今回は新しいカスタムイメージ 里び(SATOBI)のお話です。実は里びは結構お気に入りなんです。そのポイントはトーンの再現がモノトーンに近いことです。撮影地は鹿児島。2021年の12月にお邪魔しました。
カメラとレンズ
カメラはPENTAX K-3 Mark III、レンズはHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR で焦点距離は26mmに固定です。これは前回の35mm判換算40mm相当の画角で紹介した焦点距離です。この画角と里びの相性も良いと思います。撮影モードは絞り優先で絞りはF4で統一しました。
里び のポイントはトーンの再現力の高さ
色みに派手さはなくしっとりとした感じで、ブルーはシアンという少し黄色が入ったような感じになります。今回はWBを曇天にしているので、さらに弱くアンバーが入っています。大切なのはそのトーンの滑らかさで、かなりアンダーにしても暗部は潰れず、ハイライトのトーンにも粘りがあります。これをボクはフェルメール的な光の再現力と呼んでいます。
SATOBI と書きたくなる理由
ボクがモノクロを好きな大きな理由は影の中に物語を宿したような表現がしやすいからです。モノクロではフィルム時代から「黒の中の黒」そんな表現で暗部のトーンにこだわってきました。そのトーンの再現力が里びにもあって、しっとりと哀愁を帯びたような暖かさを感じるので、あえて SATOBI と英語で書きたくなります。これは日本語の意味では田舎じみたという表現もあるので、少しだけオシャレな感じをだしたいからでもあります(笑)。
強めのアンダー露出がオススメ
これまでの写真を見ていただいてもわかるようにかなりアンダー露出で撮影しています。ここまでアンダーにしても大丈夫?ちょっと不安になるぐらいのアンダー露出にしてください。そのとき初めて SATOBI の物語が聞こえてくる気がします。
逆光の光をメインに考えるのはモノクロと同じです。よくモノクロが難しいと言われるのもこの光に対する意識が必要だからです。モノクロと同じように SATOBI も撮影時には光の向きに対する意識が大切になります。
実はイルミネーションも大丈夫
里びは、ちょっと渋みを感じる色合いからイルミネーションには向かないのでは?そんな懸念がありましたが、使ってみれば意外といい感じでした。基本的な撮影設定は昼間と同じですが、多重露出やデジタルフィルター:ソフト(シャドーぼかし)を使って光のにじみを加えて、あたたかみを感じる演出を加えました。
まとめ
SATOBI + 35mm判換算40mm相当の画角のポイントは「ほどよさ」です。さらにフェルメールの絵画的な光のトーンを再現してくれるので、写真の基本である光選びを意識しながらそれに合わせた露出補正を学ぶことができます。光選びや露出の答えは個性です。これは自分で選ぶ楽しさがあると考えてください。
設定のポイント
WBを曇天に変更、ISO感度はオート。カスタムイメージの詳細は全てデフォルト。
補足
里びは、K-3 Mark IIIや K-1 Mark IIと K-1 は試用ファームでは、カメラの撮影時にカスタムイメージで使うことができます。その他のカメラでも Digital Camera Utility 5の最新版を使えば、RAW現像のときに選択できるようになります。撮影時はモノトーンの設定(RAW+)にすると光や露出の感じが掴みやすいはずです。
次回は、SATOBI カスタム forest です。
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■新カスタムイメージ「里び(SATOBI)」対応 ファームウェアのダウンロードページ
K-3 Mark III 機能拡張ファームウェアバージョン1.31
■K-1シリーズ向けにテストファームウェアを公開中
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