~広い広い世界を、自分の思い通りに切り取れるなんて最高じゃないか。

切り取りの美学 第3回「ズームレンズで切り取る」

今日の相棒は、KPとsmc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WRだ。レンズには、美しく輝く若葉色のライン、根元には唐紅のライン。この2本のラインをKPに装着する。ふたつの赤いマウント指標を合わせ手首を捻る、カチッという小気味いい音が、撮影スタートの合図だ。

 

普段、持ち歩くカメラには標準単焦点をセットすることが多い。自分の感情に違和感なくすぐに反応するには、身体の一部として無理のない大きさと明るさが、私にとっては重要だからだ。

しかし、近づけない被写体、刻々と変わる被写体との距離感を捉えるのに、単焦点では適わない時がある。そこで、ズームレンズの登場である。このPENTAX-DA 18-135mmは、全長76mm、最大径73mm、画角は35mm判換算で27.5-207mm。コンパンクトだし、画角も広角から望遠まで選べる、私にとって表現の幅を広げてくれる相棒のひとつだ。

 

 

 

その昔、写真学校の先生といえば、「ズームレンズは使うな、単焦点を使って自分で動け」という人が多かった。それが写真上達への道だと言わんばかりに。

今はどうなんだろう?

ズームレンズは、その構造上、暗いし、画質や開放のボケも単焦点には劣るだろう。でも、昔に比べれば格段によくなってるはずだ。自分で動くという点においても、ズームレンズだから動いてはいけないわけではなく、積極的に動けばいい。

 

 

機材は、適材適所、自分で考えて使えば良い。それが正解だ。
誰かのレンズ評や口コミに左右されてはいけない。
自分で使って確かめた感覚を大切にして欲しい。

 

 

ズームレンズを使っていて思うのは、自分の居る場所を変えなくても、違う世界が見れるなんて最高じゃないかということだ。もし、あなたが自分が立っている場所に満足出来ないでいるなら、ズームレンズの視線を持てば良い。写真を愛する者は、世界を自由に切り取れる。