PENTAX間違いあるある 第2回をお届けします。
今回のあるあるは、どちらかというと我々の情報発信不足によるモノのような気がしますが、そこは笑って許してください。
AFホールド
最近のPENTAXのカメラ設定の中に「AFホールド」という項目があり、「オフ/弱/中/強」の選択肢があります。ここで選択するのは、位相差AFのAF.C(コンティニュアスAF)で動くモノを追いながら撮影しているときに、AFゾーンから一瞬外れてしまった被写体に対しAFをどう作動させるか?です。
「AF」を「ホールド」するのだから、「強」を選ぶといちばんパワフル(笑)にAFを作動させて、被写体にAFを合わせてくれそうな感じもします。でもじつは逆なのです。
説明書には「合焦後に被写体が動いて見失ったときにすぐにAFを再作動させるか、一定時間フォーカスを保持してからAFを作動させるかを設定します。」と記載されています。つまり、AFゾーンから被写体が外れた瞬間にAFを再作動させて探しまくるのが「オフ」。逆に、AFゾーンから被写体が外れたからといって、撮影者と被写体の距離がすぐに変わるわけではないので、その距離を「ホールド」したまま、とりあえずAFを作動させずにしばらく待ってみる!というのが、「弱/中/強」なのです。AFを作動させずにいちばんのんびり待つ選択肢が「強」というのが、字面から受ける印象とは逆っぽいため、よく勘違いされてしまうのだと思われます。
赤色画面表示
おや、写真仲間の間でもベテランで物知りとして一目置かれているAさんが、仲間に解説をしていますよ。
「潜水艦の映画を見てると、非常時に艦内灯を赤くするでしょ。あれって、暗いところでも赤くすると見やすいからなんだよ。アレと同じで、天体撮影の時も周りが真っ暗なので、画面を赤色に表示させるとあまり明るくしなくても見やすいんだよね〜。」
・・・全くの間違いです。
「見やすい」というのは、回り回って正しいとも言えますが、「赤色画面表示」の主な採用理由は、真っ暗な環境下で、目くらましを食らわないためなのです。
ここで暗い場所と言っているのは、夜の街とかそんなレベルの話ではありません。天体撮影に適した、街の明かりなどの影響がほとんどなく、その場に数十秒から数分いないと真っ暗で周りの様子が分からないレベルの暗い場所のことです。その暗さに目が慣れて、周りの様子がなんとなく見えてくることを「暗順応」と言いますが、赤色の画面表示はそんな暗順応した目に優しいのです。つまり背面液晶の表示を赤色にするのは、見やすくするためではなく、暗順応した眼に通常表示で目くらましを食らわさないためなのです。
赤色が目くらましにならない理由は、錐体(すいたい)細胞とか桿体(かんたい)細胞などと言う話になるのですが、話が長くなるのでここでは割愛します。気になる人はググってください。
カメラが壊れて内部でガタガタ音がする
初めてPENTAX のデジタル一眼レフカメラを購入した方がカメラを持ち歩いていると、どう聞いてもカメラの中で部品が外れた音がするので、故障と思いこんでサービスセンターに持ち込まれたりします。しかしほとんどの場合、この音はPENTAXデジイチ特有の機構に起因するモノで、故障ではありません。
PENTAXのKマウントデジタル一眼レフカメラは、手ぶれ補正機構にイメージセンサーシフト方式を採用しています。永久磁石と電磁石の作用によりイメージセンサーを駆動させる手ぶれ補正機構(SR)は、電源が入っていないときはイメージセンサーがカメラ底部方向に下りて(落ちて)います。その状態でカメラを振るとイメージセンサーが上下&左右&回転方向・・・つまりフリーにガタガタと移動して、内部の部品が動いているような音がするのです。というか、実際内部の部品が動いているのですが。
カメラの電源がONの状態でちょっとカメラを振ってみてください。イメージセンサーがある程度保持されるので、電源OFFの時のようなガタガタ音はしないハズです。こんなガタガタ音がするような機構でカメラは壊れないの??と疑問を持たれる方もおられると思いますが、そこはご安心を。十分試験をした上で製品化しています。