こんにちは。Andyです。普段は主にリコーフォトアカデミーの仕事をしている私ですが、今回は昨年実施した「リコーイメージング PENTAX / GR フォトコンテスト2021」についてお話ししたいと思います。

 

このフォトコンテストは、「リコーイメージング PENTAX / GR フォトコンテスト2021」と名称を改め、撮影プロセスまで愉しめるカメラにこだわる「PENTAX」、最強のスナップシューターを追求し続ける「GR」による作品を募集しました。また新たな試みとして中国からの応募も受付けました。

募集期間は、2021年7月16日~9月30日。コロナ禍で新たな作品を撮りづらい一年ではありましたが、国内及び中国からたくさんの力作が寄せられ、10月に実施した赤城耕一さんと小林義明さんによる審査は大いに盛り上がりました。PENTAX部門、GR部門という分け方以外のテーマは無く、基本的に自由なことと、中国からの応募もあり、様々な作品が目の前に現れることは、立ち会っていた私自身もとてもワクワクする一日でした。

 

 

12月19日(日)にリコーイメージングスクエア東京で開催した授賞式はオンラインでも参加できるように準備。PENTAX部門・GR部門合わせて選ばれた40名(作品)の方の中から、32名の受賞者の方々に参加いただきました。オンラインでは中国の受賞者の方にも参加いただき、受賞者の皆さんに一言ずつ自己紹介や作品についてお話をいただきました。内容は日本語⇔中国語の通訳もされ、貴重な経験にもなったのではないでしょうか。

 

 

全入賞作品はリコーイメージングスクエア東京、大阪、そして上海の3会場で写真展を実施。プロラボで丁寧にプリントされた全紙~大全紙のプリント(単写真の場合)を観ると改めて受賞作品の魅力が伝わってきます。受賞者の方が在廊されることもあり、写真展はどの会場もとても賑わいました。

東京会場

大阪会場

上海会場

PENTAX部門 U-25奨励賞 受賞者インタビュー

さて、多くの魅力的な作品とそして個性的な受賞者の方々が集まったコンテストですが、今回はその中からPENTAX/GR各部門で、若い世代の育成および支援を目的とした賞「U-25奨励賞」を受賞されたお二人の受賞者にお話を伺い、コメントいただきました。

PENTAX部門の受賞者、長本 直之さんに今回の受賞作品のことをはじめ、カメラのことや普段の写真との関わりなどについてお聞きしました。

PENTAX部門 U-25U-25奨励賞 受賞作品:いとなみ

 

<写真を始めたきっかけ>

事務局:この度はおめでとうございます。U-25奨励賞ということですが、長本さんはなんと19歳ということで。写真はいつごろから撮り始めたんですか?

長本さん:小学6年生頃からですね。祖父がやっていた影響で、PENTAXのK-xを貸してもらったのがきっけです。

事務局:小学生から!?ずいぶん早いですね!しかもおじいさんから引き継いだのがPETNAXのデジタル一眼レフカメラというのが、時代の流れを感じました…。

<今回の受賞作品について>

事務局:今回受賞した作品を撮った時のことって覚えていますか?

長本さん:この写真は都内にワクチン接種に行った時に撮りました。実は街中にあるゴミを撮るのが好きで。

事務局:なるほど、ゴミに興味が。

長本さん:このゴミはなんで捨てられたんだろう? とかこのゴミはなんでここにあるんだろう?とかって考えるのが好きなんですよ。例えば空き缶がゴミ箱のそばに綺麗に並べられていたりすると、「この空き缶も最初にここに置いた人がいて、それに続いた人がいて…」とか想像が膨らみます。ちなみにこのコンテストでの受賞作である「いとなみ」を家族や知人に見せましたが、「へぇ、ゴミの写真なんだね…」という反応で。笑
いつかは「おおっ」と思ってもらえるような、そんなゴミの写真を撮ってみたいです。

事務局:良いですね、期待しています。そういった撮りたいテーマがあるのも素晴らしいと思いました。 ちなみにこの写真を撮った時のカメラは・・・?

長本さん:PENTAX KPとHD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limitedの組み合わせですね。街中で撮る時はこの組み合わせが軽快で好きなんですよ。

<フォトコンテストには今までも応募を?>

事務局:こういうフォトコンテストには今までにも応募していましたか?

長本さん:そうですね。高校時代にも写真部の活動としてフォトコンテストにチャレンジすることがあり、何度かコンテストで受賞しています。ただ、何のために写真を撮っているのか、コンテストで受賞するためなのか、そういうことを考えるようになり、写真を撮るのが楽しくなくなってきているのに気づきました。そのころ主にSNSでのコンテストがメインで、評価されたくて気が付いたら彩度マシマシの写真ばかりを応募していたことにも、後から気づきました。

事務局:そういったことに高校生の時に気付くってすごいですね。

長本さん:そんな頃に、ずっと写真をやっている幼稚園のころからの付き合いの友人が、フィルムでの写真を勧めてくれたんです。それから一緒にモノクロをやりはじめました。もともと花が好きで、写真を始めてからずっと花の写真ばかり撮っていたんですが、フィルムをやり始めてからはもっと日常を写すようになりました。フィルムで撮った写真はあまりいじったりできないところがいいですね。なので今ではデジタルカメラでもJEPGで撮るようになっています。

事務局:なるほど、それはとても貴重なご友人ですね。写真を撮ること自体をあらためて楽しみ始めたという素敵なエピソードです。

<カメラのこと>

事務局:今のメインカメラはなんでしょうか?

長本さん:PENTAX K-1 Mark IIにHD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WRですね。K-1 Mark IIは授賞式の当日にスクエア東京で・・・。

事務局:ありがとうございます、賞金を元手にですね…。もちろん何に使っても自由なんですけど、賞金をそういう風に次の制作に活かしてもらえるのはとてもうれしいです。

長本さん:いつかは645を・・・、やはり大きなフォーマットには憧れます。67にも憧れていました。

事務局:いつかはぜひ。それにしてもこうやって機材へのあくなき欲求と、写真を作品にしていくことを両立しているってすごいと思いました。

<これからコンテストを目指す人に一言>

事務局:これからコンテストを目指す人に何か一言、メッセージというか、何か伝えたいことはありますか?

長本さん:自分の撮りたいものを撮ってそれを出すのが一番だと思います。「そのために撮る」というのもすごいと思うけど、撮りたいものをとって、そこから出すのがいいんじゃないでしょうか。

事務局:なるほど、しっかりした考えを持っていますね。でもそれが一番、評価されたときには嬉しいかもしれないですね。これからもぜひその気持ちで写真を撮り続けてください。今日はありがとうございました。

長本さん:こちらこそありがとうございました。

長本 直之さん