新しい「夏天(KATEN)」のカスタムイメージの撮影ということで、私にとっては最も得意というか、大好きなテーマだと感じました。
住んでいる石垣島は梅雨入りしてしまいましたが、梅雨の合間には春の雲と夏の雲が入り混じり、この季節にしか見られない空を見ることができます。そして都会とは違い、高い建物が少ない沖縄の離島では大きな空と広く青い海が広がっていて、自然と超広角レンズを使いたくなる場所でもあります。

そのため「PENTAX K-1 Mark II」に「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR」、「PENTAX K-3 Mark III」に「HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited」はまさに沖縄では普段からつけっぱなしにしておきたくなるセットです。

ちなみにK-1 Mark IIにつけたD FA 21mmF2.4 Limitedは今回初めて使用することができました。リミテッドレンズといえば、フィルム時代からLXやMZ-5などで31mmや77mmなどのリミテッドレンズを使ってきましたがリミテッドレンズはどれもカッコよく、触った感じの質感も素晴らしく、コレクションとしても持っていたいレンズです。この21mmリは今までのリミテッドレンズよりもひとまわり大きくなっていますが、フィルム時代からのPENTAXのカメラより少し大型化したK-1 Mark IIに装着するとバランスがちょうどいいと思いました。

 

 

そして今回のテーマでもある新しくできたカスタムイメージの「夏天(KATEN)」はこの2本のレンズとK-1、K-1 Mark II、K-3 Mark IIIを組み合わせたときにだけ使える特別なカスタムイメージで、レンズやカメラを持っている人にはすごくラッキーな嬉しいサプライズ。まだ持っていない方はこの「夏天(KATEN)」のカスタムイメージが使えるから買いたいと思わせてくれる特典だと思います。

普段、沖縄で日中はビーチや海を撮影する時は 灼熱の太陽と澄み切った青空と美しい海を表現するためにCPLフィルターを使って撮影することが多いですが、今回はノーフィルターでの撮影。作例を撮影しているとちょっと偏光フィルターかけたいなあと思うことも少なくなかったのですが、ここは我慢して「夏天(KATEN)」のカスタムイメージを試してみました。

 

 

今回この撮影の最初の頃は、まだファームウェアができていないのでまずは(鮮やか)の設定で撮影していました。さすがリミテッドレンズの解像感、空の抜け感など十分素晴らしく満足していたのですが、ファームウェアが完成したということで早速カメラ内現像をしてみて本当にびっくりしました。まるで偏光フィルターをかけて撮影しているいつもの自分の色味、自分のイメージする沖縄の青い空と海が表現できていました。これはもうCPLフィルターが必要なくなります。
もちろんフィルターなどは装着しないで撮影した方がレンズの性能を最大限に生かし、解像感のある描写、そして透明感が出ます。また、CPLフィルターを使わないことで、シャッタースピードも2段ほど稼ぐことができ、明るいリミテッドレンズなら手持ちで撮影できる機会も増えます。

 

とにかく夏空が好きで 好きな夏空をイメージ通りに伝えるのにこの「夏天(KATEN)」というカスタムイメージは自分にとって最高のカスタムイメージだと思いました。
今まで「鮮やか」で撮影していても十分満足していましたが、このカスタムイメージにすることで1枚ベールが剥がれよりクリアになり、パキッとします。
さらに、偏光フィルターをつけて撮影しても同じように青くクリアになるのですが、同時に水面の反射のきらきら感も消してしまいます。でも、この「夏天(KATEN)」なら、水面のキラキラ感も残しながら空をパキッとさせ、自分が目で見て表現したかった色を出すことができます。また、朝焼けや夕焼けなどもこのカスタムイメージで撮影するとよりドラマチックになり、沖縄の日差しの強さを表現できることがわかりました。
このカメラとレンズ、そして「夏天(KATEN)」のカスタムイメージはこれから夏本番を迎える沖縄で撮影活動をする上で新しい表現方法が増えたことが嬉しく、楽しみです。

 

– 北島 清隆氏による「夏天(KATEN)」ギャラリー –

※クリックで画面サイズに合わせて写真を表示できます

「夏天(KATEN)」K-1 Mark II × HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR

 

梅雨入りしたばかりの石垣島。沖縄の梅雨はいつも空梅雨と雨は少ないのだが、今年はラニーニャ現象のせいか本土の梅雨と同じようで雨が多い、その合間の晴れた日に石垣島の北部へ撮影に行った。梅雨の雨で空気中の埃が落ちて、抜けるような真っ青な青空のキャンバスに真っ白な雲が白筆で絵を描くように空にアートしていたのを「夏天(KATEN)」のカスタムイメージをつかってメリハリを出し、強調することができた。

 

「夏天(KATEN)」というと日中の青空向きかと思っていたが、朝焼けのシーンで空の濃さを引き出してくれて沖縄の朝の日差しの強さとこれから暑くなる沖縄の朝も表現できた。

 



石垣島での撮影とは別により青い海を求めて慶良間諸島の座間味島へ行ってきた。渡し船で無人島へ上陸し、打ち寄せる波と無人のビーチを撮影した。いつもはCPLフィルターを使って海と空の青さを強調するが、CPLフィルターを使うと2段ほどシャッタースピードが落ちるのでISOを上げて撮影しないと波の飛沫を止めることが難しい。その点この21mmレンズで「夏天(KATEN)」で撮影することでCPLフィルターを使ったのと同じようなイメージで撮影でき、なおかつ飛沫を止めた波間の風景写真を撮ることができる。

 

海へ続く一本道と迫り来るスコール。沖縄の梅雨は空梅雨なので一日中どんより雨というよりは、水温上昇で積乱雲ができスコールが降るというのが多くまさに巨大な積乱雲がこちらに迫ってくるところを21mmのワイドレンズでバランス良く撮影できた。「夏天(KATEN)」によって空の青と雲の白のコントラストがはっきりして夏感が伝わり、雨を持った積乱雲の下部も雰囲気のある色が出ていてダイナミックで印象的な写真になった。

 

海に抜けるあぜ道を探すのが好きで、海沿いの道を通るときはよく探している。この場所も初めて行った場所で緑の間を抜けると誰もいないビーチに出られた。手前の緑のトンネルから明るいビーチに出るところで植物を額縁のようにイメージし、青い海と空と真っ白なビーチを表現したかった。「夏天(KATEN)」の効果で青空と雲、海、ビーチのコントラストをはっきりさせることで夏の沖縄を表現できた。

 

「夏天(KATEN)」K-3 Mark III × HD PENTAX-DA 15mmF4ED AL Limited

沖縄の梅雨のこの時期は晴れると空が青い。そして巻雲など春の雲と積乱雲や夏の雲が入り混じって空がとても面白いく変化していく。離島は特に高い建物も少なく超広角レンズを使って青空いっぱいに撮影したくなる。そしていつもならCPLフィルターを使って青空や海を強調するのだが今回はノーフィルターで撮影し、「夏天(KATEN)」のカスタムイメージで現像するとまさに思い描いていた青空の表現ができて本当に驚いた。

 

 

どこか懐かしさを感じるサトウキビ畑の間のあぜ道に、長く大きな積乱雲が夏を感じさせてくれた。沖縄では梅雨が明け、梅雨前線が少し九州方面に上がると夏至南風と書いてカーチバイと方言で呼ばれる南からの強い季節風が吹き始める。普段ならCPLフィルターを使って撮影することでシャッタースピードが2段ほど落ちるのでサトウキビの葉が揺れてしまうが、ノーフィルターで撮影したこととリミテッドレンズのキレの良さで葉の動きもシャープに写すことができた。

 

 

海へ続く一本道と迫り来るスコール。水温上昇によって巨大な積乱雲ができて、まさにこれからスコールが降る直前の様子。巨大な積乱雲がこちらに迫ってくるところを迫力臨場感が伝わるよう縦位置で切り取り、「夏天(KATEN)」によって空の青と雲の白のコントラスト、暗雲が迫る臨場感を表現することができた。

 

 

凪の海に雲のリフレクションがうまく撮れた。普段夏の沖縄を撮る際はほぼCPLフィルターを装着し自分の思い描いたイメージになるよう撮影をしているが、CPLフィルターを使うことによる効果として、水面などのきらきらも除去してしまう。リミテッドレンズの写りの良さももちろんあるが、「夏天(KATEN)」で撮影することでCPLフィルターと同じように青を強調しつつ水面に映る白い雲の描写も見たままを伝えられるのが素晴らしいと思う。そしてこのように水に入って撮影する時には三脚は使わず手持ちで撮影するためにシャッタースピードを上げて手振れを防ぎたいので、ノーフィルターで撮影してカスタムイメージによる仕上げで「夏天(KATEN)」にできるというのは自分にとってとても便利で嬉しい機能だ。

 

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