今回は、キーのお話です。そもそもキーってなに?と、思われる方もあるかもしれません。それともこの設定をカメラでコントロールできるのはペンタックスぐらいなので、ペンタキシアンの皆さんには馴染み深いでしょうか。
キーは気分
確かに細かい話をすればいろいろなことがあります。それを解説するのは私には荷が重いので、今回は気分で変えるものとして解説します。気分でわかりやすいのはハイキーやローキーという言葉です。ハイキーは明るめ、ローキーは暗め、そんな言葉に置き換えるとさらにわかりやすくなります。
カメラとレンズ
カメラはPENTAX K-3 Mark IIIです。実はこのカメラから刷新された画質はとても階調が滑らかで、モノトーンで撮影していると黒の締まりが少し弱く感じることがありました。そこで、それを補うためにキーを使うようになりました。レンズはHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited。このレンズはとてもニュートラルな階調再現力があるので、キーをコントロールした違いがわかりやすい特徴があります。撮影はプロフェッショナルモードです。
キーの解説
〔 ハイキー〕
上の2枚は微妙に違うが共にオーバーなハイキー表現。 |
〔ローキー〕
こちらも上の2枚はアンダーなローキー表現。 |
この解説で使っている写真を見ていただいてもその違いがほとんどないことがわかります。デジタルになって細かく数値で追い込めるようになったので、こんな違いを細かく解説することが多くなりましたが、写真はもっと大らかでざっくりした考え方でも楽しめます。
プチローキー キー-1
これは佐々木啓太の好みで現在のデフォルトになっています。キーは-1なので、ほとんど変化がないように感じますが、暗部をしめたモノクロが好みなのでこんな設定にしています。
〔左:キー0 / 右:キー-1〕
共に露出補正なしでもキーを-1にした方は少し暗部にしまりを感じる。 |
この程度であれば露出補正でも十分対応できそうですが、基本となるトーンの深みを決めるためにキーを使ってます。もちろん被写体の条件に合わせた露出補正は適宜行いますがキーは固定です。
露出補正:-0.7EV。 暗部に深みがあると車だけが画面の中で浮き上がりやすい。 |
露出補正:-0.3EV。 曇天の空の質感が強調される。 |
ハイキー気分
ネーミングはかなり微妙ですが、普段滅多にやらないオーバー気味の撮影をするときに使う設定でキーは+2です。コントラストも少し弱くなるので柔らかく優しい雰囲気になります。
露出補正:+0.3。曇天のどんよりした雰囲気が和らぐ。 |
露出補正:+0.3。雲間から射した光が影を落としてもそれほどその印象は強くならない。 |
露出補正:+0.7。ハイキー効果で画面全体が優しくなる。 |
露出補正:+0.7。 少しくたびれたような公園もこの設定では暖かな雰囲気に包まれる。 |
まとめ
技術的に詳しい人からすればこの解説はとてもざっくりと大まかすぎるはずです。デジタルカメラの利点は難しい知識がなくても写真を楽しみやすいことです。撮影に出掛けた時になんとなく気分が乗らない。そんなときこそ気分転換にキーを使いましょう。
次回は、セピアの誘惑 です。
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