~広い広い世界を、自分の思い通りに切り取れるなんて最高じゃないか。

第12回「ローアングルで切り取る」

いつもと視線を変えてみる。変えてみるといっても今回は、「高さ」である。ローアングルで切り取ってみた。

 

 

 

 

今日の相棒はKP+ smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR。

しゃがみ込み、カメラを思いきり地面に近づける。
当たり前だが、いつもの風景もローアングルで見ると違って見える。低い位置だからこそ、見上げることを意識したりした。実際にやってみると、頭で考えているよりも、もっと新鮮だ。やってみることの大切さを思い知る。これは面白い。ローアングルのまま、野良猫みたいに、徘徊してみる。

 

 

 

 

ローアングルで撮影して新鮮に感じられるのは、風景だけではない。地面に近づくことで、いつもと違う匂いを感じる。太陽に熱せられたアスファルトが放つ空気の匂い、道端に咲く草花の生命の匂い、枯れた匂い。本来持っている自然に対する感覚を呼び覚ます。逆に言えば、たかが1メートルくらいの高さの違いによる視線や姿勢が、今の自分を限定していることを思い知る。

 

 

 

 

今回、ローアングルということで、普段あまり使わないチルト式モニターも使ってみた。ただ、私の場合は、やはりモニターではなくファインダーで切り取ることが、しっくりくるということを再確認した感じだった。「覗く快楽」、そのために、ローアングルも多少無理でもファインダーを覗いて撮ろう。

 

 

 

 

 

 

被写体は立体だ。視線を変えると、被写体自体の見え方も変わるし、背景も変わる。いろんな視線(アングル)を試さなければいけない。凝り固まった視線や思想では、本当のことはわからない。ファインダーを覗かない時も、その事を忘れないようにしたいものだ。