カメラを持って出かけると、何でもない日常が、光の輪郭をもって浮かび上がる。

さぁ、今日もカメラを持って出かけよう。

 

第15回「記録写真/いつもと違う夏休み」

今年の夏は新型コロナウィルスの影響でいつもと違う夏休みを過ごしたことと思います。いつもと違う、それは写真にとってどういう意味があるのでしょう?

不謹慎かもしれませんが「残す」と言う役割を持つ写真にとってはとても意味のあることなんだと思います。

南青山の事務所ベランダ。植物はいつもと変わらない夏なのでしょうか。

 

ユニコーンの角には、毒で汚された水を清める力があるとされるそうです。

記録写真=後世に残すべき資料的な価値のある、かつ客観性のある写真。とすると、なんだか、戦場にでも行かないと!と思ってしまいますが、自分のための記録写真があってもいいと思います。

日々の暮らしの中で何気なく撮影した写真、日常写真と呼ばれるものも自分にとっては立派な記録写真です。

朝顔は花も好きですが、力強い大きな葉にも惹かれます。

記録写真は、時が経ったその時に、役割が発揮されます。フランスの写真発明家マンデ・ダゲールが撮影したパリの街や風俗は記録写真としても価値があります。あなたが撮った街の写真も、100年経てば立派な記録写真です。そう考えると、目の前の風景が100年後にどうなっているのか想像しながら撮影してみるのも面白そうですね。

取り壊される都営青山北町アパート。

 

新しく出来たビルのテナント準備中。都営青山北町アパート跡地に出来る街区の名前は「ののあおやま」、建物・景観デザインは建築家の隈研吾さん。

 

さて、あなたの夏休みはどんなでしたか?写真を振り返ればあなたの夏休みがそこにあります。

10年後20年後、自分を振り返ってみるためにもどんな時もシャッターを切って「記録写真」を残してくださいね。

それはあなたが生きた証なのです。

 

 

林 和美さんの『カメラは感動増幅機』のその他の記事は>>こちら