カメラを持って出かけると、何でもない日常が、光の輪郭をもって浮かび上がる。

さぁ、今日もカメラを持って出かけよう。

第16回「感じるチカラ」

感動=ものを感じて、心が動くこと。

感動してますか?
その前に、ちゃんと感じていますか?

せっかくカメラを持って出掛けても、思うように写真が撮れないなぁと感じる時は、そっと目を閉じて、ゆっくりと呼吸し、音や風を感じてください。

 

 

目を閉じる前に、目の前にあった風景はどんな風景でしたか?

太陽の光、街中の公園、遊具、噴水、花壇の花、定休日のお店。何を見て、何を思ったか言葉にして口に出してみるといいと思います。夏の終わりの太陽、人の居ない静かな公園、パキッとした鮮やかな赤い花。抽象的だった風景が、自分だけの風景になります。

写真を撮るのに、目を閉じるなんて、決定的瞬間を逃すじゃないか!と焦らないでください。感じるチカラがなければ、決定的瞬間がやってきても気付けませんよ。

 

 

小さい頃、家族で車に乗って出かけると、母は、流れる外の景色を見ては、花が咲いていれば、「綺麗やなぁ」、たんぼの稲を見れば、「もうすぐ稲刈りやな」とか、家族の誰に言うわけでもなく口にしていました。

それを聞いて育ったので、花が咲いていれば、綺麗だなと思うし、たんぼを見れば、田植えや稲刈りのことが気になるようになりました。

なんでもないことだけど、写真を撮るようになってからは感謝しています。

 

 

 

自分が思うような写真を撮るためには、感じるチカラが大切です。それは目の前の風景を感じるだけでなく、自分自身をも感じなければなりません。

あなたが切り取る風景は、あなた自身だからです。

今の自分は、嬉しい、楽しい、悲しい、辛い、趣味が楽しい、恋している、仕事で悩んでる、人間関係が苦しい。きちんと自分と向き合って、感じてあげてください。

改まって自分を感じるのは、難しい作業かもしれませんが、カメラを相棒に持つあなたなら大丈夫、きっと出来ますよ。

「感じるチカラ」が、あなたの写真を昇華し、あなたを助けるチカラになってくれることを願っています。

 

 

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