12月のお題は…『飲み物の缶を撮る』

林 和美 師範

誰もが日常的に見ていて、簡単に手に入る飲み物の缶。それをどう自分のやり方で切り取るのか。缶だけでなく、背景(バックグラウンド)や横顔(プロフィール)も審査の対象とします。

 



林 和美 師範からの12月のお題は『飲み物の缶を撮るでした。
このお題に投稿いただいた中から師範が選んだ作品を、添削コメントを添えてご紹介します。

12月の挑戦者その1:萬さん

雪が降っては溶け、日の当たらないところにだけ雪が積もるような時期に、
落ち葉の中に捨てられた缶が悲しげな空気を醸し出していました。


北海道在住、男性。カメラを買って1年程が経ち、その魅力に気付き始めました。いい写真が撮れるようたくさん勉強していこうと思います。PENTAX K-70とsmc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WRで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

 

林 和美 師範からの添削コメント

 

やりきれなさを酒で紛らわした若者たちの夢の跡。
そんなイメージだ。楽しげなサワーなのに、濡れた落ち葉がべったりと張り付いているところが物悲しい。ローアングルで捉えたことで、缶が擬人化され、見るものの共感を得るだろう。

アンダー目の露出、黒い線となった手前の枝のボケ、手前の缶との距離感、どれも良い。
だが、もうほんの少しだけ引いて手前の落ち葉をもっと入れてやると、さらに捨てられた感じ、物悲しさが出たのではないか。
お使いのDA 18-135mmを、ほんの少しだけ広角側へ。

12月の挑戦者その2:Melyukiinaさん

DFA★85mmを買ったばかりで、晴れた日に動物園で撮影を楽しみました。
寒くなってきましたがたくさん歩くとやはり暑くなってのどが渇きます。
甘くなくて強烈な炭酸が飲みたくなって、この飲み物を選び、
ふとPENTAXで飲み物テーマに道場をやっているのを思い出して、ベンチに置いて撮影しました。
きりっと爽やか‼強炭酸をイメージして寒系にして背景もベンチのストライプだけにこだわってみました。

Melyukiina
愛知県在住、男性。中学の時から一眼レフに目覚めたため経験年数が40年以上になってしまいました。初めて買った一眼レフがRICOHのXR500で、デジタルからはPENTAX K20Dより。PENTAX K-1とHD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AWで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

残念ながら・・・

林 和美 師範からの添削コメント

 

コメント通り、きりっと爽やかな強炭酸のイメージ、ラベルの向きも問題ないし、背景のベンチのストライプのボケの作り方も上手い。さすがは写歴40年以上のベテランだ。

しかしながら、お題は『飲み物の缶を撮る』。缶だ…。残念である。

もちろんそれだけではなく、商品写真のような上手さではなく、「くぅ〜」とか「ゴクリ」とか、自分の気持ちが表現の中に欲しかった。

12月の挑戦者その3:無謀庵さん

きちんと並べて隅っこに、でも不法投棄されてるのがなんだかおかしくて。

無謀庵
大阪府在住、男性。DA70mm Limitedを夏に買って、大体ずっとK-70につけっぱなしてます。PENTAX K-70とHD PENTAX-DA 70mmF2.4 Limitedで撮影。

 

師範の判定結果は・・・

もう一歩!

林 和美 師範からの添削コメント

 

よくよく見ると良さがじわじわとくる作品だ。

まずは、光を見て欲しい。まるで計算されたライティングのように美しい光だ。缶の文字の見え方、クリアカップの水滴の写り具合、木目の照らされ方、どれも美しい。ISOは3200とのこと。最近のデジタル一眼カメラの高感度性能は相当なものなので、もはや難なく使える感度となっているのも作品づくりには心強い。缶の質感描写も素晴らしい。

次に、切り取り方。画面向かって右側の白い光部分、左手のブロックに当たる光の部分、手前の木目の明るい部分、そのどれもが背景の黒に対する割合と配置が上手い。
ただ、セブンイレブンのクリアカップが少し主役の缶を食ってしまっている感がある。切り取りが上手いだけに、お題の缶を主役として浮き立たせるシーンと切り取りが見たかった。

記念品のお届けについて

萬さん、無謀庵さんには「免許中伝ミニ木札」を、Melyukiinaさんには「門前払いミニ木札」をお贈りします!

記念品は1月中にお届け予定ですので、しばしお待ちくださいませ。

以降のお題へのご投稿もお待ちしています!

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