4月のお題は…『階段』
「階段を登るとどこへ繋がっているのだろう?」「この階段が急勾配でいつもしんどい!」「階段が作る風景はドラマティックだ!」など、とらえ方は自由です。あなたにとっての“階段”を撮影してください。
ハービー・山口 師範からの4月のお題は『階段』でした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。
>>ハービー・山口 スナップ道場『4月前半分の結果』はこちら
4月の挑戦者その4:製剤屋さん
新興住宅地だと、階段が無くなってきていて、スロープが増えてきているのを痛感しました。
師範の判定結果は・・・
●
●
●
おめでとうございます!!
巧みな構図だけでも立派に成り立っている写真です。画面手前に写っている3段の階段や自転車止めのパイプ、遠方の階段や手すりを見事に一枚の絵の中にまとめています。
モノクロであることで、余計に白黒の階調や構図が強調されているのでしょう。色がアクセントになって画面を引き締める例はあります(4月前半で取り上げたきよどんさんの鳥居の赤が好例です)。そうした色がモノクロ写真では存在しません。ですがその代わりに光、構図、表情が強調されるという特徴がモノクロ写真にはあるのです。
人物を呼び込んだら、どう言った写真になるのかを見たい気もします。ですがこの写真を見る限り、人物が不在が故の清々しさがあります。免許皆伝です。
4月の挑戦者その5:製剤屋さん
次に人が通るのは何時のことでしょう。
師範の判定結果は・・・
●
●
●
おめでとうございます!!
画面右手の遠方に階段があり、画面のほとんどを雑草が生えた地表で構成されています。
かつてはここに何かの施設があったものの、何かの理由で取り壊されたのか。それともただの広場で、たまたま人が利用することなく、雑草が生えることになってしまったのか。全国にはこうした栄枯盛衰を物語る光景が沢山あると思います。その歴史を想像するだけでワクワクしてきます。
階段があることで画面がよりドラマティックになりますね。構図も上手いです。重くなりがちなテーマではありますが、雑草の中に所々白く輝く葉っぱや花が美しく、救いになっています。こちらも免許皆伝でしょう。
4月の挑戦者その6:Kazalさん
午後になって雨が上がったのでK-1を携えて散歩に出た。散歩の入り口はいつもこの階段だ。
住宅街なのにこの階段を降りると途端に森になる。
さっきまで降っていた雨でステップがしっとりと濡れて私を森の雰囲気に誘う。
最初の一段の前に手持ちのOptio RS1000でスナップした。
師範の判定結果は・・・
●
●
●
もう一歩!
この写真も先ほどまでの製剤屋さんの作品にも通じるテーマがあります。朽ちた階段や色あせた黄色い手すり。雑草や枯葉に侵食されつつあるコンクリートの階段。朽ちていく姿に哀れみを感じます。
雨上がりなのか、濡れた質感がさらに侘しさを倍加しています。製剤屋さんの2枚目の作品が同じテーマでありますが、モノクロ、快晴の光、白い葉っぱ、構図などから、侘しさと共に、どこか爽やかな風を感じるのに対し、この写真はもっと痛烈に朽ちていく現実感が、私たちに迫ってきます。
どちらの写真が良いのかは人それぞれの判断に任せますが、共通したテーマを撮影してもこれだけ違う仕上げがあるということが興味深いですね。
なんと製剤屋さんが2件採用でいずれも免許皆伝!!おめでとうございます!
「免許皆伝看板」×2、「免許皆伝ミニ木札」×2をお贈りします。
Kazalさんには「免許中伝 ミニ木札」をお贈りします!
お届けまでしばしお待ちくださいませ。
4月は「免許中伝」が4件、「免許皆伝」が2件ということで、「師範、4月は急にハードル下げすぎじゃないですか?」と正直突っ込んでしまいました。そういうわけではなく、良作ぞろいということでした。ご投稿いただいた皆さまありがとうございます。
下記はハービー・山口 師範のコメントです。
『階段のある風景』という身近なテーマが取り組み易かったのか皆さんいつもより首尾一貫していて、良いお写真が多く見受けられました。
その他の投稿作品をご紹介
最後に、4月のお題の投稿作品の一部をご紹介させていただきます。
こちらは師範の評価とは関係なく、今後挑戦される方に参考にしていただけるよう編集部にて選んで掲載しております。
〔クリックで写真が大きくなります〕
以降のお題へのご投稿もお待ちしています!