明けましておめでとうございます、ジョニーです。

前回、インターバル撮影の設定について、お伝えしました。

前回の記事はこちら

前回の記事の中では説明しきれなかった「スターストリーム」の作例を充実させるべく、12月の寒空の下、PENTAX official編集部にて撮影して来ました。
その撮影の際、PENTAX official編集部員のU(ゆう)氏より星の撮影について多くの学びを得たので、これから星景写真をはじめたいと思っている方にも共有するべく、PENTAX officialで紹介することにしました。

 

星の撮影に出かけよう(準備編)

ふたご座流星群が2019年12月14日~15日にかけて極大になるので、スターストリームで伝わりにくい「フェードアウト」がわかる写真を撮りに行こう!と言う話が出ました。
撮影に使用するカメラやレンズ、撮影場所を決めていく段階で、星景写真に精通したU氏からアドバイスがありました。

「貼らないタイプの使い捨てカイロを忘れずに。自分用だけではなく、レンズ用も忘れないでくださいね。」
「タオルも忘れないでください。レンズが結露しないようにレンズに使い捨てカイロを巻きます。」

当然、専用のレンズヒーターを使ってもいいのですが、沢山用意するのは大変な場合もありますし、私は持ち合わせていません。そんな場合は使い捨てカイロ+タオルでも代用が可能です。

実際の巻き作業は現地の真っ暗な中で行うことになりますが、今回は明るいところで再現しましたので、手順だけ覚えていくと良いと思います。

①使い捨てカイロを巻いた状態でズームリングやピントリングを調整できるように、使い捨てカイロの幅を調整します。使い捨てカイロを折りたたまない場合、画像のようにレンズ全体がおおわれてしまい、操作できなくなります。

折りたたまないサイズだと、レンズ全体がおおわれてしまいます。

②タオルの端に使い捨てカイロを置き、タオルを折りたたみます。実際はタオルの中に使い捨てカイロがある状態です。

③使い捨てカイロがある側から先に、レンズにタオルを巻きます。レンズフードに近すぎると映りこみの原因になるので気を付けてください。最後は輪ゴムで止めて完了です。ピントリングが操作できるようになっていれば準備OKです。

 

星の撮影に出かけよう(撮影場所決定編)

撮影場所として、箱根、富士山、夫婦岩(千葉県)が候補に挙がっていましたが、レンタカーを借りる段階で最終的に決定することにしました。

撮影日の前日、カメラ好きの先輩から「海は霧が立ち込める心配もあるから夫婦岩は避けた方が良いかもよ」というアドバイスももらいました。
いろいろな知恵がある写真の世界…、奥が深いです。

ただ、早朝までの撮影を考慮したところ、箱根や富士山では日が回るころには雲が出てくる予報になっており、霧の不安があっても夫婦岩の方が撮影できる時間が長いだろう、という判断で、夫婦岩で撮影することに決まりました。
私は天気予報の晴れ、曇り、雨や、降水確率ばかりを気にしていましたが、一番気にしなければならないものは雲の予報でした。

インターネットで「雲 予報」と検索すると、雲の予報が確認可能です。

インターバル合成を使った星景写真の場合、雲が写りこむと急に残念な写真になってしまいます。

雲が写ってしまっている写真、画面中央付近の右から左にかけて白い部分が雲が流れた後です

撮影場所を選ぶ場合、【雲の予報が重要】と覚えておきましょう。

 

撮影開始!までいろいろと準備

今回はPENTAX KP + HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WRの組み合わせを4セット用意しました。バッテリーは計16本、準備万端です。

焦点距離は基本的に16mmで撮影しました。バッテリー交換の際に焦点距離がずれてしまったボディもあります。
みなさんも同じレンズで作例を同時に撮りたい場合は気を付けてください。(そんな人は中の人だけですかね)

三脚を4台並べていざ撮影です。実際は右の画像くらいの明るさで撮影しています。


撮影時のカメラ設定について、書いておきましょう。

◆撮影情報
シャッター速度:15秒
絞り値:F4.0
ISO感度:ISO 400

◆メニュー
・ドライブモード:スターストリーム(撮影待機時間:最短、撮影回数:500回、開始トリガー:セルフタイマー(2秒))
・ホワイトバランス:太陽光
・カスタムイメージ:ナチュラル
・ローパスセレクター:Type2
・長秒時NR:オフ
・フォーカスモード:MF

◆メニュー
・インジケーター – セルフタイマー:オフ

◆カスタムファンクション
・インターバル撮影の動作:撮影待機時間
・WBの光源調整範囲:固定

このまま、数時間の撮影になるのですが、前々日の12月12日が満月だったため、当日も非常に月が明るいく、スターストリームの撮影には邪魔になるため、少し時間をおいてから撮影することになりました。

 

撮影開始!スターストリームの作例、フェードアウトの設定による違い

※ウィンドウサイズが小さいため、全画面表示にてご覧いただくのをお勧めします。
通信速度に余裕のある環境であれば4K解像度でご覧ください。

〔フェードアウト:オフ〕

 

〔フェードアウト:弱〕

 

〔フェードアウト:中〕

 

〔フェードアウト:強〕

フェードアウトの設定によって、星の軌跡の違いがご理解いただけたと思います。

 

おまけ:その他の作例

スターストリームの撮影中に、各々持ち寄ったカメラでも撮影を行っていましたのでご紹介しようと思います。

夫婦岩の間にちょうど良く流れ星が落ちた写真。比較明合成で撮影。
飛行機も映ってしまっていますね。(画面左側の赤い点々)

 

夫婦岩を撮影しようとすると方角が東側になってしまい、流れ星は南側の方に良く落ちるのでそちらを狙っていたカメラの1枚。
オリオン座とおうし座の一部が写っています。
左側が明るいのは月の影響です…。

残念ながら、月が明るかったため、狙ったほど流れ星は写っていませんでした。
星景だけではなく、天体撮影も含め、月が暗いタイミングでいつかリベンジしたいですね。