こんにちは、ジョニーです。
みなさん、PENTAX K-3 Mark IIIのスペシャルサイトはご覧いただいたでしょうか。
カメラに対してシビアな目を持つ国内外のフォトグラファーによるK-3 Mark IIIのインプレッション「写真家の眼」(リンクはこちら)や、開発者が明かす、コンパクトなボディに凝縮された熱意と創意の物語を語った「開発の現場から」(リンクはこちら)と、全部の動画を見ると半日程度の時間を必要とするコンテンツがありますのでご参考にしていただければと思います。
その中で、細かい応用方法やいろいろなこだわりに関してはPENTAX officialサイトの「PENTAXを使い倒せ!」でも継続的にお伝えしていく、と宣言しておりましたが、本日より何回かに分けて従来機種からの変更点や使いこなしについてお伝えしていきますのでよろしくお願いします。
初回はインターバル撮影に関する変更点をお伝えします。以前の記事でインターバル撮影の設定とカメラの動作についてお伝えしました。
今回は、K-3 Mark IIIで進化した部分や変更点について、RICOH GR IIIの動きも合わせてご説明していきましょう。
スペック上の変更点のまとめ
これまでカスタムファンクションの項目だった「インターバル撮影の動作」と「インターバル撮影時のAF」も「ドライブモード」の中にまとめました。それにより設定時のアクセスのしやすさが向上しました。
名称も「インターバル撮影の動作」は「定時レリーズ」に、「インターバル撮影時のAF」は「撮影毎のAF作動」に変更しています。
第3群、第4群で「撮影間隔」の「最短」を選ぶためには、「インターバル撮影の動作」を「撮影待機時間」することで選択が出来ましたが、第5群では「定時レリーズ」を「オフ」にすることで選択が可能です。
「定時レリーズ」のオン/オフでの動作については従来機種と変わっています。ボリュームが多いので後ほどじっくり説明します。
撮影回数の上限が拡張
従来機種では「撮影回数」の上限が2000枚でしたが、K-3 Mark IIIでは枚数指定が9999枚になり、無限の設定も可能になりました。
2000枚以上の枚数を撮影したい場合にシャッターボタンを押しなおす必要がなくなります。
それに合わせてインターバル撮影を止める手段も変わっています。
従来機種では電源レバーやモードダイヤル、静止画/動画切替レバー(PENTAX K-1/PENTAX K-1 Mark II)や静止画/LV/動画切替レバー(PENTAX KP)など、メカニカルな操作部で設定が変わった場合にインターバル撮影を停止していました。メカニカルな操作部で設定を変更するということは、そのまま次の撮影をしたい場合には元の状態に戻す必要がありました。
K-3 Mark IIIではそのメカニカルな操作部を元に戻す操作が不要となるように、OKボタン、MENUボタンのいずれかを押すとインターバル撮影が停止します。
撮影を始めてみたら前に設定していたインターバル撮影だった、とか、シャッター速度を間違えていて思ったより暗いor明るい画像だった、というような場合にも、インターバル撮影を停止してすぐに設定の変更を行い次の撮影を開始できます。
ライブビューからインターバル撮影を開始した場合の動作変更
従来の機種ではライブビューからインターバル撮影を開始した場合でも、光学ファインダーで撮影を開始した場合と同様に撮影毎にミラーを動作させて撮影を行っていました。
K-3 Mark IIIでは撮影シーケンスの見直しを行い、ライブビューからインターバル撮影を開始した場合にはミラー動作をせずにライブビュー状態のまま撮影を継続します。
インターバル合成の途中経過画像の自由度が向上
インターバル合成ではインターバル撮影した画像を多重露出のように合成して保存します。
従来機種の途中経過画像の保存では、撮影中に車のヘッドライトなど明るい光源が映り込んでしまった場合にその直前までの合成画像を保護する目的の機能として合成した画像を保存していました。
K-3 Mark IIIでは撮影画像を後からPCで合成したい人に向けて、合成する前の元画像を保存するように設定できます。
合成前の元画像を保存するか、合成後の経過画像を保存するか、用途に合わせて設定してご利用ください。
最短の間隔をより短く
K-3 Mark IIIではカメラ全体のシステムを最適化しました。インターバル撮影も最適化されており、「撮影間隔」を「最短」に設定した時の間隔も短くなっています。
インターバル合成中、シャッターボタンの半押しで合成途中の画像を確認可能
従来機種ではインターバル合成中に合成途中の画像を見たい場合、クイックビューをオンにする必要がありました。
インターバル合成中は常にカメラのそばで待機しつつ画面を見ているわけではありません。
また、インターバル合成は夜間に使うケースが多く、常に画像モニターが点灯していると電池の持ちが悪くなったり、画面からの光が他人の迷惑になってしまう場合もあります。
K-3 Mark IIIではインターバル合成中は基本的にクイックビュー(合成途中の画像)が表示されません。必要なタイミングで撮影者自身でシャッターボタンを半押しすることで合成途中の画像を画像モニターに表示して確認ができます。インターバル合成は三脚などで固定して撮影しているため、カメラに触れたくない場合もあると思います。その際はケーブルスイッチのシャッターボタンの半押しでも表示して確認ができます。
設定画面に便利情報を追加
◆撮影回数の設定時に撮影所要時間の目安時間を表示しました
これまで撮影所要時間はユーザーの経験から算出していただいていました。K-3 Mark IIIでは「撮影回数」の設定画面に「定時レリーズ」の設定とシャッター速度の設定から目安となる撮影所要時間を計算して表示していますので参考にしてください。
撮影毎の制御時間やノイズリダクションの時間などは考慮されていないのであくまで目安です。
◆撮影開始時刻設定画面に現在の時刻を表示しました
時刻指定でインターバル撮影を開始する場合、これまでは腕時計やスマートフォンなどで時刻を確認して設定する必要がありました。
また、1分後に撮影開始させるつもりで時刻を設定した場合、シャッターボタンを押したときには指定時刻が過ぎていたため、1分以上経過しても撮影が開始されないことがありました。
撮影開始時刻を設定する際にカメラ内の現在の時刻を表示することで狙った時刻が設定しやすくなります。
動作の仕様変更
前述した「定時レリーズ」のオン/オフで動作がどう変わるかを説明していきます。
「インターバル撮影の動作」の「撮影間隔」と「撮影待機時間」という設定項目は廃止して撮影の間隔は1本化した上で、撮影できなかった時にスキップするのか、スキップしないのか、を選択できるメニュー項目にとして「定時レリーズ」のオン/オフを追加し、必要な機能を担保したうえで設定が簡単になるように仕様を変更しました。
GR IIIは「定時レリーズ」が「オフ」の動きになっていますので参考にしてください。
◆「定時レリーズ」が「オン」「オフ」どちらでも撮影タイミングは同一
従来機種では、撮影が完了した後からカウントを行う「撮影待機時間」がありましたが、GR IIIやK-3 Mark IIIでは撮影開始と次の撮影開始の撮影間隔を決めて撮影を行う上記の動きに統一されています。
◆「定時レリーズ」の「オン」と「オフ」の違い
撮影間隔よりシャッター速度が短い場合、撮影間隔に従って撮影します。「定時レリーズ」が「オン」でも「オフ」でも共通の動作になります。
これは従来機種の「インターバル撮影の動作」が「撮影間隔」の場合と同等になります。
「定時レリーズ」の「オン」と「オフ」で差が出てくるのは撮影間隔よりシャッター速度が長い場合です。
「定時レリーズ」が「オン」の場合は、撮影できなかった撮影タイミングはスキップされます。撮影がスキップされるため撮影回数で設定した枚数の写真は撮影されませんが、狙った時間に撮影が終了します。
「定時レリーズ」が「オフ」の場合は、撮影できなかった撮影タイミングは保留され、撮影が可能になったタイミングで保留になっていた撮影を開始します。1回目の次に2回目の撮影といった感じで撮影を行うので最終的に撮影回数で設定した枚数の写真が撮影できますが、シャッター速度が固定の場合は撮影タイミングのずれが蓄積していくので、撮影完了の時間がずれることになります。
必ず決まった間隔で撮影したい場合は「定時レリーズ」を「オン」に、それ以外の場合は「オフ」で使っていただくのがいいと思います。「定時レリーズ」が「オフ」の場合は撮影がスキップされることがないのでインターバル撮影の設定を難しく考える必要はありません。
1枚撮影してみた結果がOKであれば撮影を開始してしばらく待つことで必要な枚数の写真を撮影することができます。
今回はインターバル撮影の変更点について、GR IIIとK-3 Mark IIIの動作を含めて説明してきました。天の川を撮影できる時期になってくるので撮影を楽しんでいただければと思います。
〔こちらの記事でご紹介した製品の情報はこちら〕 |