前回、K-3 Mark III MonochromeとHD PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8ED AWの組み合わせで、フィルムコンパクトカメラのPENTAX 17で撮影したモノクロフィルムをデジタイズしました。そのフィルムはPENTAX 17が発売になってすぐに撮影したもので、複写や画像編集をしながら写真を見返しているうちにまた持ち出してみたくなりました。そこで本連載の主役をPENTAX 17にバトンタッチ。タイトルが「しろくろかめら」なので、モノクロフィルムでのフォトライフを中心にいろいろな情報をお届けするつもりです。

 

モノクロフィルムの現像は、写真を始めた小学生のころから自分の手で行っています。とはいってもブローニーフィルム(120フィルム)までで、4×5インチ判(シノゴ)のシートフィルムはプロラボに依頼しています。ところが近年はフィルムカメラで撮影する機会が減っています。撮影したフィルムが1、2本だと現像するのが面倒に感じられ、また間が空くと現像液などの薬液も無駄になります。そこである程度の本数がまとまってから現像するようにしていたのですが、撮影ペースの低下により未現像のフィルムを長期間放置することになります。若いころはたくさん撮り過ぎて面倒になり、未現像のフィルムがどんどん貯まって困ることがよくありましたが、今はその逆といった感じ。撮り終えたらできるだけすぐに現像したほうが良いので、今年からフィルム現像は専門業者に依頼することにしました。こまめに現像に出せばよいのでひと安心ですが、プリントはこれまで通り暗室に入り自分で印画紙に焼き付けます。

カラーネガフィルムとは処理方法が異なるため、モノクロフィルムの現像は対応しているラボへ依頼することになります。自宅近くにそのような専門業者がなくても、郵送などで対応してくれるところがほとんどなので安心です。フォトスクールで指導している生徒さんたちは東京・赤坂のフォトグラファーズ・ラボラトリーや、東京・世田谷のナショナル・フォートといったプロラボを利用しています。でも私は東京・八丁堀のアトリエ シャテーニュに依頼。暗室レンタルやラボ業務、各種ワークショップなどを幅広く活動しているところで、私の事務所からすぐの場所にあります。歩いて行けるというのもありますが、選んだ一番の理由は長く使っているKodak D-76(1:1希釈)で現像してくれるから。これまでの自分の現像とほぼ同じ状態のネガフィルムに仕上がるわけで、プリントするときの重要なポイントになります。露出をどんなにシビアに決めても、フィルム現像にばらつきがあるとプリントに適したネガフィルムにはなりませんし、その逆も然り。これはカラーネガフィルムはもちろん、デジタルカメラで撮影するときも基本的に同じだと考えます。

現像後のネガフィルムはライトテーブルに乗せて光で透かし、濃度など状態をチェックします。薄く透けていたり、反対に濃くなり過ぎていたり、プリントに必要な情報がしっかり写し込まれているのかを確認。露出不足や露出過多などで満足のいく結果が得られていないコマについては、同じ失敗をしないよう次回以降の撮影で改善するようにします。子どもや学生のころは、カメラの内蔵露出計や単体露出計で得た情報からどのように露出を判断するのかなどの経験値が足りなかったので、ネガフィルムのコマの濃度がバラバラでした。でももう50年くらいやっているので、今ではそのようなことはかなり減っています。若いころはフィルム現像で失敗し、ちゃんと撮れていたのかどうかすら分からないこともありました。そのような失敗をたくさん経験し、たとえ成功してもより精度を上げなければと、試行錯誤を繰り返しながら高みを目指したものです。それは現在もまだ続いています。

PENTAX 17はマニュアル露出で撮影できないため、適正な濃度のネガフィルムに仕上げるには露出補正で対応することになります。とはいえそれを的確に行えるようになるには、トライアンドエラーで測光の傾向などを知る必要があります。昔はそれが当たり前でしたが、デジタルカメラのようにその場ですぐに結果が分かるわけではないので時間もかかります。でもPENTAX 17で露出補正を特に行わずに撮り進めたところ、予想以上に好結果が得られることが分かりました。逆光時や明暗差が極端になる画面構成で撮ることはあまりないので、それらの条件ではどのような結果になるのかは分かりません。

ネガフィルム

ネガフィルム

コンタクトプリント(ベタ焼き)

コンタクトプリント(ベタ焼き)

フィルム現像後はセレクト用にコンタクトプリント(ベタ焼き)を作成しますが、今回は前述のアトリエ シャテーニュで一緒にお願いしました。特に問題なく撮れている感じですが、2コマ連続して真っ白な部分があります。ネガフィルムをライトテーブルで透かしてよく観察すると、完全につぶれておらず何やら写っています。実はこれ、モードダイヤルが「P」から低速シャッターに不用意に動いてしまい、それに気付かず撮ってしまったのです。以前に何度も同じミスをしたのに、またうっかりやってしまいました。「P」以外で撮ることは基本的にないので、次回からテープなどで固定しようと思います。