちでいるのかとか、どんなことをしようとしているのかなどを考えて、それを表現するといい。私たちに何か伝えようとしているかのような見せ方になるよう、工夫してみよう。

小林義明 師範からの6月のお題はいのちの表情でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

6月の挑戦者その4:Kジィーさん

カンムリカイツブリの撮影をスタンバイしていたところ、巣立ち間もない燕のヒナが
近くに欄干に止まり、盛んに親鳥から給食を待ってピーピーにぎやかでした。
その瞬間に立ち会えてラッキーでした。

Kジィー
秋田県在住、男性。北東北を主戦場に風景写真を楽しんで居りますが、最近は鳥の撮影にも興味を持ち始めました。PENTAX K-3 Mark IIIとsmc PENTAX-DA★300mmF4ED[IF] SDM+HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

小林義明 師範からの添削コメント

巣立ったばかりのツバメの幼鳥。二羽で並んで親が餌を運んできてくれたところを、いいタイミングで撮影できているね。若干トリミングをしているのではないかと推測するけど、いい構図で撮影できている。

コメントを見ると何度かチャンスがあったように思えるので、ツバメの飛ぶ速度を考えると、もう少しシャッター速度を速く設定したかったね。
そうすると親の顔もシャープに写し止めることができて、より迫力のある写真となったはずだ。

二羽の幼鳥が餌をねだっている表情はしっかりと見せられているので、そこで親の表情もしっかりと見せたかったなぁ。

これが見せられれば、免許皆伝だったよ。

夢中になってしまったことだと思うけれど、どうしたらより伝わる写真を撮ることができるか、撮影中でもカメラの設定を確認する余裕も持てるように練習しよう。

6月の挑戦者その5:ミムチさん

警戒と興味の表情を捉えられたかなと。

ミムチ
茨城県在住、男性。風景、スナップを中心に撮影しています。PENTAX K-1とHD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AWで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

小林義明 師範からの添削コメント

草の繁みの中からこちらを見ているキツネ。まだ幼い表情をしている感じがするので、今年生まれた子供だろうか。コメントにあるとおり、興味津々なんだけれど警戒しているその表情を捉えられている。目から表情を読み取れるのは、ほ乳類のいいところだよね。

狙いはいいので、あとは目の表情に見る人の意識が集中するように画面構成したいところ。

偶然の出会いで余裕がなかったのかもしれないけれど、より目の表情を強調できるように、絞りを開けて周りをより大きくぼかしてやると良かったと思う。せっかくの大口径レンズなのだから、そのあたりはうまく活かしてやろう。

大きな動作をするとビックリして逃げてしまうだろうから、カメラを構えたまま静かに操作することが大切。ある程度はボタンやダイヤルの位置を見なくても操作できるようにしておこう。

こんなときはジッとしていると、好奇心の強い子は出てくることもあるよ。

6月の挑戦者その6:FA43Lさん

雨上がりの近所の公園でミンミンゼミが産卵していました。
羽を濡らしながらも、一生懸命生きる表情を捉えようと シャッターを切りました。

FA43L
神奈川県在住、男性。最近は夏に近所でセミの写真を撮ることを楽しんでます。PENTAX K-01とsmc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WRで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

小林義明 師範からの添削コメント

セミの体にいくつも水滴がついていて、なかなか美しい。木の幹もしっかりと濡れているようで雨上がりだね。コメントを見るとミンミンゼミが産卵しているところとなっていて、たしかにお尻の先を幹に押しつけている様子が分かる。

いのちが新しい命を繋ぐために行っている動作。
いのちの根源ともいえる表情でもある。
いいところに気づくことができたと思う。

あとはどうやって写真として表現するか、が大切なところだ。

セミが産卵するときは産卵管を伸ばしてから幹に刺すと思うので、その動きを見せられると、産卵しているということを写真で伝えることができたよね。そこが惜しかったなぁ。

できれば言葉ではなく、すべてを写真のなかで伝えられるようにしたいところ。

この夏もセミを観察していると思うので、そのあたりを意識して撮影してみて欲しい。動画であってもこのシーンだけでは伝わらないので、余裕を持って観察をするようにしよう。

師範より6月後半の総評

今回は鳥や昆虫などのいきものを捉えた作品が多かった。
このような動く被写体の場合、その姿を撮れただけになってしまうことも多いのが難しいところだ。

たとえばチョウが花にやって来た瞬間を捉えただけでは、なかなか表情を感じられる作品にはならず、チョウが花の蜜を吸っている写真というだけで終わってしまうことが多いということだ。

それぞれの瞬間を捉えるなかでも、そのいきものがどんなことを思っているのかをイメージして、ちょっとした仕草を逃さず捉えるようにしてみよう。

またいつも言っていることだけれど、写真を見る人に伝わるよう見せることも大切だよ。

 

記念品のお届けについて

Kジィーさん、ミムチさんには「免許中伝ミニ木札」を、FA43Lさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

記念品は7月中旬にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

その他の投稿作品をご紹介

最後に、6月後半のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。

〔クリックで写真が大きくなります〕

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

>募集受付中のお題はこちら

 

 

編集部からのお詫び

PENTAX公式Twitterでもお伝えしておりましたが、この度は6月後半分の投稿データの一部(6/16 0:00~6/24 11:00 にご投稿された分)を誤って削除してしまい、大変申し訳ございませんでした。
また、再度ご投稿いただいた皆様、誠にありがとうございました。

今後とも、PENTAX道場へのご参加よろしくお願いいたします。